ムーディーズ／2010年上期、CMBSのデフォルト増加傾向に歯止め

　ムーディーズ･インベスターズ･サービスは７月７日、同社が格付けする日本のCMBS裏付けローンにおいて2008年６月に最初のデフォルトが発生して以来、これまで半期ごとにデフォルトローンの増加ペースが加速してきたが、今年６月はその傾向に減速感が見られるとしたレポートを発表した。



　それによると、09年後半のデフォルトローン増加額が1261億円に上ったのに対し、10年前半は223億円の増加にとどまっている。今年1～6月に返済期限を迎えたCMBSの裏付けローンは約4700億円。うち約2500億円が返済され、1100億円程度のローンがデフォルトして約1100億円が期限延長となった。一方、同期間に約870億円のデフォルトローンが回収され、本数ベースでは10年の前半6カ月だけで09年の年間実績を超え、デフォルトローンの回収件数は増加傾向。



　10年6月に返済/償還期限を迎えた裏付けローンは9本・約547億円。うち4本のローン、約208億円が同月に返済され、3本・約264億円がデフォルト。その他のローンは期限延長オプションを行使した。一方、6月中に回収が完了したデフォルトローンは4本・約176億円。10年6月時点のデフォルトローン残高は約2887億円となり、対前月比で約3％増加。