国交省「25年度補正予算案」概要/まず「物価高対応」/防災減災、経済強化なども
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2025.12.08
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国土交通省は11月21日に閣議決定した「2025年度補正予算案」の概要を発表した。今回の補正予算は「生活の安全保障・物価高への対応」「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」、そして「防衛力と外交力の強化」という3つの柱を軸に構成されている。各分野での喫緊の課題に対して、“『強い経済』を実現する総合経済対策”に基づき即効性と将来を見据えた投資の両面からアプローチする内容となっている。
国費総額で3兆557億円
第一の柱である「生活の安全保障・物価高への対応」には、補正予算国費総額で3兆557億円を計上した。内訳は公共事業関係費が2兆873億円、非公共事業費が9684億円となった。足元の物価高への対応として住宅価格の高騰対策が盛り込まれ、公共事業関係費として17億5200万円を計上した。
都市圏の既成市街地で空き家の流通を促進することで取得価格を抑えた「アフォーダブル」な住宅供給を加速させるほか、固定金利型住宅ローンの利用円滑化を図る。エネルギーコストなどの上昇の影響を受けるタクシー事業者に対し、LPガス価格高騰に伴う負担軽減措置を継続。非公共事業費18億7900万円を計上し、地域交通の足を守るための支援も行う。
地方の暮らしの安定と経済を支える基盤強化についても、公共事業関係費が27億円、非公共事業費は352億400万円を計上。地域公共交通のリ・デザインを全面展開し、交通空白地帯の解消に向けてデマンド交通や公共ライドシェアなどの導入を支援するほか、ローカル鉄道の再構築や自動運転の事業化を支援する。これに関連してバスやタクシーの運転手不足に対応するための二種免許取得支援や、船員・操縦士の育成・確保といった人材対策にも予算を配分した。
物流分野では次期「総合物流施策大綱」を見据えた革新的な改革を推進するため、非公共事業費として66億2600万円を計上。具体的にはモーダルシフトや中継輸送の促進、自動運転トラックの導入支援、物流拠点の機能強化などを挙げ、これらを通じて物流の効率化と持続可能性を確保する。加えて物流を支える高速道路料金の大口・多頻度割引の拡充措置を延長し、事業者の生産性向上を後押しするため、非公共事業費として77億7900万円を計上した。
観光立国の推進に関してはインバウンド需要の回復に伴い顕在化している「オーバーツーリズム」への対策・解消に重点を置いた。非公共事業費として146億8400万円を計上し、観光客の集中による地域住民の生活への影響を緩和するため、需要の分散化や受け入れ環境の整備、違法民泊の解消に向けた取り組みを強化する。同時に離島・半島などの条件不利地域での観光・農業振興など、地域の多様な魅力をいかした活性化策も展開する。
第二の柱である「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」では、経済安全保障や防災・減災、未来への投資に補正予算を重点配分した。その中で経済安全保障の観点から造船業の再生・強化を掲げ、1204億1900万円を計上した。造船能力の抜本的向上に必要な生産基盤の強化や、先進的な生産技術の開発・実証を支援する基金を創設し、国の海洋産業の競争力を取り戻していく。
エネルギー・資源安全保障の強化としてはGXの推進も重点施策とし、公共事業関係費として1750億円、非公共事業費として300億円を計上。2050年カーボンニュートラルの実現に向け、省エネ性能の高い「ZEH水準住宅」や「GX志向型住宅」の新築・改修に対する支援を行うほか、道路照明のLED化や港湾の脱炭素化も推進する。
インフラ老朽化対策も
防災・減災・国土強靱化の推進に向けては公共事業関係費として4950億5500万円、財政投融資として5億6000万円を計上。24年能登半島地震などからの復旧・復興に向け、被災したインフラ施設の本格的な改良復旧や災害公営住宅の整備支援、安全な地域への集団移転の促進などを盛り込んだ。
気候変動で激甚化・頻発化する水害に対応するため「流域治水」の考え方に基づいた事前防災対策を加速させるための予算も計上した。これには河川・ダムの機能強化に加え、線状降水帯の予測精度向上に向けた次期静止気象衛星の整備などソフト対策も含まれる。
インフラの老朽化対策として道路や橋梁、トンネル、港湾施設などの集中的な修繕・更新を実施し、予防保全型メンテナンスへの転換を図ることで、将来的な事故リスクの低減を目指す。
未来に向けた投資では、27年に開催される国際園芸博覧会に向けた会場建設や準備への支援を行うほか、スマートシティ技術や防災ソリューションなどのインフラシステム海外展開を推進し、世界の成長市場を取り込むための布石を打つ。
南海トラフ地震などの大規模災害に備えた対策として、堤防やダムの耐震化、道路ネットワークのミッシングリンク解消、上下水道システムの耐震化なども着実に進める予定だ。
第三の柱「防衛力と外交力の強化」では厳しさを増す国際情勢に対応するため、海上保安体制の強化に向け、「海上保安能力強化に関する方針」に基づき、巡視船などの整備や業務基盤の充実を図る。公共事業関係費として65億2900万円、非公共事業費として697億円9400万円を計上し、国民の安全と海洋権益の保全に万全を期す。
国際機関やグローバル・サウス諸国との連携も深め、日本のプレゼンス向上を目指す取り組みも進め、多角的な経済外交の展開に向けて国際機関やグローバル・サウス諸国との連携を深めていく。
国費総額で3兆557億円
第一の柱である「生活の安全保障・物価高への対応」には、補正予算国費総額で3兆557億円を計上した。内訳は公共事業関係費が2兆873億円、非公共事業費が9684億円となった。足元の物価高への対応として住宅価格の高騰対策が盛り込まれ、公共事業関係費として17億5200万円を計上した。
都市圏の既成市街地で空き家の流通を促進することで取得価格を抑えた「アフォーダブル」な住宅供給を加速させるほか、固定金利型住宅ローンの利用円滑化を図る。エネルギーコストなどの上昇の影響を受けるタクシー事業者に対し、LPガス価格高騰に伴う負担軽減措置を継続。非公共事業費18億7900万円を計上し、地域交通の足を守るための支援も行う。
地方の暮らしの安定と経済を支える基盤強化についても、公共事業関係費が27億円、非公共事業費は352億400万円を計上。地域公共交通のリ・デザインを全面展開し、交通空白地帯の解消に向けてデマンド交通や公共ライドシェアなどの導入を支援するほか、ローカル鉄道の再構築や自動運転の事業化を支援する。これに関連してバスやタクシーの運転手不足に対応するための二種免許取得支援や、船員・操縦士の育成・確保といった人材対策にも予算を配分した。
物流分野では次期「総合物流施策大綱」を見据えた革新的な改革を推進するため、非公共事業費として66億2600万円を計上。具体的にはモーダルシフトや中継輸送の促進、自動運転トラックの導入支援、物流拠点の機能強化などを挙げ、これらを通じて物流の効率化と持続可能性を確保する。加えて物流を支える高速道路料金の大口・多頻度割引の拡充措置を延長し、事業者の生産性向上を後押しするため、非公共事業費として77億7900万円を計上した。
観光立国の推進に関してはインバウンド需要の回復に伴い顕在化している「オーバーツーリズム」への対策・解消に重点を置いた。非公共事業費として146億8400万円を計上し、観光客の集中による地域住民の生活への影響を緩和するため、需要の分散化や受け入れ環境の整備、違法民泊の解消に向けた取り組みを強化する。同時に離島・半島などの条件不利地域での観光・農業振興など、地域の多様な魅力をいかした活性化策も展開する。
第二の柱である「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」では、経済安全保障や防災・減災、未来への投資に補正予算を重点配分した。その中で経済安全保障の観点から造船業の再生・強化を掲げ、1204億1900万円を計上した。造船能力の抜本的向上に必要な生産基盤の強化や、先進的な生産技術の開発・実証を支援する基金を創設し、国の海洋産業の競争力を取り戻していく。
エネルギー・資源安全保障の強化としてはGXの推進も重点施策とし、公共事業関係費として1750億円、非公共事業費として300億円を計上。2050年カーボンニュートラルの実現に向け、省エネ性能の高い「ZEH水準住宅」や「GX志向型住宅」の新築・改修に対する支援を行うほか、道路照明のLED化や港湾の脱炭素化も推進する。
インフラ老朽化対策も
防災・減災・国土強靱化の推進に向けては公共事業関係費として4950億5500万円、財政投融資として5億6000万円を計上。24年能登半島地震などからの復旧・復興に向け、被災したインフラ施設の本格的な改良復旧や災害公営住宅の整備支援、安全な地域への集団移転の促進などを盛り込んだ。
気候変動で激甚化・頻発化する水害に対応するため「流域治水」の考え方に基づいた事前防災対策を加速させるための予算も計上した。これには河川・ダムの機能強化に加え、線状降水帯の予測精度向上に向けた次期静止気象衛星の整備などソフト対策も含まれる。
インフラの老朽化対策として道路や橋梁、トンネル、港湾施設などの集中的な修繕・更新を実施し、予防保全型メンテナンスへの転換を図ることで、将来的な事故リスクの低減を目指す。
未来に向けた投資では、27年に開催される国際園芸博覧会に向けた会場建設や準備への支援を行うほか、スマートシティ技術や防災ソリューションなどのインフラシステム海外展開を推進し、世界の成長市場を取り込むための布石を打つ。
南海トラフ地震などの大規模災害に備えた対策として、堤防やダムの耐震化、道路ネットワークのミッシングリンク解消、上下水道システムの耐震化なども着実に進める予定だ。
第三の柱「防衛力と外交力の強化」では厳しさを増す国際情勢に対応するため、海上保安体制の強化に向け、「海上保安能力強化に関する方針」に基づき、巡視船などの整備や業務基盤の充実を図る。公共事業関係費として65億2900万円、非公共事業費として697億円9400万円を計上し、国民の安全と海洋権益の保全に万全を期す。
国際機関やグローバル・サウス諸国との連携も深め、日本のプレゼンス向上を目指す取り組みも進め、多角的な経済外交の展開に向けて国際機関やグローバル・サウス諸国との連携を深めていく。

