住生活月間 特集 2/9

再販価格、築古でも相場より高く、立地と改装能力で決まる

 

 リノベーション事業は数少ない成長領域となっている。「その収益も急速に伸びている」(大京穴吹不動産の落合英治社長)。競争環境裳も激しくなっており、不動産価格の高騰に伴い仕入れづらさもある中で収益性とボリュームの維持・向上が課題だ。

 

 

 そうした環境下で消費者に振り向いてもらうために知恵を絞る。大京穴吹不動産では、区分マンション再販ブランド「リノアルファ」を展開しており、異業種との展開も見せている。

 

 家具・インテリアブランドのアクメファニチャーとの異業種コラボでは「アメリカン・ヴィンテージの暮らし」をテーマに築40年を昨年11月にリノベ再販したのを皮切りに今年3月と4月にも都内で地ぐらいの高い浜田山と目黒で手掛けた。

 

 米国の居室で一般的な間接照明の雰囲気をリビングで出すために壁紙も照明で濃淡が出やすい素材を採用するとともに1960~70年代のアメリカの中流家庭で使われていた家具やインテリアで室内を仕上げた。上野毛の物件は地上9階建ての「ライオンズマンション上野毛A棟」(総戸数51)の1室。3LDK(79平方メートル)の部屋に1000万円弱を投じて改装し、5000万円弱で販売。

 

 こうしたテコ入れをすることで中古であっても周辺相場以上の価格帯で販売できたり、なかには新築時よりも高くなるケースも少なくない。

 

 東京カンテイによると、築10年を対象に中古マンションのリセールバリュー(再販価値)を駅ごとに調べており、それによると、2018年で最もリセールバリューが高かった駅はJR山手線の原宿駅で新築分譲時よりも7割以上も値上がりしている。

 

 とりわけ千代田区や港区などの番町エリアや3Aエリア(麻布・赤坂・青山)といった高級住宅地では、価格高騰局面において中古マンションの資産価値が一段と高まりやすい。全体の5割弱の主要駅で首都圏平均のリセールバリューを概ね上回った。

 新築供給とともに中古住宅のストックも毎年積み上がり、消費者とっては中古住宅の選択肢が広がる中でリノベーションは中古マーケットの活性化の一翼を担いそうだ。