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ZEH改修住戸の快適性を検証/通常改修住戸と比較/東京建物、YKKAP、慶大築20年賃貸マンションで

ZEH改修住戸の快適性を検証/通常改修住戸と比較/東京建物、YKKAP、慶大築20年賃貸マンションで

  • 2025.09.22
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室内環境計測の様子

 東京建物、YKKAP、慶応義塾大学は9月17日、ZEH基準への改修が住む人の快適性に与える影響を検証することを目的とした実証実験を行っていると発表した。東京建物が開発・保有する築20年の大規模賃貸マンション「ブリリアイスト東雲キャナルコート」(東京都江東区、全423戸)内の住戸に被験者が宿泊し、温湿度やバイタルデータを比較することで、ZEHが快適性・健康性に与える影響を可視化するのが目的だ。
 実証では高断熱窓や断熱材を用いることによって環境性能をZEH基準にまで向上させた「ZEH改修住戸」と通常の改修住戸(高断熱窓や断熱材変更を伴わない改修)を用意。室内環境計測を行うだけでなく、被験者グループにそれぞれの住戸で一定期間、生活をしてもらい、血圧や脈拍などのバイタルデータを比較・検証する。これらの科学的検証を実施することで、入居者アンケートのような主観的データだけでは実現しなかったZEH住宅の身体への効果を裏付け、経済的メリットだけでない、ウェルビーイングな効果を発信することを目指す。
 東京建物が実証の全体主幹と場所の提供、YKKAPが高断熱窓改修、室内環境計測、温熱シミュレーション、慶応大(理工学部・川久保俊准教授、伊香賀俊治名誉教授)が入居者の健康・快適・作業効率の測定と分析をそれぞれ担当。断熱性能の違いの出やすい夏季と冬季の2回実施する。夏季については8月から9月にかけて、室内環境計測、被験者入居計測の順で実施済み。冬季は日程調整中という。
 慶応大の川久保准教授は「住宅のZEH化は省エネ・脱炭素に貢献するだけでなく、居住者の快適性や生産性、健康維持にも効果があるが、既存住宅のZEH改修はまだ事例も少なく、『認知』と『体感価値』の可視化の課題が残っている。実証実験を通じて、こうした住まいの価値をエビデンスとして示すことで、既存住宅のZEH改修に弾みをつけられればと考えている」とコメントしている。
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