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本紙分析、25年度宅建士試験解答速報/昨年より問題難しく/宅建業法、個数問題が増加など/合格ライン、34点前後か/受験者は24・5万人

本紙分析、25年度宅建士試験解答速報/昨年より問題難しく/宅建業法、個数問題が増加など/合格ライン、34点前後か/受験者は24・5万人

  • 2025.10.22
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 2025年度の宅地建物取引士資格試験(実施機関・不動産適正取引推進機構)が10月19日、全国47都道府県の試験会場で一斉に行われた。受験者は速報値で24万5463人(受験率80.2%、申込者数30万6099人)だった。合格者と合格ラインは11月26日、不動産適正取引推進機構が発表する。(宅建士試験の問題は7~6面、本紙解答と解説は5~4面に掲載)

 本紙講師陣(芳田新一、横田政直ら各氏)の試験分析によると、問題の難易度は科目によって差が出たようだ。問1~問14(権利関係)までは例年と変わらないか、やさしくなったと感じたという。一方、問15~問25は昨年と比べてやや難しくなり、問26~問45までは、個数問題も多く逃げ道をふさがれたような形で非常に難しく感じたそうだ。難易度が上がったことで、合格ラインは前年(37点)より下がり、34点前後となるのではないかとの予想だ。講師陣の解説の概略は次の通り。
問1~14
 総じて、基本的な問題が多いと感じた。保証と契約不適合責任については理解自体がなかなか難しいところだが、頻出分野なので、過去問を検討していただきたい。
 改正された条項については、特に気を付けてほしい。物権変動や賃貸借についても、問題の内容自体は基本的な内容が問われているので、日々コツコツ基礎知識を蓄えていただきたい内容だった。区分所有法と不動産登記法も過去問を回していけば、頻出分野が見えてくると思う。条文の知識なので、普段から条文を丁寧に読む姿勢が大事だと思う。
問15~問25
 今年度の試験は、法令上の制限と税・価格の評定の両分野は、昨年度と比較してやや難易度が高かったと推察される。法令分野では、改正の目玉である「建築確認」が問17で出題され、改正点の理解が不十分な受験者にとっては難解だった。また、昨年に続き盛土規制法が問19で出題され、制度の定着度が問われた。さらに、問18(建築基準法)、問19(盛土規制法)、問21(農地法)の3問は、いずれも得点しづらい内容であり、法令分野全体の平均点は昨年度より低下したと考えられる。一方、問15(都市計画)は過去問で繰り返し問われている内容であり、比較的得点しやすかった。
 税・価格の評定では、地方税として固定資産税が出題されたが、条文の細部に踏み込んだやや難解な内容だった。国税では、登録免許税が4年ぶりに出題され、頻出の住宅特例ではなく土地特例が問われた点は予想外であり、問23をはじめとして一般的な学習範囲を超える出題が目立った。これにより、税・価格分野でも得点は伸びづらく、平均点は昨年度より下がったと推察される。
問26~45
 非常に難易度の高い問題だった。一つ一つの肢についても正確に理解していないと回答が出せないものが多く、また、個数問題も散見されたので、迷われた受験生も多かったのではないかと推察する。私自身も非常に骨の折れる問題が続いていたとの感想で、大変疲れた。今回のような問題が当たり前に出るということであれば、難易度も高いところで推移するものと思われる。
 全体として、改正法令の理解や過去問の本質的な分析に加え、例外規定や制度趣旨への深い理解が求められる構成だった。基礎知識の習得だけでなく、最新の法改正の理解が、合否を分ける重要な要素となった。受験者には、法改正の背景や制度の目的を踏まえた学習が一層求められる内容だったと総括できる。
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