高輪ゲートウェイのまちづくり視察／建築費高騰でも「計画通り」／全住協

　全国住宅産業協会（全住協、肥田幸春会長）は、高輪ゲートウェイエリアのまちづくりの現場視察を実施した。高輪ゲートウェイでは「国際都市ＴＯＫＹＯの未来を拓く、広域品川圏の共創まちづくり」として、新たな魅力と価値向上を創出する開発が進められている。
　中でもＴＡＫＡＮＡＷＡ　ＧＡＴＥＷＡＹ　ＣＩＴＹは、広域品川圏の中核を担う都市として「人財・叡智」「医療」「水素・ＧＸ」の３つを軸に「地球益」の実現に向けたイノベーションを展開、百年先の心豊かなくらしの創造を目指した先駆的エリアとなる。
　当日は全住協会員による質疑のほか、再開発による街の特徴維持に関してや、運営体制、周辺地域との連携についてなどさまざまな意見交換が行われた。その中には建築費高騰下でのプロジェクトとして、工事施工内容の変更などはなかったのか、影響なく進められたならばなぜそうできたのかという質問もあった。
　これに対して、公表の範囲内ながら計画通りに進行したとの回答で、その背景には20年以上の長期構想でリスクを織り込み固定予算制を採用したこと、ＪＲ東日本による一体施工・運営でコスト圧力を抑えたこと、段階的開業方式で突発的調整を可能にしたことなどがあると説明を受けた。
　ＣＯ２実質ゼロに取り組むエネルギーセンター、都市ＯＳを用いたロボットによる商品配送サービスなどが備わる総戸数８４７戸の最新プレミアムレジデンスが集結するとともに、南北１㌔超を結ぶ歩車分離の歩行者ネットワークを自動走行モビリティがつなぐ、街の文化創造の役割を担う文化施設「ＭｏＮ　Ｔａｋａｎａｗａ」、「東京大学ＧＡＴＥＷＡＹ　Ｃａｍｐｕｓ」も設けられるほか、日本初の鉄道敷地という歴史を踏まえ、高輪築堤の現地保存・公開といった歴史的継承を行う場ともなる。