住宅業界トップ/「中東情勢」影響と市況の現状語る/何とか対応、先行き不透明
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2026.06.22
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中東情勢が住宅業界にどのような影響を及ぼしているのか。建設現場では、石油・ナフサ由来の建設資材不足や価格高騰、さらに工期遅れなどの問題が指摘されている。業界団体の定時総会後の記者会見などで、主要各社のトップが住宅市況の現状と今後などについて語った。
日本ツーバイフォー建築協会の総会(6月11日)後の記者会見で野島秀敏会長と細谷惣一郎副会長、和田一朗副会長の3氏は次のように語った。
富裕層向けは堅調だが/野島秀敏・三井ホーム社長
注文住宅の受注は非常に厳しい状況が続いているが、富裕層向けの高額住宅は堅調である。総数は落ちているものの1棟あたりの棟単価は住宅価格の高騰もあり堅調で、富裕層の動きは悪くない。一方で一般層は金利上昇や資材供給のひっ迫が言われ、見合わせる層と今のうちに建てたい層に二極化している。規格型商品「セレクト」は、大都市圏を中心に新規受注が堅調に推移している。木造マンション「モクシオン」をはじめとする中大規模木造のニーズも着実に増え、この5月の受注で100棟を超えた。木造へのシフトは、RCの工事価格上昇に伴い、比較検討するデベロッパーが増えていることも要因である。
中東情勢は影響が大きいと認識しているが、納入できないことが無いよう必死に動いて、結果的には乗り切っている。政府とも住団連を通じて情報を共有し、目詰まりを無くすよう指導が徹底され、顧客に状況を伝えながら進めている。
展示場来場、昨年並み/細谷惣一郎・三菱地所ホーム社長
今期に入って住宅展示場への来場はほぼ昨年度並み、ネット上の集客情報量も大きな変化はない。半面、原価高騰や金利上昇、地価・土地の上昇といった三重苦、四重苦の中でターゲットを見直さざるを得ない状況である。
高額主体の顧客の動きは堅調だが、サラリーマン層のターゲット領域に一部影響が出ている。総数は減っているものの単価が上がっているため、高い利益率を確保できている。
中東情勢の影響は、ウッドショック時と異なり「逃げ水」のようである。「無い」と言われながらも直前になると入る状況が続いていて、実態はどこかで値上がりしている状況ではないか。サプライヤーの価格見直しが相次ぎ、当社も四半期に1度価格を見直して顧客にアナウンスしている。仕様を見直して価格を下げる努力も進めている。
慎重に業者と連絡/和田一朗・住友不動産常務
受注面では、一般の人の受注がそれほど芳(かんば)しくなく、単価で持っている状態である。中東情勢についても同様に「入らない」と言われながら直前に入ってくる状況であり、受注物件は概ねクリアできる見込みだが、先行きが不透明なため慎重に業者と連絡を取り合っている。
当社の特徴として、マンション価格が上がりパワーカップルが買えなくなっている中で、安くて広い一戸建て住宅の分譲へシフトしていくマーケットを視野に入れている。
住宅生産団体連合会の定時総会(6月18日)では仲井嘉浩会長ら構成団体のトップが発言した。
資材何とか調達/仲井嘉浩・積水ハウス社長
中東情勢は調印のニュースも流れているが、まだまだ不透明な状況が続いている。影響としては資材の調達問題と価格問題の2点がある。調達については、現在工事中の物件は綱渡りではあるがなんとか調達できており、引き渡し遅延などによる顧客への迷惑はかかっていない。価格については、すでにナフサ関連商品である断熱材、クロス、塩ビ管などの価格が限定的ながら上昇し、一部で顧客への転嫁も生じているが全体の金額から見ればまだ限定的な部材に留まっている。
住宅ローン金利の上昇は消費者意識にマイナスに働くと想定されるが、長い目で見ればデフレからの脱却や賃金上昇によるお金の回り始め、良質なストック形成への認識拡大による好循環につながると考えている。受注に関しては中東情勢による大きな影響はなく平時の状況であり、金利上昇についても同社は高価格帯が対象のため今のところ影響は出ていない。
資材価格反映が課題/市川晃・住友林業会長
現状の引き渡し等については、大きな影響は出ていない。ただし資材の単価は上がってきているため、それを今後どのように反映させていくかが課題だ。現状の引き渡し物件については当然単価が決まっているため、その分は同社がカバーする状態になっている。
金利についてはやはり不安要素がある。高価格帯も含めて家を建てたい富裕層もいるが、若い人たちも買うタイミングを探っているため、その層への影響を懸念している。実質的には6月以降の受注となるため、今後の動向を注視してみていきたい。
約束価格は維持するが/芳井敬一・大和ハウス工業会長
顧客と約束している価格はそのまま維持するため、完工に向けて必要な資材の価格が上がった分については、当然当社のコストとして吸収する。切り口を変えると、金利が上がることによるマインドの冷え込みがこの環境としては良くないと感じている。また、品薄ということはあまりないが、価格が高止まりすることによって今後の原価や売り値が上がっていくことを注視しなければならない。
これから金利が上がると変動金利などの返済額が増加するため、新しく家を買おうとする人の負担にならないかという心配がある。そのため、企業努力としてそれぞれの価格帯をいかに守っていくかということに取り組んでいく。
調達ルート複数に/作尾徹也・ミサワホーム社長
調達や資材高騰のコスト、特に調達に関しては以前のウッドショック時がそうであったように、自社が持つサプライチェーンや調達ルートをもう一回見直すことを考えている。今後も数年ごとに何かが起こることを(常態化として)見込んで、調達ルートを複数作っていきたい。価格高騰やフラットなども上がってきている金利の先高感によって、一次取得者などの若年層の購買動向を注視していく。
原価は下げられないため、企業努力としては、付加価値のある商品づくりや規格住宅のバリエーションを増やるなど、購入やすい価格帯のところで商品力をもって勝負できないかと考えている。
(各業界団体の総会記事は次号に掲載予定です)
日本ツーバイフォー建築協会の総会(6月11日)後の記者会見で野島秀敏会長と細谷惣一郎副会長、和田一朗副会長の3氏は次のように語った。
富裕層向けは堅調だが/野島秀敏・三井ホーム社長
注文住宅の受注は非常に厳しい状況が続いているが、富裕層向けの高額住宅は堅調である。総数は落ちているものの1棟あたりの棟単価は住宅価格の高騰もあり堅調で、富裕層の動きは悪くない。一方で一般層は金利上昇や資材供給のひっ迫が言われ、見合わせる層と今のうちに建てたい層に二極化している。規格型商品「セレクト」は、大都市圏を中心に新規受注が堅調に推移している。木造マンション「モクシオン」をはじめとする中大規模木造のニーズも着実に増え、この5月の受注で100棟を超えた。木造へのシフトは、RCの工事価格上昇に伴い、比較検討するデベロッパーが増えていることも要因である。
中東情勢は影響が大きいと認識しているが、納入できないことが無いよう必死に動いて、結果的には乗り切っている。政府とも住団連を通じて情報を共有し、目詰まりを無くすよう指導が徹底され、顧客に状況を伝えながら進めている。
展示場来場、昨年並み/細谷惣一郎・三菱地所ホーム社長
今期に入って住宅展示場への来場はほぼ昨年度並み、ネット上の集客情報量も大きな変化はない。半面、原価高騰や金利上昇、地価・土地の上昇といった三重苦、四重苦の中でターゲットを見直さざるを得ない状況である。
高額主体の顧客の動きは堅調だが、サラリーマン層のターゲット領域に一部影響が出ている。総数は減っているものの単価が上がっているため、高い利益率を確保できている。
中東情勢の影響は、ウッドショック時と異なり「逃げ水」のようである。「無い」と言われながらも直前になると入る状況が続いていて、実態はどこかで値上がりしている状況ではないか。サプライヤーの価格見直しが相次ぎ、当社も四半期に1度価格を見直して顧客にアナウンスしている。仕様を見直して価格を下げる努力も進めている。
慎重に業者と連絡/和田一朗・住友不動産常務
受注面では、一般の人の受注がそれほど芳(かんば)しくなく、単価で持っている状態である。中東情勢についても同様に「入らない」と言われながら直前に入ってくる状況であり、受注物件は概ねクリアできる見込みだが、先行きが不透明なため慎重に業者と連絡を取り合っている。
当社の特徴として、マンション価格が上がりパワーカップルが買えなくなっている中で、安くて広い一戸建て住宅の分譲へシフトしていくマーケットを視野に入れている。
住宅生産団体連合会の定時総会(6月18日)では仲井嘉浩会長ら構成団体のトップが発言した。
資材何とか調達/仲井嘉浩・積水ハウス社長
中東情勢は調印のニュースも流れているが、まだまだ不透明な状況が続いている。影響としては資材の調達問題と価格問題の2点がある。調達については、現在工事中の物件は綱渡りではあるがなんとか調達できており、引き渡し遅延などによる顧客への迷惑はかかっていない。価格については、すでにナフサ関連商品である断熱材、クロス、塩ビ管などの価格が限定的ながら上昇し、一部で顧客への転嫁も生じているが全体の金額から見ればまだ限定的な部材に留まっている。
住宅ローン金利の上昇は消費者意識にマイナスに働くと想定されるが、長い目で見ればデフレからの脱却や賃金上昇によるお金の回り始め、良質なストック形成への認識拡大による好循環につながると考えている。受注に関しては中東情勢による大きな影響はなく平時の状況であり、金利上昇についても同社は高価格帯が対象のため今のところ影響は出ていない。
資材価格反映が課題/市川晃・住友林業会長
現状の引き渡し等については、大きな影響は出ていない。ただし資材の単価は上がってきているため、それを今後どのように反映させていくかが課題だ。現状の引き渡し物件については当然単価が決まっているため、その分は同社がカバーする状態になっている。
金利についてはやはり不安要素がある。高価格帯も含めて家を建てたい富裕層もいるが、若い人たちも買うタイミングを探っているため、その層への影響を懸念している。実質的には6月以降の受注となるため、今後の動向を注視してみていきたい。
約束価格は維持するが/芳井敬一・大和ハウス工業会長
顧客と約束している価格はそのまま維持するため、完工に向けて必要な資材の価格が上がった分については、当然当社のコストとして吸収する。切り口を変えると、金利が上がることによるマインドの冷え込みがこの環境としては良くないと感じている。また、品薄ということはあまりないが、価格が高止まりすることによって今後の原価や売り値が上がっていくことを注視しなければならない。
これから金利が上がると変動金利などの返済額が増加するため、新しく家を買おうとする人の負担にならないかという心配がある。そのため、企業努力としてそれぞれの価格帯をいかに守っていくかということに取り組んでいく。
調達ルート複数に/作尾徹也・ミサワホーム社長
調達や資材高騰のコスト、特に調達に関しては以前のウッドショック時がそうであったように、自社が持つサプライチェーンや調達ルートをもう一回見直すことを考えている。今後も数年ごとに何かが起こることを(常態化として)見込んで、調達ルートを複数作っていきたい。価格高騰やフラットなども上がってきている金利の先高感によって、一次取得者などの若年層の購買動向を注視していく。
原価は下げられないため、企業努力としては、付加価値のある商品づくりや規格住宅のバリエーションを増やるなど、購入やすい価格帯のところで商品力をもって勝負できないかと考えている。
(各業界団体の総会記事は次号に掲載予定です)

