丹波山村、若年層移住増／可搬型保育所で保育需要に対応／クリエイト礼文

　山梨県丹波山村がこのほど実施した「村営保育所増築に係るプロポーザル」で、クリエイト礼文（山形県山形市、大場友和代表取締役）が提案する可変的保育スペースが採択された。丹波山村は人口５００人程度の村だが、若い移住者と９歳以下の子どもの人口が増加している。
　それに伴い子育て世帯の保育ニーズは増えているが、中山間地域という地理的条件もあって工務店や大工職人が不足し保育所などの公共施設の整備が難しい状況だ。今回のプロジェクトでは日本モバイル建築協会が整理・体系化した技術と知見をもとにしたオフサイト建築（モバイル建築）を用いて保育所を整備する。
　ユニットを既存の園舎とデッキで接続して保育スペースを拡張する。ユニットは断熱等級６、耐震等級３で、サイズは約６㍍×約４㍍。ユニットは保育スペースのほか、トイレ・手洗い用流しと収納を設ける。
　村は工期短縮や増設・転用の容易さなどを重視して採用した。丹波山村は、「地理的条件から工務店や大工職人が不足し、住宅や公共施設の整備が難しいという新たな課題が生まれている。今回の保育所増築プロジェクトでは、こうした地域特有の課題に対応するため、オフサイト建築による高性能ユニットを採用し、保育の継続性を保ちながら整備を進められる点を高く評価した。この増築が、子どもたちの安心・安全な環境づくりと、これからの丹波山村の未来を支える大きな一歩となることを期待している」とコメントしている。