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地方移住で叶えるセカンドライフのリアル ②/試し移住で田舎暮らし

地方移住で叶えるセカンドライフのリアル ②/試し移住で田舎暮らし

  • 2025.07.01
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新温泉町の「田舎暮らし体験住宅」

 前回、兵庫県美方郡新温泉町へ関わる経緯について紹介した。今回は、その後の活動と同町で中古住宅を購入するきっかけとなる、空き家の滞在体験をお伝えする。
 2022年のプロジェクト参加後、同町の自然環境や温かい地域住民に魅せられ、23年から地域住民主体のNPO法人上山高原エコミュージアムでのボランティア活動を開始した。具体的には、兵庫県が「大阪・関西万博」を見据えて県内の団体・企業の取り組みを認定プログラムとして募集し、体験機会を創出する取り組みに参画するものだ。同NPOは、運営者の高齢化に伴い新たな取り組みに応じる余力がなく、代わりに友人らと作った任意グループとして体験プログラムの磨き上げや情報発信を推進している。
 加えて、同町役場職員の勧めで、観光庁の「第2のふるさとづくり」事業にも関わった。この事業は、22年から「何度も地域に通う旅、帰る旅」という新たな旅のスタイルの普及を目指すもので、参加地域は24年6月時点で36地域に上る。新温泉町を対象とした地元の全但バス株式会社が採択された同事業では町内の困り事を「ローカルクエスト」として参加者を集い、交通手段に高速バスや町民バスの利用を促すものだ。地域住民と共に農業体験や加工食品づくりなどを行う。参加者の属性はさまざまで、学生や社会人が関西圏や東京、栃木などから広く集まった。参加者に共通していたのは、非日常体験を前向きに楽しむ点だった。同企画に運営側として2年連続で参画した。
 期間中、参加者共々、活用したのは町が運営の「田舎暮らし体験住宅」である。同様の施設は全国の自治体や企業なども展開しており、古民家や自然環境など、移住体験が可能だ。移住検討者へは、こうした施設の利用をお勧めする。移住後、こんなはずではなかったと後悔するリスクを軽減できるからだ。利用に際しては滞在条件や費用などが異なるため、事前確認が必要だ。
 私は幸運なことに体験住宅に加え、個人宅の空き家を犬連れで借用できた。この経験が後々、同町での空き家探しへと繋がった。借用時、唯一の条件はご先祖様の仏壇に毎日、手を合わせるというものだった。地方に空き家が多く残る理由の1つに、仏壇や遺影があり、手放せないという事情があるように感じた。こうした心情的な負担の解消が空き家問題解決に繋がるのではないか。次回は、こうした点も含めて同町での空き家探し体験を伝えていきたい。
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 この春まで、住宅メーカーの広報として第一線で活躍していた古矢直美氏は、兵庫県へ移住し地方創生に取り組むとともに、まちの活性化へ向けて本格的に取り組んでいる。
 電機メーカーでの商品宣伝・企画担当を経て、グループの住宅会社に出向し15年間、国内外の広報を担当。趣味は愛犬との自然散策やビールを飲みながらのサッカー観戦と話す。田舎暮らしを通じた活動を掲載していく。
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