住生活月間 特集 1/9

中古住宅も徐々に存在感

顧客満足度の向上・消費者の選択肢を増やす

 

 消費者にとって満足度の高い住宅を供給するのは新築だけではない。むしろこれからは中古住宅が果たす役割が大きくなる。分譲マンションは、中古の成約件数が新築の販売戸数を3年連続で上回った。優良な住宅ストックも増えている。中古住宅を売買市場でいかに流通させるかも住宅・不動産業界のメーンテーマだ。築古であっても機能やデザインを新築並みにすることで、消費者も徐々にではあるが若年層を中心に中古住宅に抵抗を感じなくなっている。

リノベーション市場も拡大へ

 

 中古住宅購入のメリットとしては、新築物件では出にくい好立地の物件を新築よりも割安で手に入れることができる点だ。一方で不安に感じることは耐震性や目に見えにくい箇所の瑕疵(隠れ瑕疵)、設備の老朽化などである。メリットと不安を天秤にかけて消費者は予算内で判断する。

 

 東日本大震災や傾きマンションなど過去にさまざまな問題物件がクローズアップされてきたことでマンションや戸建住宅の売り主・建設会社がどこなのかを選定条件にする消費者も少なくない。

 

 そうした懸念を払拭するために業界団体も取り組んでいる。

 

 

 全日本不動産協会とハトマーク支援機構は今年8月、戸建住宅の地盤調査・建物検査を手掛けるジャパンホームシールドと業務提携。それぞれの会員向けに建物状況調査で劣化などが確認された箇所の補修工事見積りサービスを始めた。これまで建物状況調査で劣化が確認できても、住宅の購入者などから補修に関する説明を求められても十分な回答できていない現状に対応する。ジャパンホームシールドは、調査報告書に加え補修の概算金額と補修方法の説明資料を無料提供する。

 

 

 内閣府の住生活に関する世論調査によると、新築と中古でどちらに住みたいかを聞いたところ、新築を好む人が多く戸建てとマンションをあわせると7割以上が新築派である。中古派は戸建てとマンションをあわせて1割ほどに過ぎない。50代、60代と年齢が高くなるほど新築を好む傾向にある。一方で、少数派の中古が良いと回答している人の理由として、「住みたい場所に住宅を購入するのに手が届きやすい価格」が6割と最も多かった。ほかに「時期を見ながらリフォームする方が資金計画に無理がない」や「実際の住宅を確認してから購入できる」などが2~3割ほどを占めている。

 

 

 こうした中で不動産各社はリノベーションを一つの事業戦略とする。各社とも自社の情報網を使ってめぼしい物件を入れて室内を改装して再販する。買取再販事業者に限らず、仲介会社でもリノベマンションをブランド化して展開する会社も少なくない。

 大京グループは、全国ベースで年間1500戸を超える買取再販を手掛ける。長谷工リアルエステートが600戸超、大和ハウスグループも300戸超を再販する。



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