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企画特集/AI解析、不動産に新たな価値/~情報をスコア化、DX後押し~/プライスハブル・ジャパン/将来価値も予測提示/スマホ対応、若年世代に訴求

企画特集/AI解析、不動産に新たな価値/~情報をスコア化、DX後押し~/プライスハブル・ジャパン/将来価値も予測提示/スマホ対応、若年世代に訴求

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  • 2021.06.28
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 不動産情報のあり方が大きく変わろうとしている。不動産売買の主体となる30代は情報収集に長けたネット世代だ。彼らにヒットする情報とは何か。その答えを提示することでヨーロッパで急成長を遂げているのがプライスハブルだ。同社は近年日本にも進出し、AIによる査定サービスを軸に導入企業を増やしている。周辺情報の可視化など同社の強みを聞いた。
 新型コロナウイルスの登場と世界的な感染拡大を受けて、いま世界は大きく揺れている。ロックダウン(都市封鎖)やソーシャルディスタンスの確保など、各国とも感染防止に懸命だが、見過ごしてはならないのがコロナによるビジネスモデルの変化だ。
 端的に言えば、コロナによってそれまでルーティンだった商売の仕方を見直し、新たな時代へとシフトチェンジできるかが飛躍の鍵を握る。
 こうした変化の波は不動産業界にも押し寄せている。これまで不動産営業といえば、勘と経験と度胸がモノを言うアナログの世界だったが、対面営業が避けられる今日、もはや「この手法では通用しない」という声をよく聞く。
 変化の先にあるのは物件の情報化だ。実際、アナログ的手法が一般的であった不動産市場も、他の市場から十数年遅れて、「情報化の波」が到来したと言われる。その象徴となる言葉が「DX(デジタルトランスフォーメーション)」だ。
 DXとは一言で言えば、情報や顧客管理をデジタル化するシステムを言うが、近年不動産業界においてもDXに注力する企業が急速に増え、情報化の波が開発、賃貸管理の垣根を超えて業界全体に浸透しつつある。
 とはいえ、どのような情報を顧客に提供し、どうスコア化すればいいのか手探り状態の企業も多い。とくに焦点となるのが物件の価格査定だろう。これまで物件価格といえば、誰かが経験値から割り出した価格がそのまま市場価格に反映されたが、これでは価格の根拠と透明性に欠ける。本格的な不動産情報化の時代を前にして、この古典的な手法では顧客の信頼を勝ち得ない。

ビッグデータを基盤にAIが査定
 物件の客観的な価格査定を軸に、クライアントとなる不動産業者に多角的な物件情報を提供するのがプライスハブル・ジャパンだ。同社は2016年、不動産価格を透明化するべく、スイスでマッキンゼーの元パートナーが立ち上げた企業で、具体的には、インターネット上で不動産AI査定サービスを提供し、瞬く間にヨーロッパで大きな話題となった。
 18年12月には日本にも進出し、プライスハブル・ジャパンとして東京丸の内にオフィスを構えた。同社が提供するビッグデータを基盤とした不動産情報は日本でも好感をもって受け入れられ、大手の不動産仲介や管理会社などを中心に導入する企業が増えている。
 では、プライスハブル・ジャパンが提供する不動産情報とは、どのような情報なのか。同社オフィスがある三菱地所の「EGG JAPAN」(東京丸の内)を訪ね、廣澤祥生社長と技術最高責任者(CTO)の田中英輝氏に話をうかがった。

レストラン、学校、環境を可視化

 取材は1時間以上に及んだが、最も印象深かったのは「世代論」である。言うまでもなく不動産購買層の主体は30代である。では、30代とはどんな世代なのか。廣澤社長いわく、「30代は学生のころからインターネットやパソコンのある生活環境の中で育ってきた世代で、何か行動を起こすとき、まずスマホやPCなどで情報を検索する」、これが彼らの流儀といえる。
 情報の核となるのは物件の価格だ。このとき同社が提供する多角的な情報が彼らにヒットする。
 同社の情報は物件価格だけでなく、近隣のレストランの情報や学校などの教育施設、病院など周辺に及び、さらに日本人向けにハザードマップも導入の予定だ。加えて、その物件が今後値上がりするのか下落するのか、客観的な評価をAIが提示する。しかも情報はわかりやすくスコア化し、ビジュアル化できるのが同社の強みだ。
 少し話はそれるが、近年、移住先として長野県が人気だが、なぜ長野が人気なのかを調べると自然環境の豊かさに加え、保育園の多さが理由の一つとなっている。
 30代夫婦は子育て世代でもある。物件を購入する際、子供にどんな教育環境が提供できるかは重要な選択基準となる。その際、情報提示がこれまでのように「保育園も多いんですよ」と説明する口頭レベルか、写真や施設の来歴まで含んだ総合的かつ客観的なレベルかで受け取り方の印象も変わって来る。

第三者的視点からトレンドを提供
 30代は情報強者。いかに営業マンの巧みなトークでも、物件への興味、信頼をかき立てるには限界がある。
 30代にとって最も信頼を寄せるのは情報の質だ。このときAIやビッグデータによる客観的な情報と判断(査定)は、若年世代に訴求する。
 不動産購入の主体となる30代中心に言及したが、いまや物件情報をネットで検索するスタイルは40代、50代にも及び、世代を超えて主流となりつつある。
 だが30代が物件を購入する動機と、50代では購入理由に若干の差が出て来る。こうした個人の違いによる情報提供にはどう対応するのか。この問いに対して、廣澤社長は
「弊社が開発するビジネスモデルはB to B to C、あくまで企業が情報サービスの提供先となる。そのため、利害の異なる企業ごとにカスタマイズした情報提供を心掛けている」と語る。逆を言えば、どんな要求にも対応できるのがAI(人工知能)の強みでもある。
 AIにはどんな利点があるのか、最高技術責任者の田中氏が後に続く。
 「AIは大量の情報を分析でき、人が見過ごすトレンドを発見できる。たとえば物件情報で言えば、人の場合、得意とするエリアの情報は提供できるが、エリアが離れると踏み込んだ情報提供ができなくなる。そうなると客観的な価格査定ができないばかりか、周辺情報もあやふやなものとなる。逆にAIの場合は、たとえば周辺にこんなカフェや病院ができたとなると、その情報を追跡調査して、3年後、資産価値はここまで上がるなどの将来価値も予測可能だ。つまり、詳細な物件情報が全国レベルで提供できることになる」
 レストランや学校、病院、将来的価値まで提供されるとなると、購買側の期待感はいよいよ高まるだろう。しかも、そうした情報は店舗に行かずともスマホ一台で提供が可能だ。内見に際しても、キーの保管場所さえ顧客に伝えれば、担当者がいなくても物件の確認ができる。
 実際、こうしてプライスハブル・ジャパンの情報サービスを顧客戦略として導入する企業が増えている。廣澤社長によれば導入企業は大企業が中心で、DXの部署と連携するパターンが多いようだ。理由は、大手企業の場合これまでのデータ保管量が多いため、過去のデータにも再活用の道が開けることになる。
 「人間の力では、こうした分析がなかなかできない。下手をすれば情報の海に溺れるだけで、自分が所有するデータが理解できなくなる。しかしAIの場合、膨大な情報量も瞬時に解析して、トレンド化することができる。つまりAIが第三者的な視点から、その情報の本質を提供してくれることになる。
 私は個人的に囲碁が趣味だが、驚いたのはAIがプロ棋士との対局で勝ったことだ。ご存じのように、囲碁は相手の一手を読み次の一手を繰り出す。だから、AIがプロ棋士に勝つ事は難しいと言われていたが、AIは過去100万局を解析してその難題を見事にクリアした。AIの情報分析力は人間の100万倍と言われる所以がここにある」(田中英輝氏)
 コロナ禍にあっても、不動産市況はなんとか好況を保っているかのように見える。
 だが、クラスココンサルファームが実施した調査によると、コロナにより81%の不動産会社が「集客が減った」と回答。識者からは、今後も来店や内見の立ち会いを敬遠する顧客は増加するとの見通しも出ている。
 また、不動産サービスを提供するイタンジが20年2月に実施した調査では、非対面で完結する賃貸サービスを利用したいと回答した人が全体の70%に上った。
 こうして見ると、不動産業界も明らかに「情報化の時代」を迎えていることがわかる。プライスハブル・ジャパンが提供する情報は、AIによる価格査定に限らず、騒音や景観をスコア化してマップ上で表記するなど訴求力が高い。情報の提供次第で、新たな需要の開拓も可能だ。
 ネットで不動産情報を検索する人がどんな情報を求めているか。その答えを導き出すビジネスパートナーとして、同社の果たす役割は大きい。
【問い合わせ先】media@pricehubble.com
【公式サイト】https://www.pricehubble.com/jp/

将来的な価格トレンド

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廣澤祥生社長

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