マンション大規模修繕工事 関東地区でも独禁法違反認定/課徴金対象延べ51社/設計コンサル、施工業者が癒着/公取委
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2026.10.13
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公正取引委員会は9月28日、関東地区のマンション管理組合が発注する大規模修繕工事を巡り、施工業者と設計コンサルタントによる独占禁止法違反を認定した。排除措置命令の対象は延べ51社、実数38社、課徴金納付命令の対象は延べ50社、実数37社。違反事業者は延べ57社、実数42社に上り、課徴金総額は16億3788万円だった。違反行為の対象は、リノシスコーポレーション(東京都港区、見野正省社長)が設計コンサルタント業務を受託した大規模修繕工事と翔設計(東京都渋谷区、貴船美彦代表取締役)が同業務を受託した大規模修繕工事。
前者は違反事業者37社のうち33社が排除措置命令と課徴金納付命令の対象で、課徴金は9億2157万円。後者は違反事業者20社のうち18社が排除措置命令、17社が課徴金納付命令の対象で、課徴金は7億1631万円だった。リノシスコーポレーションが関与した工事では、同社と施工業者36社が、工事ごとに施工業者1社と同社との間で受注協力関係を構築していた。
具体的な発注情報を入手した施工業者が同社に受注希望を伝え、同社は入手した設計予算情報を受注予定者に提供した。遅くとも2021年9月27日以降、受注予定者とされた施工業者は同社との協議を経て見積価格を決定した。受注予定者以外の施工業者は依頼に応じて見積もり合わせに参加し、連絡された見積価格を提示するか、参加を見送るなどして受注調整を行っていた。
翔設計が関与した工事でも同社と施工業者19社が、工事ごとに施工業者1社と同社との間で受注協力関係を構築し、受注に関する調整を行っていた。遅くとも21年11月16日以降、同社と受注協力関係を構築した施工業者を受注予定者とし、他の施工業者は依頼に応じて提示された見積価格を管理組合に示すなど協力していた。
両件の審査の過程では、設計コンサルタントが発注情報を提供する見返りとして、工事を受注した施工業者から請負契約金額の一定割合に相当する手数料を受け取っていた事実も判明した。
公正取引委員会は、情報提供の内容によっては施工業者間の自由な競争をゆがめる危険性があるとし、全国マンション改修設計コンサルタント協会(渡邊一之理事長)、マンション計画修繕施工協会(坂倉徹会長)、日本塗装工業会(若宮昇平会長)の3団体に対し、会員事業者への周知徹底を申し入れた。
公取委が命じた排除措置命令では、対象事業者に対し、今後は相互間または他の事業者と共同して受注予定者を決定することを禁じた。対象工事を発注した管理組合への通知や、自社従業員への周知も必要とした。施工業者には独占禁止法順守の行動指針の作成または改定と、自社の役員と従業員への周知徹底を盛り込んだ。一部の施工業者には周知徹底のみ求めている。リノシスコーポレーションと翔設計には、指針作成と周知徹底に加えて、役員と従業員への独占禁止法順守に関する定期研修の実施を命じた。
国土交通省は今回の処分を受け、マンション管理組合や区分所有者に大規模修繕工事の発注に関する留意点や相談窓口を周知。同省は、一連の違反行為が管理組合の信頼を損ない、利益を害するだけでなく、マンションの適切な維持管理に必要な大規模修繕工事の適正な発注を阻害するものと指摘した。
大規模修繕工事では管理組合が設計コンサルタントに調査・診断、設計、施工業者の選定支援などを委託する「設計・監理方式」が広く普及している。同方式を採用する際は、設計コンサルタントの中立性を確保し、工事業者との事前調整を防いで適正な手続きで選定する重要性も強調した。
不適正行為の予防策として国交省は、25年6月26日付けの事務連絡で示した、談合が認められた場合に受注者が違約金を支払う義務を請負契約上明確にするための特約条項(違約金特約条項)の活用を促した。国交省直轄工事の規定例では、請負代金額の10分の1に相当する額を違約金とし、首謀者の場合はさらに100分の5を加算、支払い遅延には年3%の遅延利息を課す内容だ。
特約条項を設定する場合は、損害賠償を巡る訴訟や不払いのリスクに備え、弁護士など専門家に相談した上で個別対応することを推奨する。
マンション管理士や建築士といった外部専門家への協力依頼も有効とし、地方公共団体が専門家の派遣制度や相談窓口を設けている場合は、居住地の地方公共団体に確認するよう促している。日本マンション管理士会連合会(瀬下義浩会長)などが公開する専門家情報の活用も例として挙げた。具体的な相談窓口には住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」を案内。同センターは見積費用を確認する無料の「見積チェックサービス」も実施している。建物や設備の維持管理全般に関する相談先としては、マンション管理センターも提示した。
国交省が公表する「マンション改修マニュアル」、住宅金融支援機構の「大規模修繕工事の手引き」や「マンションライフサイクルシミュレーション」、マンション管理センターの「長期修繕計画・修繕積立金算出サービス」などの活用も推奨した。大規模修繕工事による発注の適正化と透明性確保を進めていく。
前者は違反事業者37社のうち33社が排除措置命令と課徴金納付命令の対象で、課徴金は9億2157万円。後者は違反事業者20社のうち18社が排除措置命令、17社が課徴金納付命令の対象で、課徴金は7億1631万円だった。リノシスコーポレーションが関与した工事では、同社と施工業者36社が、工事ごとに施工業者1社と同社との間で受注協力関係を構築していた。
具体的な発注情報を入手した施工業者が同社に受注希望を伝え、同社は入手した設計予算情報を受注予定者に提供した。遅くとも2021年9月27日以降、受注予定者とされた施工業者は同社との協議を経て見積価格を決定した。受注予定者以外の施工業者は依頼に応じて見積もり合わせに参加し、連絡された見積価格を提示するか、参加を見送るなどして受注調整を行っていた。
翔設計が関与した工事でも同社と施工業者19社が、工事ごとに施工業者1社と同社との間で受注協力関係を構築し、受注に関する調整を行っていた。遅くとも21年11月16日以降、同社と受注協力関係を構築した施工業者を受注予定者とし、他の施工業者は依頼に応じて提示された見積価格を管理組合に示すなど協力していた。
両件の審査の過程では、設計コンサルタントが発注情報を提供する見返りとして、工事を受注した施工業者から請負契約金額の一定割合に相当する手数料を受け取っていた事実も判明した。
公正取引委員会は、情報提供の内容によっては施工業者間の自由な競争をゆがめる危険性があるとし、全国マンション改修設計コンサルタント協会(渡邊一之理事長)、マンション計画修繕施工協会(坂倉徹会長)、日本塗装工業会(若宮昇平会長)の3団体に対し、会員事業者への周知徹底を申し入れた。
公取委が命じた排除措置命令では、対象事業者に対し、今後は相互間または他の事業者と共同して受注予定者を決定することを禁じた。対象工事を発注した管理組合への通知や、自社従業員への周知も必要とした。施工業者には独占禁止法順守の行動指針の作成または改定と、自社の役員と従業員への周知徹底を盛り込んだ。一部の施工業者には周知徹底のみ求めている。リノシスコーポレーションと翔設計には、指針作成と周知徹底に加えて、役員と従業員への独占禁止法順守に関する定期研修の実施を命じた。
国土交通省は今回の処分を受け、マンション管理組合や区分所有者に大規模修繕工事の発注に関する留意点や相談窓口を周知。同省は、一連の違反行為が管理組合の信頼を損ない、利益を害するだけでなく、マンションの適切な維持管理に必要な大規模修繕工事の適正な発注を阻害するものと指摘した。
大規模修繕工事では管理組合が設計コンサルタントに調査・診断、設計、施工業者の選定支援などを委託する「設計・監理方式」が広く普及している。同方式を採用する際は、設計コンサルタントの中立性を確保し、工事業者との事前調整を防いで適正な手続きで選定する重要性も強調した。
不適正行為の予防策として国交省は、25年6月26日付けの事務連絡で示した、談合が認められた場合に受注者が違約金を支払う義務を請負契約上明確にするための特約条項(違約金特約条項)の活用を促した。国交省直轄工事の規定例では、請負代金額の10分の1に相当する額を違約金とし、首謀者の場合はさらに100分の5を加算、支払い遅延には年3%の遅延利息を課す内容だ。
特約条項を設定する場合は、損害賠償を巡る訴訟や不払いのリスクに備え、弁護士など専門家に相談した上で個別対応することを推奨する。
マンション管理士や建築士といった外部専門家への協力依頼も有効とし、地方公共団体が専門家の派遣制度や相談窓口を設けている場合は、居住地の地方公共団体に確認するよう促している。日本マンション管理士会連合会(瀬下義浩会長)などが公開する専門家情報の活用も例として挙げた。具体的な相談窓口には住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」を案内。同センターは見積費用を確認する無料の「見積チェックサービス」も実施している。建物や設備の維持管理全般に関する相談先としては、マンション管理センターも提示した。
国交省が公表する「マンション改修マニュアル」、住宅金融支援機構の「大規模修繕工事の手引き」や「マンションライフサイクルシミュレーション」、マンション管理センターの「長期修繕計画・修繕積立金算出サービス」などの活用も推奨した。大規模修繕工事による発注の適正化と透明性確保を進めていく。

