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資本効率性など推進/顧客ニーズへの対応柔軟に/長谷工コーポレーション 熊野聡社長

資本効率性など推進/顧客ニーズへの対応柔軟に/長谷工コーポレーション 熊野聡社長

  • 2025.07.03
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 マンション価格が高騰している中でも、子育て世帯の一次取得層や単身女性の購買率上昇などがあったが、今後どうなるのか。マンション市況と新規分野などについて、長谷工コーポレーションの熊野聡社長にグループの取り組みなどを聞いた。

 私は、1985年に長谷川工務店に入社後、営業のほかシニア事業などにも関わってきた。当社は1990年代のバブル期に多角化戦略を打ち出し、さまざまな事業に挑戦したが、バブル崩壊後は厳しい時期が続いた。1995年頃から経営再建を開始したものの、その後さらに困難な状況に陥った。
 約20年間にわたり経営再建に取り組み、2014年に復配を実現。今後はさまざまなアゲインストの環境になっても耐えうる企業体質へと成長させていきたい。
 具体的には、バブル崩壊後の当社の歴史を踏まえ、この10年間は資本を積み上げ、財務体質の強化に努めてきた。これからは「資本の効率性」「人の生産性」を中期経営計画の柱として取り組んでいく。
 建設事業の市場環境については、足元の受注環境は良好である。他社ゼネコンも住宅分野以外で多くの受注案件を抱えており、過度に競争して受注するという環境ではない。
 当社が得意とするマンション分野でも、十分な受注材料を確保しており、この傾向は今後数年続くと考えている。
 一方、不動産事業については販売会社の長谷工アーベストと分譲マンションを供給するデベロッパーをグループ会社で持っている。
 分譲マンションの販売状況によって変動はあるが、現在のところは大きな変化はない。目立って売れ行きが衰えてきているというわけではないが、地域によってまだら模様になりつつあり、価格調整や仕様の工夫で顧客ニーズに柔軟に対応していく。特に価格面については、今後グロスやグレード(仕様)など顧客の需要に応えられるような調整に入っていくと考えている。
 一次取得層向けでは、当社は都内23区外の八王子などでも物件を供給しており、以前より価格は上昇したものの、工夫次第で手が届かない範囲ではない。また単価は上がっているが、グロスを調整や新しい住まい方の提案により、顧客ニーズに応える価格帯を維持していきたいと考えている。
 さらに顧客ニーズを商品に反映させる仕組みとして、長谷工アーベストが展開する「U’s―style(ユーズスタイル)」を活用している。顧客の細かな要望を当社の設計部門にフィードバックし、商品に反映させる仕組みであり、特に単身女性の購入比率が高まっていることなども踏まえ、今後はこうした取り組みをより強化していきたい。
 また新たな事業領域としては、住宅と親和性の高いホテルや高級老人ホーム、高齢者住宅など、住宅系以外ではデータセンターなどにも積極的に取り組みたいと考えている。
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