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「マーチャントバンク」強化/投資用不動産融資に次ぐ柱に/オリックス銀行 寺元寛治社長

「マーチャントバンク」強化/投資用不動産融資に次ぐ柱に/オリックス銀行 寺元寛治社長

  • 2025.07.03
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 「効率経営によるコスト抑制。顧客に対する高い定期預金金利の提供と共に、金利競争力を維持する」と語るオリックス銀行代表取締役の寺元寛治氏。投資用不動産ローンに次ぐ第2の柱に掲げる「マーチャントバンク」事業やAIを活用した事業展開について話を聞いた。

 私は、三菱UFJ銀行に勤務していた当時、大京グループ再生プロジェクトに携わり約40人のチームで新しいスポンサー探しや産業再生機構との交渉などを行い、その後オリックスが新スポンサーとなった。
 オリックス銀行(2013年入社)ではデジタル戦略を中心に推進。18年の執行役員就任以来、クラウド化の推進やIT体制の強化を主導し、コロナ禍ではテレワークや業務の電子化を進め、現在ではクラウド化が全業務の約9割に達し、顧客体験(CX)や従業員体験(EX)を向上させるためAIやデータ活用を進めている。
 当行の投資用不動産ローン事業では今後も堅調な推移が見込まれ、物件価格は高止まりまたは微増が続くと予想。投資家もインフレを意識した資産運用のニーズが根強く、融資需要は引き続き期待できる。その一方で金利上昇や物価高騰などの影響から、市場環境が変化する可能性がある。
 21年4月の中期経営計画で、投資用不動産ローンに次ぐ第2の柱として展開してきたマーチャントバンクは、不動産(物流・レジデンス)をコアとしつつ、再生可能エネルギーや買収ファイナンス分野でも優良案件を選別的に獲得している。25年度は、新たな戦略分野として3000億円の融資実行を目指し、社会に貢献できるビジネスモデルを構築していく。
 具体的には、当行が保有する貸出債権を金融商品化し、投資家に販売する仕組みをいう。この信託機能を活用することで、資産の流動性を高め投資家に商品を提供していく。主な対象分野は、不動産(住宅、物流施設など)▽再生可能エネルギー▽防災・インフラ▽環境・リサイクル分野▽地方創生プロジェクト。仕組みによって、資産運用の多様化を図り投資家にとって選択肢を提供しつつ、持続可能な経営を実現していく。
 そのほか、効率経営によりコストを抑制し、顧客に対して高い定期預金金利を提供する。資金調達利鞘(りざや)が高く金利引き上げの余力もあるため、引き続き高い金利競争力を維持できる。効率経営の成果を定期預金の高金利という形で顧客に還元するだけでなく、家族信託などの信託商品の認知度向上にも注力していく。
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