
不動産投資は年成長率3%前後/同一物件で3回以上売買の事例を分析/三菱UFJ信託
-
2025.08.25
- ツイート
三菱UFJ信託銀行の不動産マーケットリサーチレポート(8月8日発行)では、不動産投資市場の売買事例を基に年平均成長率(CAGR)の分析を行い、今般の投資出口像や地域差を明らかにした。
分析によると、2008年のリーマンショック以前は1年以内や3年以内の短期売却が多く、高いCAGRを記録した取引が目立った。バブル崩壊以降、割安物件を取得し、価格回復を見て売却する「機会追求型(オポチュニスティック型)」の投資が市場をけん引していた。09年から13年まではマイナスCAGRの売却が多く、損失事例が相次いだ。
その後は分布がプラス方向に移り、近年は長期保有で賃貸収益を重視する「コア型」投資が定着している。
5年ごとに算出した実現CAGRの平均では、オフィスビルが全期間を通じ賃貸住宅を上回った。21年から25年の区分では、オフィス・住宅・商業施設いずれも2・5~4・0%の範囲に収まり、投資出口の平均像は3%前後。この水準に基づけば、物件を3年間保有した場合は取得価格の約109%、5年間では約116%での売却が見込める計算となる。
地域別では、CAGRがプラスのオフィス取引のうち8割が東京23区、大阪市、名古屋市の三大都市に集中。マイナス事例では52%にとどまった。市況が悪化した際には、投資家が三大都市以外の物件を見切り、損失を受け入れて売却する傾向があるとされた。
一方、同一物件で3回以上売買を行った事例(表参照)では、最終的に大きく価格が上昇した事例と、下落した事例が確認できた。表の数値は、第1回目の売買価格(100)に対する各時点の売買価格の倍率を示している。
レポートでは、CAGRがプラスならキャピタルゲイン、マイナスならロスとみなすことは概ね妥当としつつも、簿価や減価償却の影響を加味する必要があるという。建物維持や価値向上のための追加投資も評価に含めるべきとした。
分析によると、2008年のリーマンショック以前は1年以内や3年以内の短期売却が多く、高いCAGRを記録した取引が目立った。バブル崩壊以降、割安物件を取得し、価格回復を見て売却する「機会追求型(オポチュニスティック型)」の投資が市場をけん引していた。09年から13年まではマイナスCAGRの売却が多く、損失事例が相次いだ。
その後は分布がプラス方向に移り、近年は長期保有で賃貸収益を重視する「コア型」投資が定着している。
5年ごとに算出した実現CAGRの平均では、オフィスビルが全期間を通じ賃貸住宅を上回った。21年から25年の区分では、オフィス・住宅・商業施設いずれも2・5~4・0%の範囲に収まり、投資出口の平均像は3%前後。この水準に基づけば、物件を3年間保有した場合は取得価格の約109%、5年間では約116%での売却が見込める計算となる。
地域別では、CAGRがプラスのオフィス取引のうち8割が東京23区、大阪市、名古屋市の三大都市に集中。マイナス事例では52%にとどまった。市況が悪化した際には、投資家が三大都市以外の物件を見切り、損失を受け入れて売却する傾向があるとされた。
一方、同一物件で3回以上売買を行った事例(表参照)では、最終的に大きく価格が上昇した事例と、下落した事例が確認できた。表の数値は、第1回目の売買価格(100)に対する各時点の売買価格の倍率を示している。
レポートでは、CAGRがプラスならキャピタルゲイン、マイナスならロスとみなすことは概ね妥当としつつも、簿価や減価償却の影響を加味する必要があるという。建物維持や価値向上のための追加投資も評価に含めるべきとした。