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不動産DX・新技術特集/技術とコミュニティ 資産価値で新基準/パナソニックH  沖縄で次世代住宅モデル 出雲誠支社長に聞く

不動産DX・新技術特集/技術とコミュニティ 資産価値で新基準/パナソニックH 沖縄で次世代住宅モデル 出雲誠支社長に聞く

  • 2026.02.16
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パナソニックホームズ沖縄支社の売上計画(案)

パナソニックホームズ イメージ写真

稚内珪藻土(けいそうど)

 パナソニック ホームズの沖縄支社が展開する戸建て分譲地「パークナードテラス結の宙(ゆいのそら)読谷村(よみたんそん)」(沖縄県中頭郡読谷村)の特設ホームページ開設後の問い合わせ件数(2025年10月時点)は175件、従来の分譲地と比較して5倍に相当するほど反響を呼んでいる。「沖縄県内の分譲地では、今回初めてコンセプトメッセージを強調した」「コンセプトを明確化したことが1つの差別化となり、閲覧数が伸びた要因と考えている」と語る、同社の出雲誠支社長に話を聞いた。

 沖縄の住宅市場は、鉄筋コンクリート建築から転換期を迎えている。背景には、建築コストの高騰と大手パワービルダーの木造住宅参入がある。
 当社の建物は、比較的ゆとりがあり「住む人の視点」を中心に考えている分譲地が多い。「パークナードテラス結の宙 読谷村」のホームページの問い合わせ数が伸長した要因は、「エコロジー」「コミュニティ」「ウェルビーイング」というコンセプトに共感を得たのではないかと考えている。
 現在、那覇市内の平均坪単価は約70万円(商業地は150万円~300万円)、読谷村市内の平均坪単価は30万円前後で推移している。成約した顧客の購入理由では、1位が「営業担当」、続く2位は「立地条件」、3位に「資産価値・会社の信頼性・分譲地のコンセプト」と続いたが、1位から3位までの大差はなかった。

■DXによる「生涯伴走」体制
 「引き渡してからが本当の始まり」という当社の姿勢を象徴するのが、デジタル技術を取り入れたアフターサービス。沖縄県と石川県金沢市の2拠点体制で展開する「オーナーサポート受付センター」は、受電対応にAIを導入したコールセンターであり広域災害時でもオーナーとの接点を断絶させないBCP(事業継続計画)の要となる。オーナー様専用サイト「パナソニック ホームズクラブWEB」を通じて、メンテナンス履歴をデジタルで管理する住宅履歴が、将来の売却時にも適正な資産評価が得られる仕組みづくりになる。また、パナソニックホームズ不動産と連携することで住宅の買取再販を見据えた「出口戦略」も可能としている。

■RC造から木造への逆転で「価格」と「質」の二極化が進む沖縄市場
 沖縄県では長らく、大型の台風やシロアリ被害への懸念から「家といえばRC造」が常識だったが、2023年度の統計によると一戸建ての着工戸数は木造がRC造を逆転した。
 この変化の一番の理由は価格。県民の購買力がRC造の高騰に追いつけなくなっている。
 約10年前から県外のパワービルダーが、土地をコンパクトにし建物価格を抑えた木造分譲で参入している。一方で県内の賃貸家賃は、この10年で1・4倍に高騰した。「高い家賃を払うなら、手頃な木造分譲を」という層が、市場のボリュームゾーンを形成している。
 当社のターゲットは、世帯年収800万円以上の高所得層で、沖縄県内での割合は10%弱。公務員や医療従事者の共働き世帯が求めるのは、安さではなく沖縄の過酷な環境に耐えうる「上質な強さ」。
 当社の沖縄進出は81年に遡る。翌年には琉球大学らとプロジェクトチームを結成し、沖縄の気候風土に特化した「実験棟」を建設した。「台風・暑さ・湿気・シロアリ」という4大課題への対策に取り組み続けてきた。
 例えばシロアリ対策では、シロアリが乾燥を嫌う性質に着目し床下を「大人が潜って点検できる約50㌢㍍」まで高く設定。通気性を最大化し、シロアリを物理的に寄せ付けない構造としている。外壁には紫外線と雨を利用して汚れを落とす光触媒タイル外壁「キラテック」を採用。メンテナンスサイクルを長期化させることで、LTV(生涯価値)を最大化させている。
 また沖縄最大の健康課題である「湿度とカビ」に対しては、全国に先駆けて沖縄で導入した稚内産珪藻土(けいそうど)による調湿技術と、「エコナビ搭載換気システムHEPA+」が課題解決に寄与している。

■コミュニティのDXと感情的価値
 同プロジェクトのウェブ閲覧数(25年10月末時点)は従来の5倍を推移し、顧客に対するアンケートでは入居理由の1位が「営業担当」だった。「押し売りをせず、お客様の住まいづくりに寄り添うコンサルティング」を心掛けていることが「人による信頼」につながっている。
 同分譲地は、モデルハウスの敷地面積が166㎡、延べ床面積は109㎡の3LDK+WIC+ヌック(こもり空間)という間取りになる。11区画の販売に対し、7区画(26年1月時点)が既に入居している。属性は30~40代のファミリー世帯がほぼ100%を占め、そのうち8割が読谷村内の在住者となっている。
 一般的な子育て世帯が抱える悩みに「アパート暮らしでの騒音トラブル」「近所付き合いの希薄化」があげられる中、植樹祭や食事会といったリアルな交流イベントを通じて「顔の見える安心」を街のコンセプトに据えたことも、県内市町村愛の強い沖縄県民の心に響いたと思う。
 今後は2030年を目途に、分譲事業を24年比で182%、賃貸・賃貸併用住宅事業は152%を目標に強化していく。
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