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国交省概算要求/一般会計総額8・7兆円台/公共事業関係7・6兆円など/26年度比1・44倍に

国交省概算要求/一般会計総額8・7兆円台/公共事業関係7・6兆円など/26年度比1・44倍に

  • 2026.09.07
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 国土交通省は2027年度予算概算要求を取りまとめた。それによると、国費総額は26年度当初比1・44倍の8兆7694億円となった。このうち「『強く豊かな日本』投資枠」は1兆5508億円。「租税特別措置・補助金・基金の見直し」の自己点検結果も適切に踏まえることとする方針も示した。

 国費総額等の内訳は、一般会計8兆7694億円のうち公共事業関係費7兆6761億円(26年度当初比1・45倍)で、一般公共事業費が7兆6323億円、災害復旧等が438億円となった。非公共事業は1兆933億円(同、1・40倍)で、その他施設費が876億円、行政経費が1兆57億円。次に東日本大震災復興特別会計が359億円(同、1・40倍)。財政投融資は、2兆134億円(同、1・47倍)。
 予算概算要求の基本方針では、「経済財政運営と改革の基本方針2026」で示された新たな予算編成の在り方を踏まえ、物価・賃金上昇を的確に反映するとともに、「『強く豊かな日本』投資枠」も活用した概算要求を行う。
 具体的な施策として3本柱を掲げている。1つ目の「国民の安全・安心の確保」では、26年熊本地震、26年8月千葉豪雨や能登半島地震からの復旧・復興、事前防災やインフラ老朽化対策の加速化、国土強靱化の推進など「危機管理投資」を進めながら、国民の生命・財産・暮らしを守り抜く必要性を掲げた。
 2つ目は「持続的な経済成長の実現」として、成長分野への国内投資拡大、人への投資、戦略的な社会資本整備、DXやGXに取り組む。3つ目の「個性をいかした地域づくりと持続可能で活力ある国づくり」は、令和の都市(まち)リノベーションによる地方都市の稼ぐ力と防災力の強化、「交通空白」解消の深化・加速化を進めていく。
 公共事業の推進は、中長期的な見通しのもと安定的・持続的な予算確保を図る。資材高騰や労務費確保に配慮した適切な価格転嫁を進めるほか、第三次・担い手3法を踏まえた工期の平準化、i-Construction2.0の推進、建設産業による生産性向上や賃上げ等の処遇改善に取り組む。
■大規模地震の被害/想定と政府目標 
 首都直下地震や南海トラフ地震では、東日本大震災を超える甚大な人的・物的被害が発生すると想定されている。南海トラフ地震(南海トラフ地震防災対策推進基本計画、2025年7月改訂)の被害想定(最大)は、死者数が約29万8000人、全壊焼失棟数が約235万棟となっている。これに対し政府目標は、25年度から10年間の目標として、死者数を「8割減」、全壊焼失棟数を「5割減」と掲げている。
 首都直下地震(首都直下地震防災対策推進基本計画、26年6月改訂)の被害想定(最大)は、死者数が約1・8万人、全壊焼失棟数が約40万棟。政府目標は、26年度から10年間の目標として、死者数を「半減以上」、全壊焼失棟数を「半減以上」と定めている。
 国土交通省では、現行の耐震基準が導入された1981年6月以前に建てられた建築物の耐震化を課題として挙げ、住宅・建築物の耐震化支援の強化や木造密集市街地の解消を着実に促進していく。

既存ストックを有効活用
 既存住宅ストックでは、世帯構成と居住面積のミスマッチが発生している。具体的には「4人以上世帯(持家)の32%は100m2未満の住宅に居住」している一方で、「高齢単身・夫婦世帯(持家)の54%は100m2以上の住宅に居住」というのが現状。インフラ・居住環境の整った相続空き家等の住宅ストックを市場を通じて最大限活用する必要性を挙げている。また、建物と居住者の「2つの老い」が進むマンションの管理・再生の円滑化を図る改正マンション関係法の全面施行への対応や、既存ストックの改修にかかわる担い手の高齢化・減少への対応を掲げ、多世代で活用できるストックを形成するとともに、適正な維持管理を行い循環するシステムを構築していく。
 例えば、危険な空き家の除却や流通促進・活用支援、空き家を活用した賃貸住宅の供給促進、マンションの管理・再生の円滑化に向けた総合対策など。
 建設産業では、2000年の大工就業者数は65万人だったのに対して、20年には30万人に減少。35年の推定就業者数は15万人。大工就業者の高齢化率は00年の22%から20年は40%に達している。全産業平均と比較して低い建設業の労働生産性が課題としている。
 これに対し、建築行政手続きの電子化の推進、建築物のライフサイクルを通じた建築BIMの活用促進に取り組む。具体的には、建築確認、中間・完了検査、構造適判、省エネ適判、定期報告、工事届、許可・認定、書類の閲覧などの行政手続きの電子化を進めるとともに、26年4月のBIM図面審査、29年4月のBIMデータ審査といった取り組みを実施する。
■新たに「みらいエコ/住宅2027事業」
 「みらいエコ住宅2027事業」を新規に創設し、概算要求額として2000億円を計上した。同事業は、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、30年度以降の「新築住宅のZEH水準に相当する省エネ性能の確保」を確実に実現するために創設する。ZEH水準の省エネ性能が確保された住宅の新築、既存住宅の省エネ改修を支援する。
 「エネルギー基本計画」では、50年にストック平均でのZEH・ZEB基準水準省エネ性能の確保を目指し、30年度以降に新築する住宅・建築物はZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能の確保を目指すことを目標とした。建築物省エネ法などの規制と支援措置を一体的に活用しながら、省エネルギー性能の向上と再生可能エネルギーの導入拡大を進めていく。
 同様に「地球温暖化対策計画」では、22年に改正された建築物省エネ法に基づき、省エネ基準適合義務の対象外の住宅の省エネ基準への適合を25年度に義務化した。そして、30年度以降新築される住宅について、ZEH基準水準の省エネ性能の確保を目指し、整合的な誘導基準・住宅トップランナー基準の引き上げ、省エネ基準の段階的な水準の引き上げを遅くとも30年度までに実施する。
 住宅の省エネ性能の向上に向けた道すじとしては、22年の建築物省エネ法改正後、基準・マニュアル類の整備や講習の実施といった全面義務化に向けた準備を経て、25年に全面義務化を実施。30年までにZEH水準へ義務基準を引き上げる計画とした。

地震や豪雨などの災害が続出している国内。災害対策や国土強靱化も大きな柱に(東京都心部で)

省エネ住宅のイメージ

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