森記念財団「世界の都市総合力ランク」/東京、NY抜き2位に/「文化交流」「居住」で躍進
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2025.12.22
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森記念財団都市戦略研究所は12月17日、「世界の都市総合力ランキング」の2025年版の調査結果を公表した。コロナ禍の収束以降拡大が続く経済活動や国際観光、また気候変動や世界的なインフレへの対応力が各都市のスコア評価に影響を与えた。今回は、トップを堅持するロンドンに続き、東京が初めてニューヨークを抜いて2位となった。トップ5都市の順位が変動するのは9年ぶり。(48都市のランキングは別掲図参照)
1位ロンドン、大阪18位に浮上
調査は世界主要48都市を対象に、「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野、27指標グループ、72指標で評価し、各スコアの合計を「総合力」として順位付けした。08年に開始し、今回が18回目。同財団理事で明治大名誉教授の市川宏雄氏が調査結果を説明した。
トップ5は1位ロンドン、2位東京、3位ニューヨーク、4位パリ、5位シンガポールの順で、ニューヨークと東京が入れ替わった。東京は文化・交流分野の「観光資源」指標グループの評価向上や、「外国人訪問者数」の増加がスコアを押し上げた。一方、ニューヨークは物価水準の上昇など、居住分野の大幅なスコア下落が影響して順位を落とした。また、環境意識の高まりを反映し、環境分野で指標の追加を行ったことも順位変動の要因となったという。
6位から10位はソウル、アムステルダム、上海、ドバイ、ベルリンの順だった。日本の都市では大阪が前年の35位から18位に大幅ランクアップしたほか、福岡は2ランク上げて40位となった。
東京のスコアを分野別に見ると、「経済」は前年から順位を2つ下げて12位に。「GDP成長率」が回復した一方で、「賃金水準の高さ」「ワークプレイス充実度」などビジネス環境の弱みが顕在化した。「研究・開発」は「スタートアップ数」が大幅増でイノベーションの評価が向上したが、研究投資が低下し今後の課題となった。「文化・交流」は「観光地の充実度」「ナイトライフ充実度」がトップクラスとなり、今後の課題は「コンテンツ輸出額」「アート市場環境」などの発信力の拡充とした。
「居住」は「飲食店の多さ」などの生活利便性、「働き方の柔軟性」など就業環境の改善に伴い初の1位となった。「環境」は新規指標「企業のサスティナビリティ評価」の追加や「緑地の充実度」の改善に伴い、7位に上昇。「交通・アクセス」は「国内・国際線旅客数」など航空キャパシティは改善したが、「空港アクセス時間の短さ」が後退し、前年の5位から6位にランクを下げた。
分野別トップ5
分野別のトップ5都市は次の通り。「経済」=(1)ニューヨーク、(2)ロンドン、(3)チューリッヒ、(4)シンガポール、(5)ダブリン▽「研究・開発」=(1)ニューヨーク、(2)ロンドン、(3)東京、(4)ロサンゼルス、(5)ソウル▽「文化・交流」=(1)ロンドン、(2)東京、(3)パリ、(4)ニューヨーク、(5)ドバイ▽「居住」=(1)東京、(2)パリ、(3)フランクフルト、(4)ベルリン、(5)マドリード▽「環境」=(1)コペンハーゲン、(2)台北、(3)ウィーン、(4)ストックホルム、(5)マドリード▽「交通・アクセス」=(1)ロンドン、(2)パリ、(3)ニューヨーク、(4)上海、(5)ドバイ。
1位ロンドン、大阪18位に浮上
調査は世界主要48都市を対象に、「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野、27指標グループ、72指標で評価し、各スコアの合計を「総合力」として順位付けした。08年に開始し、今回が18回目。同財団理事で明治大名誉教授の市川宏雄氏が調査結果を説明した。
トップ5は1位ロンドン、2位東京、3位ニューヨーク、4位パリ、5位シンガポールの順で、ニューヨークと東京が入れ替わった。東京は文化・交流分野の「観光資源」指標グループの評価向上や、「外国人訪問者数」の増加がスコアを押し上げた。一方、ニューヨークは物価水準の上昇など、居住分野の大幅なスコア下落が影響して順位を落とした。また、環境意識の高まりを反映し、環境分野で指標の追加を行ったことも順位変動の要因となったという。
6位から10位はソウル、アムステルダム、上海、ドバイ、ベルリンの順だった。日本の都市では大阪が前年の35位から18位に大幅ランクアップしたほか、福岡は2ランク上げて40位となった。
東京のスコアを分野別に見ると、「経済」は前年から順位を2つ下げて12位に。「GDP成長率」が回復した一方で、「賃金水準の高さ」「ワークプレイス充実度」などビジネス環境の弱みが顕在化した。「研究・開発」は「スタートアップ数」が大幅増でイノベーションの評価が向上したが、研究投資が低下し今後の課題となった。「文化・交流」は「観光地の充実度」「ナイトライフ充実度」がトップクラスとなり、今後の課題は「コンテンツ輸出額」「アート市場環境」などの発信力の拡充とした。
「居住」は「飲食店の多さ」などの生活利便性、「働き方の柔軟性」など就業環境の改善に伴い初の1位となった。「環境」は新規指標「企業のサスティナビリティ評価」の追加や「緑地の充実度」の改善に伴い、7位に上昇。「交通・アクセス」は「国内・国際線旅客数」など航空キャパシティは改善したが、「空港アクセス時間の短さ」が後退し、前年の5位から6位にランクを下げた。
分野別トップ5
分野別のトップ5都市は次の通り。「経済」=(1)ニューヨーク、(2)ロンドン、(3)チューリッヒ、(4)シンガポール、(5)ダブリン▽「研究・開発」=(1)ニューヨーク、(2)ロンドン、(3)東京、(4)ロサンゼルス、(5)ソウル▽「文化・交流」=(1)ロンドン、(2)東京、(3)パリ、(4)ニューヨーク、(5)ドバイ▽「居住」=(1)東京、(2)パリ、(3)フランクフルト、(4)ベルリン、(5)マドリード▽「環境」=(1)コペンハーゲン、(2)台北、(3)ウィーン、(4)ストックホルム、(5)マドリード▽「交通・アクセス」=(1)ロンドン、(2)パリ、(3)ニューヨーク、(4)上海、(5)ドバイ。

