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日鉄興和不、農業事業に参入/室蘭市の保有地でリンゴ生産/日本農業と新社設立10年後に100ヘクタール、売上高10億円へ

日鉄興和不、農業事業に参入/室蘭市の保有地でリンゴ生産/日本農業と新社設立10年後に100ヘクタール、売上高10億円へ

  • 2025.12.22
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「高密植栽培」を採用したリンゴ圃場(日本農業提供)

 日鉄興和不動産(東京都港区、三輪正浩社長)は、不動産事業の領域拡大策として農業事業に参入する。これに伴い、12月12日付で日本農業(同品川区、内藤祥平代表取締役CEO)と共同で「日鉄興和不動産農業(株)」(北海道室蘭市、鈴木誠治社長)を設立した。
 第1弾として、同社が室蘭市に保有する約5ヘクタールの遊休地で、早期多収が期待される生産方式「高密植栽培」を採用したリンゴ生産を26年4月から開始する。今後、広域エリアを対象として段階的に農地を拡大し、多様な作物の生産を通じて、地域に寄り添い、地域と共に成長するアグリデベロッパーを目指す。
 同社はこれまで、日本製鉄の製鉄所エリアに事業所を構え、製鉄所の遊休地を中心に住宅開発や大型商業施設の展開など、一貫して「製鉄所と共にある街づくり」を手がけてきた。この長年培ってきた自治体との信頼関係や、エリアの産業構造・人口動態・土地利用への理解が今回の農業事業参入の基盤となっている。
 こうした地域理解を土台に、24年にスマート農業スタートアップの「AGRIST(株)」への出資と業務資本提携を通して農業分野の知見とネットワークを獲得。また持続可能な農林水産業を目指す「ONE SUMMIT」への協賛などを通じて、農林水産業界関係者や政策担当、自治体関係者、投資家らと意見交換を重ねてきた。
 これらの活動を経て、農業分野では不動産事業と同様に、土地に根差した事業として収益を確立し持続的に展開することが重要と判断。農業を新規事業として推進し、事業モデルの確立に取り組むことにした。同事業は、16年に創業し、農産物の生産から販売・輸出まで展開する日本農業と連携して推進する。同社のノウハウを活用しながら、確実な事業構築を目指す。
 第1弾の室蘭市は、行政との信頼関係を築いてきた地域で、土地活用に関する協議を迅速で柔軟に進められる環境が整っていた。また同地域の気候条件や土地特性がリンゴ栽培の新たな適地となることを確認。さらに「高密植栽培」が採用可能であることに加え、リンゴの国内需要の堅調さや、輸出を含めた市場性を総合的に判断し、将来性ある作物として位置付けた。
 今後は、同社が保有する遊休地に限らず広域エリアを対象とし将来的には10年間で100ヘクタール規模の大規模な生産体制を目指す。具体的な経営目標は、始動5~6年目に黒字化、100ヘクタール規模となる10年目に売上高10億円、営業利益2億円を目指す。当初室蘭で生産するリンゴはフジと群馬名月の2品種。4・75ヘクタール規模で250~300トンの収穫を予定している。
 三輪社長は農業事業について「企業の10年、20年先を見ると、既存事業だけでは成長が望めず、領域拡大、新規事業へ取り組みが必須となった。農業分野は土地という意味で不動産事業とつながりがある。高密植栽培の生産効率の良さと、保存性と単価が高く、海外からの評価も高いリンゴには優位性がある。CSRではなく、事業として農業に取り組む。利益を生み、持続可能な地域創造を目指したい」と話した。
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