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経産省/27年から「GXZEH」適用/省エネ高性能化で新基準

  • 2025.10.28
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 経済産業省は、ZEHの新たな基準となる「GX ZEH」「GX ZEH―M」の定義を発表した。2027年4月から適用を開始する。同省では24年度から専門委員会を開き、ZEH・ZEH―Mの定義見直しについて検討を行ってきた。今後はより高い省エネルギー性能を掲げることが期待されること、また再生可能エネルギーの自家消費拡大促進を図る必要性があることを踏まえ、新名称の「GX ZEH」「GX ZEH―M」を設定した。
 定義の中身は検討案を作成の上、パブリックコメントを経て、今回の確定に至った。定義検討時には、30年代後半に広く普及が期待される住宅として「50年の目標達成を牽けん引する省エネ性能を有すること」「自家消費拡大措置を通じた住戸単位でのエネルギー自給率の向上を図ること」「再生可能エネルギー設備設置に係る条件の見直し」の3つの観点が考慮された。
 まず戸建て住宅の「GX ZEH」シリーズは「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入によって、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現。再生可能エネルギーを導入することで、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」と定義した。
 性能に応じて4つの区分があり、「GX ZEH+」は年間の一次エネルギー消費量がマイナスになる住宅。「GX ZEH」は一次エネルギー消費量が年間で正味ゼロまたはマイナスとなる住宅。「ニアリーGX ZEH」は先進住宅として年間一次エネルギー消費量をゼロに近づけた住宅。「GX ZEHオリエンテッド」は先進的住宅として多雪地域や都市部狭小地などの条件下で建築されるGX ZEH志向の住宅となる。
 GX ZEHシリーズの判断基準は、(1)いずれも外皮性能が断熱等級6(UA値・エータAC値基準)、(2)省エネ性能が再生エネルギーを除き基準一次エネルギー消費量から35%以上の削減、(3)再生可能エネルギーとして太陽光発電などを必ず導入していること--のすべてを満たしていること。
 (4)総合削減率で「GX ZEH+」は115%以上の削減、「GX ZEH」は100~115%未満、「ニアリーGX ZEH」は75~100%未満を満たすことが必要だ。ただし「オリエンテッド」は外皮性能と省エネ性能のみ満たせば認定可能とされた。
 この判断基準のほか、満たすべき設備要件もあり、シリーズすべてで高度エネルギーマネジメントの導入が必須となる。エネルギー計測装置(HEMS)による再生可能エネルギーの発電量等を把握した上で住宅内の冷暖房設備や給湯設備等の制御を行うことが必要。また「オリエンテッド」以外は蓄電池の充電量・放電量を制御できることも必要とされ、定置用蓄電池が必須設備となった。
 設置義務はないが、将来のために推奨される設備には、EV充電が挙げられる。敷地内に駐車スペースを有する全戸建住宅でEVの保有に関わらず、敷地内に充電インフラ設置が困難であることが将来的な保有を妨げる要因にならないよう、建築士にEV充電設備あるいはV2H充電設備(充放電設備)の導入検討にあたり必要な情報の説明を行うこととされている。
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