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全日みらい研/低廉空家等の報酬額特例/「依頼者理解」は6割/制度、5段階評価で「★3.8」

全日みらい研/低廉空家等の報酬額特例/「依頼者理解」は6割/制度、5段階評価で「★3.8」

  • 2025.10.22
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 全日本不動産協会の専属研究機関である全日みらい研究所は、「低廉な空家等の売買等に係る媒介報酬額特例の運用状況に関する調査」を実施し、レポートを作成した。
 調査対象は同協会会員で期間は8月7日~9月11日、回答数は963社。
 施行から1年間に特例の適用対象となる媒介などを取り扱った会員は435社、そのうち約6割(266社)は特例を適用した報酬額を受領したことがあると回答した。
 特例を適用した中で、原則に対する上乗せ額が最大だった事例は、売買代金10万円に対して報酬額66万円。これは原則1万1000円の報酬に対し64万9000円の上乗せがあったことになる。
 報酬額特例に基づき原則を超えて報酬を受けることについて、依頼者の反応・対応はどうだったのか(複数回答)。
 「依頼者の理解がスムーズに得られた」と回答したのは59・3%と最も多かった。一方、次に多かったのは「原則どおりの報酬額以外は提示していない」(25・9%)で、会員側のひかえめな姿勢もうかがえた。
 なお、依頼者の理解が得られずに、「取引を進められなくなった」(2・2%)、「原則どおりの報酬額で取引した」(8・0%)との回答数は低かった。
 同特例制度への評価については、「低廉な空家等に係る取引への意欲が増した」など肯定的な意見が大半を占め、5段階評価では平均「★3・8」となった。
取引現場では
 実際の取引現場では、仲介手数料の方が売主の利益より多くなることに後ろめたさが出てしまう点や、維持管理費がかさんで同情してしまう点――などから、説明の難しさがあるという。
 また、消費者への周知不足も問題視され、(1)一般消費者に浸透していない、(2)売主・買主ともに「高すぎる」「3%では?」「内訳を明示して欲しい」などの反応、(3)売主は理解してもらいやすいが、買主への説明が特に難しく買主は既定の報酬額の受領となるケースがある--などの声が挙がった。
 一般消費者の制度の周知不足は、契約当事者理解が得られない、「ぼったくりだ、違法だ」との誤解が生まれてしまう--ことなどから認知度拡大が必要である。
 また、「低廉な空家等」との表現は空き家に限定された制度と誤解を招くので改名してほしい、上限額ではなく固定額とすべき、などの改善要望の声が挙がった。
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