
住宅換気量、現状では不十分/二酸化炭素濃度、適格な調整を/早大とデンマーク工科大が睡眠の質を調査
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2025.09.29
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早稲田大スマート社会技術融合研究機構、研究助手の秋元瑞穂氏と、同大学理工学術院教授の田辺新一氏、そしてデンマーク工科大学教授のPawel Wargocki氏らの国際研究チームが、国内外で発表された関連研究の結果を交え、研究成果の整理・分析を行った。
その成果は寝室の換気と睡眠の質の関係性を明らかにするもの。住宅の設計や換気基準を見直す契機となる可能性がある。研究チームは2020年1月から24年8月までに発表された寝室の換気状況と睡眠の質を同時に調べた17本の研究を対象に分析した。対象には、実際の住環境での調査や換気条件を操作して睡眠への影響を確認した研究も含まれた。
脳波計や腕時計型睡眠計で測定された睡眠の質に関する分析の結果、寝室内の二酸化炭素濃度が1000ppm(気体濃度の単位、100万分の1)に達すると睡眠効率や深睡眠割合が低下を示すことを確認。安全側に配慮する場合、800ppm以下に抑えることが望ましく、これを実現するには現行の住宅換気基準の少なくとも2倍の換気量が必要であることも推計された。
具体的には、成人が睡眠中に快適な環境を維持するためには、1人当たり毎秒約8㍑の外気供給が求められる。この値は住宅で広く採用されている1時間あたり0・5回の換気量を上回る数値で、欧州規格EN16798―1の最も厳しい基準や一部の病院設備規格に相当する水準となっている。これは10㎡・天井高2・5㍍の寝室で1人が滞在する場合、1時間に1回程度の空気入れ替えに相当し、2人であれば30分に1回程度に相当する換気量である。
住宅の換気は主にシックハウス対策や結露防止、感染症対策を目的としてきたが、研究チームは今回、睡眠の質という生活行動に直結する観点から寝室換気を再評価した。睡眠効率や深睡眠の割合は日常生活の健康や生産性に密接に関わるため、今回の成果は住宅設計や省エネルギー型換気技術の改良の際に有用な基礎情報となる。
ただし同研究は既存の研究成果を整理・分析したレビューであり、対象数が限られていることや研究条件に差異があることが課題だ。
その成果は寝室の換気と睡眠の質の関係性を明らかにするもの。住宅の設計や換気基準を見直す契機となる可能性がある。研究チームは2020年1月から24年8月までに発表された寝室の換気状況と睡眠の質を同時に調べた17本の研究を対象に分析した。対象には、実際の住環境での調査や換気条件を操作して睡眠への影響を確認した研究も含まれた。
脳波計や腕時計型睡眠計で測定された睡眠の質に関する分析の結果、寝室内の二酸化炭素濃度が1000ppm(気体濃度の単位、100万分の1)に達すると睡眠効率や深睡眠割合が低下を示すことを確認。安全側に配慮する場合、800ppm以下に抑えることが望ましく、これを実現するには現行の住宅換気基準の少なくとも2倍の換気量が必要であることも推計された。
具体的には、成人が睡眠中に快適な環境を維持するためには、1人当たり毎秒約8㍑の外気供給が求められる。この値は住宅で広く採用されている1時間あたり0・5回の換気量を上回る数値で、欧州規格EN16798―1の最も厳しい基準や一部の病院設備規格に相当する水準となっている。これは10㎡・天井高2・5㍍の寝室で1人が滞在する場合、1時間に1回程度の空気入れ替えに相当し、2人であれば30分に1回程度に相当する換気量である。
住宅の換気は主にシックハウス対策や結露防止、感染症対策を目的としてきたが、研究チームは今回、睡眠の質という生活行動に直結する観点から寝室換気を再評価した。睡眠効率や深睡眠の割合は日常生活の健康や生産性に密接に関わるため、今回の成果は住宅設計や省エネルギー型換気技術の改良の際に有用な基礎情報となる。
ただし同研究は既存の研究成果を整理・分析したレビューであり、対象数が限られていることや研究条件に差異があることが課題だ。