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大和ハウス、既存建物再生事業/売り上げ1兆円規模へ/「ビズリブネス」成長に期待

大和ハウス、既存建物再生事業/売り上げ1兆円規模へ/「ビズリブネス」成長に期待

  • 2025.12.01
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 大和ハウス工業は、ストック事業(リブネス事業)の業界動向勉強会を開いた。第1部では本社経営戦略本部リブネス事業統括部常務理事・リブネス事業統括部長の井上富重氏=写真(上)=が、建設業界の市場動向や社会課題のほか、同社の既存建物再生事業である「リブネス事業」について、現状と今後の展望について説明。第2部では、同事業の事例として川崎市幸区のレンタルオフィス・ラボを公開した。
 リブネス事業は18年に発足し、「再生と循環の社会インフラと生活文化を創造する」をコンセプトとした。先行するハウジング領域に加え、24年からはオフィス、物流施設、商業施設などを取り扱うビジネス領域の「ビズリブネス」を本格稼働させた。
 「リブネス」の取引形態別売上比率は、リフォーム64%、買取販売32%、仲介3%、賃料1%。同事業はグループ企業12社を含む同社のネットワークでサービスを展開する。
 売り上げは19年度に2311億円、24年度はビズリブネスの売り上げが19年度比で約7・7倍に増加したことで、4055億円に成長した。26年度の売り上げ目標は約5000億円、30年度までには1兆円規模の事業に育てたい考えだ。
 井上統括部長は、ハウジング領域に比べ1件あたりの金額が大きくなるビジネス領域での売り上げは、30年度時点で売上高全体の6割程度になると見込んでいる。対象の物件は「築年数にはこだわらない。法令順守の観点から検査済証があるもの、耐震性を確保している物件であれば取り組む」と述べた。

レンタルオフィスラボ公開/川崎市塚越、延べ床1600坪
 第2部は、「ビズリブネス」の事例として、神奈川県川崎市幸区塚越4丁目に立地するレンタルオフィス・ラボ=外観=の記者向け見学会を実施した。
 JR南武線矢向駅西口から徒歩約9分。敷地面積は約1124坪で、建物は2001年1月(築24年)に竣工した鉄骨造3階建て、延べ床面積約1600坪という施設。敷地内に平置きの駐車場が36台分ある。周辺には戸建て住宅やマンションやスーパーマーケットが立ち並ぶ。
 従前は産業用ガスを扱う大陽日酸の事務所として利用されていた。グループ企業のデザインアークの施工によって建物劣化改修工事、バリューアップ工事、順法性是正工事を行った。
 大和ハウスプロパティマネジメントが新規テナント誘致を行い、収益物件として売却する予定だ。
 建物は1社で利用することを前提とした仕様から、1室あたり208坪から265坪程度の貸室が6室ある複数テナント型ビルへと再生した。1階の貸室には資材の搬入口も設けた。外観は地域となじみ、周辺住民から愛着を持ってもらえるように、外壁はソフトなグレーを基調とし、「音楽のまち・かわさき」の地域のイメージから、ピアノの鍵盤を思い起こさせるような白黒の縦長の飾りを設けた。
 建物内部の共用部には丸テーブルと椅子などを置き休憩スペースを確保したほか、女子トイレにパウダールームを設けた。
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