住生活月間特集②/住宅新商品―環境と快適性を両立/「できるだけ電気を買わない暮らし」
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2025.10.20
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住宅業界では環境と快適性を両立させた新商品開発が加速している。中でも「RE100リーダーシップ・アワード2025」を2年連続で受賞し、再生可能エネルギー100%を掲げた取り組みが国際的に評価されている旭化成ホームズは、新商品「earth―tect(アーステクト)」を発売した。同商品は再エネ電力や非化石証書を活用して住宅の生涯二酸化炭素収支ゼロを目指している。こうした動きは他社でも取り組みが進んでいる。各社の最新提案を紹介し、持続可能な住まいづくりの最前線を追う。
旭化成ホームズRE100/国内企業で初の2年連続受賞
RE100は、企業が事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアチブ。現在、世界で400社超が参加し日本からも94社が参加している。
「RE100 Leadership Awards」は、その取り組みの中でリーダーシップを発揮した企業を表彰する制度をいう。23年度に国内ハウスメーカーで初めてRE100を達成し、24年には脱炭素社会を目指すリーダーシップ企業として受賞した。今回の受賞で国内企業として初めて2年連続での受賞を果たした。
自社製品由来の再エネ電力と環境価値(非化石証書)活用
旭化成ホームズは、戸建て新商品「アーステクト」を9月に発売した。同社製品由来の再生可能エネルギー電力と環境価値(非化石証書)を活用することで、住宅の生涯CO2収支ゼロを目指す点が特徴。自社製品由来の再エネ電力を用いてカーボンニュートラルを掲げるのは、国内大手ハウスメーカーとして初となる。
外壁材には「ALCコンクリート・へーベル」、断熱材には「ネオマフォーム」を採用し、二重の断熱構造で高い断熱性能を実現。太陽光発電と大型蓄電池を組み合わせ、省エネ・創エネ・蓄エネを通じてエネルギーの自家消費率を高める。同社のアプリケーション「EcoゾウさんClub+」内に設けた専用ページで、住宅ごとのCO2削減効果を可視化し、入居者が環境貢献を実感できる仕組みも導入した。
同社は19年に再生可能エネルギー100%使用を目指す国際イニシアチブ「RE100」に参加し、23年度には目標を達成。1月に戸建て全商品で断熱等性能等級6の標準化させ、新商品はこれらの取り組みを集大成したものとなる。販売地域は関東、東海、関西、山陽の一部、九州北部で、年間200棟の販売を目標とする。
■積水化学工/蓄電池を標準搭載した賃貸住宅
積水化学工業は、蓄電池を標準搭載した賃貸住宅パッケージ「HEIM MAISON―T(ハイムメゾン―ティー)」を7月に発売した。
土地価格や建築費の高騰を背景に住宅価格が上昇するなか、戸建て住宅の着工数が減少。20~30代の子育て世帯を中心に賃貸志向が強まり、ファミリー層向け賃貸住宅の需要が拡大している。国も50年のカーボンニュートラル実現に向け、GX志向型住宅を賃貸分野にも広げ、環境配慮型住宅への関心が高まっている。
同商品は太陽光発電(PV)、ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)、蓄電池を標準搭載し「できるだけ電気を買わない暮らし」を目指す。蓄電池は4・9㌔㍗時と9・9㌔㍗時から選択でき、2LDK4戸モデルで年間光熱費を約6万円削減できると試算。HEMSは気象警報連動制御機能と連動して事前充電し、停電時でも冷蔵庫やスマートフォンの電力を確保できるという。
防犯面ではオートロックや窓センサーを備え、HEMS連携による各室空調の一括制御に対応。構造は鉄骨ユニット工法で、工場生産の高品質とコストパフォーマンスを両立。一般地では断熱等性能等級6を満たす設計とし、GX志向型住宅や低層ZEH―Mにも対応可能。同社は環境性能と防災性を兼ね備えた賃貸住宅として普及を進め、サステナブル社会の実現を目指す。
■パナソニックホームズ/平屋着工戸数10年で2倍
パナソニックホームズは、平屋に上階を加えた新しい発想の「カサート1・5階モデル」を4月に発売した。平屋のスムーズな生活動線や庭との一体感を保持しつつ、セカンドリビングや書斎など多用途に使える「プラスワン空間」を備えた設計が特徴。大屋根を生かした最高約5・3㍍の天井高と大開口による吹抜けで、開放感ある住空間を提案する。
平屋の人気が高まり、23年度に新築住宅着工全体の15・3%を占め、10年間で約2倍(国土交通省調べ)に増加。同社でも24年度の平屋受注棟数が1000棟を超え、前年度比113%と大きく伸長した。こうした市場動向を背景に、主力商品の拡充として投入した。
断熱は基礎内部まで覆う「家まるごと断熱」を採用し、北海道のZEH基準に相当する性能を実現。窓にはアルミ樹脂複合サッシを用いたほか、24年11月に住宅業界で初めて花粉問題対策事業者協議会の「花粉対策製品認証」を取得した全館空調「エアロハス」と「エコナビ搭載換気システムHEPA+」を搭載。花粉やPM2・5にも対応する。
構造は制震鉄骨軸組で、過去の大地震で倒壊ゼロの実績を持ち、実大振動実験でも強度を確認。これに基づき最長35年の「地震あんしん保証」を付帯する。
参考価格は3・3㎡あたり100万円台から。販売地域は北海道、沖縄と一部地域を除く全国で、初年度40棟の販売を目標としている。
■トヨタホーム/平屋プラン追加、保証は最長60年
トヨタホームは、企画型戸建て住宅「SINCE BiSS(シンセ・ビス)」に平屋プランを追加し4月に発売した。24年9月に登場したシリーズを拡張したもので、今回の追加で合計195プランのラインアップになった。ワンフロアの暮らしやすさが幅広い世代から注目を集め、同社でも平屋需要の高まりを受けて商品を強化した。
平屋は階段や廊下を省くことで家事動線が効率化し、家族間の自然なコミュニケーションも促進する点で評価が高い。新たに15プランを加え、庭との一体感や空間活用の自由度を打ち出した。外観は全面タイルを標準とし、高級感と耐久性を両立させ、メンテナンス負担を軽減する。
太陽光発電や高断熱性能を標準化し、快適性と環境性能を確保。初期保証40年、最長60年の長期保証を備え、生涯にわたり安心を提供する。多様なライフスタイルに対応するため、今後もプラン拡充を進め住宅市場の裾野を広げていく。
旭化成ホームズRE100/国内企業で初の2年連続受賞
RE100は、企業が事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアチブ。現在、世界で400社超が参加し日本からも94社が参加している。
「RE100 Leadership Awards」は、その取り組みの中でリーダーシップを発揮した企業を表彰する制度をいう。23年度に国内ハウスメーカーで初めてRE100を達成し、24年には脱炭素社会を目指すリーダーシップ企業として受賞した。今回の受賞で国内企業として初めて2年連続での受賞を果たした。
自社製品由来の再エネ電力と環境価値(非化石証書)活用
旭化成ホームズは、戸建て新商品「アーステクト」を9月に発売した。同社製品由来の再生可能エネルギー電力と環境価値(非化石証書)を活用することで、住宅の生涯CO2収支ゼロを目指す点が特徴。自社製品由来の再エネ電力を用いてカーボンニュートラルを掲げるのは、国内大手ハウスメーカーとして初となる。
外壁材には「ALCコンクリート・へーベル」、断熱材には「ネオマフォーム」を採用し、二重の断熱構造で高い断熱性能を実現。太陽光発電と大型蓄電池を組み合わせ、省エネ・創エネ・蓄エネを通じてエネルギーの自家消費率を高める。同社のアプリケーション「EcoゾウさんClub+」内に設けた専用ページで、住宅ごとのCO2削減効果を可視化し、入居者が環境貢献を実感できる仕組みも導入した。
同社は19年に再生可能エネルギー100%使用を目指す国際イニシアチブ「RE100」に参加し、23年度には目標を達成。1月に戸建て全商品で断熱等性能等級6の標準化させ、新商品はこれらの取り組みを集大成したものとなる。販売地域は関東、東海、関西、山陽の一部、九州北部で、年間200棟の販売を目標とする。
■積水化学工/蓄電池を標準搭載した賃貸住宅
積水化学工業は、蓄電池を標準搭載した賃貸住宅パッケージ「HEIM MAISON―T(ハイムメゾン―ティー)」を7月に発売した。
土地価格や建築費の高騰を背景に住宅価格が上昇するなか、戸建て住宅の着工数が減少。20~30代の子育て世帯を中心に賃貸志向が強まり、ファミリー層向け賃貸住宅の需要が拡大している。国も50年のカーボンニュートラル実現に向け、GX志向型住宅を賃貸分野にも広げ、環境配慮型住宅への関心が高まっている。
同商品は太陽光発電(PV)、ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)、蓄電池を標準搭載し「できるだけ電気を買わない暮らし」を目指す。蓄電池は4・9㌔㍗時と9・9㌔㍗時から選択でき、2LDK4戸モデルで年間光熱費を約6万円削減できると試算。HEMSは気象警報連動制御機能と連動して事前充電し、停電時でも冷蔵庫やスマートフォンの電力を確保できるという。
防犯面ではオートロックや窓センサーを備え、HEMS連携による各室空調の一括制御に対応。構造は鉄骨ユニット工法で、工場生産の高品質とコストパフォーマンスを両立。一般地では断熱等性能等級6を満たす設計とし、GX志向型住宅や低層ZEH―Mにも対応可能。同社は環境性能と防災性を兼ね備えた賃貸住宅として普及を進め、サステナブル社会の実現を目指す。
■パナソニックホームズ/平屋着工戸数10年で2倍
パナソニックホームズは、平屋に上階を加えた新しい発想の「カサート1・5階モデル」を4月に発売した。平屋のスムーズな生活動線や庭との一体感を保持しつつ、セカンドリビングや書斎など多用途に使える「プラスワン空間」を備えた設計が特徴。大屋根を生かした最高約5・3㍍の天井高と大開口による吹抜けで、開放感ある住空間を提案する。
平屋の人気が高まり、23年度に新築住宅着工全体の15・3%を占め、10年間で約2倍(国土交通省調べ)に増加。同社でも24年度の平屋受注棟数が1000棟を超え、前年度比113%と大きく伸長した。こうした市場動向を背景に、主力商品の拡充として投入した。
断熱は基礎内部まで覆う「家まるごと断熱」を採用し、北海道のZEH基準に相当する性能を実現。窓にはアルミ樹脂複合サッシを用いたほか、24年11月に住宅業界で初めて花粉問題対策事業者協議会の「花粉対策製品認証」を取得した全館空調「エアロハス」と「エコナビ搭載換気システムHEPA+」を搭載。花粉やPM2・5にも対応する。
構造は制震鉄骨軸組で、過去の大地震で倒壊ゼロの実績を持ち、実大振動実験でも強度を確認。これに基づき最長35年の「地震あんしん保証」を付帯する。
参考価格は3・3㎡あたり100万円台から。販売地域は北海道、沖縄と一部地域を除く全国で、初年度40棟の販売を目標としている。
■トヨタホーム/平屋プラン追加、保証は最長60年
トヨタホームは、企画型戸建て住宅「SINCE BiSS(シンセ・ビス)」に平屋プランを追加し4月に発売した。24年9月に登場したシリーズを拡張したもので、今回の追加で合計195プランのラインアップになった。ワンフロアの暮らしやすさが幅広い世代から注目を集め、同社でも平屋需要の高まりを受けて商品を強化した。
平屋は階段や廊下を省くことで家事動線が効率化し、家族間の自然なコミュニケーションも促進する点で評価が高い。新たに15プランを加え、庭との一体感や空間活用の自由度を打ち出した。外観は全面タイルを標準とし、高級感と耐久性を両立させ、メンテナンス負担を軽減する。
太陽光発電や高断熱性能を標準化し、快適性と環境性能を確保。初期保証40年、最長60年の長期保証を備え、生涯にわたり安心を提供する。多様なライフスタイルに対応するため、今後もプラン拡充を進め住宅市場の裾野を広げていく。

