８月の都心５区オフィス／空室率は５年ぶり２％台／賃料は２万１千円台に回復／三鬼商事

　三鬼商事が９月１１日に発表した８月の東京都心５区のオフィスビル市況によると、平均空室率は２・８５％（前月比０・３１ポイント低下）まで下げ、２０年７月以来、５年１カ月ぶりに２％の大台に乗せた。８月は大規模ビルで大型成約が多くみられ、空室面積はこの１カ月間で２万５０００坪減少した。
　内訳は新築ビルの空室率が１５・５６％（同３・５０ポイント低下）、既存ビルは２・５７％（同０・２５ポイント低下）だった。新築ビルでは、２棟が満室や高稼働で竣工したことや、竣工１年未満の大規模ビルで成約が進んだ。
　地区別＝別表＝では、５区すべてで空室率が低下した。千代田区は１％台の低水準を維持。続いて渋谷区が２０年３月以来、５年５カ月ぶりに１％の大台に乗せた。また、新宿区は２％（５年１カ月ぶり）、中央区と港区はそれぞれ３％（４年１０カ月ぶり、５年ぶり）の大台に乗せた。
　５区全体の平均賃料は２万１０２７円（前年比４・６０％上昇）だった。２万１０００円台に乗せたのは２１年７月以来、４年１カ月ぶり。２１年８月に２万円台、２３年３月には１万９０００円台まで下げたが、２４年２月からは上昇傾向が続き、今年８月に２万１０００円台に回復した。
　内訳は新築ビルの賃料は２万９５４６円（前年比７・５８％上昇）、既存ビルは２万７８０円（同４・２８％上昇）だった。
　地区別の平均賃料は次の通り。千代田区＝２万２６８８円（同４・１０％上昇）▽中央区＝１万９３５２円（同６・１０％上昇）▽港区＝２万６４７円（同５・４２％上昇）▽新宿区＝１万９２１５円（同４・１３％上昇）▽渋谷区＝２万４２３５円（同２・８１％上昇）。
　調査対象は基準階面積１００坪以上の主要貸事務所ビル２５８４棟（うち新築ビルは３２棟）。