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明海大学不動産学部 不動産の話題[112]/学生と教員の見方/AIでつくるまちなみCG(4)/人との分断作業不可欠/「ゲーム」をモデル生成に生かす

  • 2026.04.27
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【学生の見方&考え方】
(4年 河崎慧造)
 川越一番街の建物は蔵造りと呼ばれる伝統的な建築様式で、土蔵のような厚い壁を持ち、黒い漆喰で仕上げられているほか、重厚な瓦屋根や大きな鬼瓦、観音開きの扉などが見られる。このような要素によって、防火性を高めながらも商家の威厳を感じさせる独特の景観が形成されている。この街並みの形態のモデル生成では、建物の高さや屋根の形状を数値によりパラメータ化することを試みた。生成AIであるGeminiを活用し、ユーザーがブラウザで3Dの街並みを閲覧できるインターフェースを用意した。
 画面上では視点を移動させながら街並みを観察でき、川越の歴史的景観を視覚的に理解できる環境を実現した。
 趣味のゲームを長く続ける中で、複雑な戦略を論理的に組み立てる経験を通じ、コンピューターが指示通りにしか動かないことや、順序立てた思考の重要性を深く理解した。この学びは、p5.jsでの2次元の地図の立ち上げの処理や屋根のパラメータ化において、意図した3Dモデルを正確に生成するための論理的コーディングに直結した。また、Geminiを活用する過程では、AIが素早く有用なコードを提案する便利さを実感する一方で、生成された内容に誤りや予期せぬ変更が生じやすい点を感じ、常に自分で検証・修正する必要性を痛感した。生成AIは強力なツールだが、過度に依存せず、人間が論理的に判断する姿勢が不可欠であることを学んだ。
【教員の展開】
(齋藤千尋教授)

 言葉で指示しながらCGを出力するプログラムの作成に取り組んだ学生たちは、後半になると、どうやったら庇の長さや屋根の勾配を自分のイメージに合わせられるか、もう少し表示を速くすることはできないか、と欲張り、それを言葉でAIに伝えながら、プログラムを改良していった。河崎さんは連載初回の山口さんとともに、一番街のCGに取り組んだ。彼らはp5.jsの仕様上の限界による表示の遅さの改良に取り組んでくれた。これも、教員が知らなかった方法で解決に至っていた。
 AIによるプログラム作成の課題の手ごたえとしては、必要に応じて、これからもプログラムを書いてくれるかもしれない、という感触である。ゼミでは継続的にまち並みをCGにするという課題に取り組んでいるが、それは、都市の姿は手作業で絵にすることが大変だからである。論理はわかるものの、手作業では追いつかない、ということは、不動産の分野にいくらでもある。ソフト会社が高い完成度で公開するアプリとは別に、目の前の問題を即製プログラムで処理し解決するような使い方をしてくれるのではないかと期待している。一方で、プログラムの仕組みや、処理の面白さに、ほとんど関心をもたないのではないか、という心配もある。それは技術との接し方としては寂しいことでもある。面倒なことは任せながら、面白いところは譲らないというようなAIとの付き合い方を育てる方法を考えていきたい。

【学生のアピールポイント】
 ゲームでの戦略立案経験から培った論理的思考を生かし、プログラミングスキルを磨く。宅建士資格取得に向け日々勉強中。
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