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25年度売買仲介/軒並み過去最高を更新/住宅、投資とも需要に根強さ取扱単価上昇が後押し/東急、手数料でもトップ

25年度売買仲介/軒並み過去最高を更新/住宅、投資とも需要に根強さ取扱単価上昇が後押し/東急、手数料でもトップ

  • 2026.06.01
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東京臨海部に林立するタワーマンション群。価格上昇でも根強い需要で取引も活発だった

 主要不動産流通会社の25年度(25年4月~26年3月)の売買仲介実績が本紙アンケート調査でまとまった。地価や住宅価格の上昇にも関わらず、個人の根強い住宅需要や投資家・事業法人などの購入意欲が継続したことで市場は堅調に推移。取引件数を減らした企業でも、平均単価の上昇で手数料収入を伸ばして最高業績の更新も相次いだ。一方で、富裕層、投資家層の需要が厚い都心周辺部と、価格上昇に物価高と、住宅ローン金利の上昇が加わって需要の減退が目立つ郊外部など、地域間の格差も強まってきた。今春からは中東情勢による原油・ナフサ不足も発生して、建築費動向や不動産市場の先行きには不透明さが増している。不動産流通業の役割は、以前にも増して重要になってきそうだ。
 アンケートに協力いただいたのは別掲表の24社・グループ。前年度実績との比較で、取扱高を増加としたのは20社、減少は3社だった(ほかに表記方式変更で比較なし1社)。取扱件数では増加が13社、減少が10社。手数料収入では増加が20社、減少が3社だった。取扱件数で増加と減少の差が縮んだが、取扱高、手数料収入では増加とした企業が各20社となり、業績の好調さが裏付けられた。特に中位から上位企業ではここ数年続く、取扱高、手数料収入の過去最高を更新した企業が大半を占めた。
 本紙は取扱高による順位ランキング方式で掲載している。23年度、24年度と2年連続でトップだった東急リバブルは14%の大幅増で取扱高を2兆5635億円に伸ばして3年連続のトップに。三井不動産リアルティグループは3%増の2兆2879億円としたが、少し水をあけられた格好。3位には野村不動産ソリューションズが前年度比14%増の1兆5870億円として、住友不動産ステップの1兆4884億円を抜いて逆転した。
 上位4社で取扱件数を伸ばしたのは東急リバブルと野村不動産ソリューションズの2社。東急リバブルは3万3922件とし、野村不動産ソリューションズは1万643件とした。三井不動産リアルティグループは3万6220件、住友不動産ステップは2万8848件だった。取扱件数でトップの三井と東急の差は2298件まで縮まった。
 手数料収入は4社とも過去最高を更新した。東急リバブルが12%増の1093億円で初のトップ。三井不動産リアルティグループが5%増の1069億円、住友不動産ステップが2%増の732億円、野村不動産ソリューションズが12%増の628億円だった。
 今回の実績について、東急リバブルは「リテールは、首都圏、地方ともに成約件数と手数料収入が前年を上回って過去最高を更新。情報共有を軸とした社内連携の強化で成約件数が伸長。ホールは、建築費の高騰で新規開発が困難な状況のもと、需要は既存物件へシフト。特に首都圏のレジデンス案件を中心として、10億円超の大口取引案件が上期、下期とも前年度実績を上回った」と分析した。
 三井不動産リアルティは「取扱件数は前年と比較して減少したものの、主に取引単価の上昇による取扱高の増加などで、総売上高は過去最高となった」とした。今後は「4月に設立したコンシェルジュ本部を中心に富裕層向け対応を強化していくとともに、リテールでは店舗の移転・統廃合などを進める」方針だ。
 野村不動産ソリューションズは、「リテールは取扱件数の微増に加え、単価の上昇で取扱高・手数料とも大幅増加。好調な都心・準都心エリアや、富裕層の不動産投資・節税・資産組み換えニーズの拡大を背景にした取扱単価の上昇が実績に寄与した」と見ている。
 住友不動産ステップは、「仲介引き渡し件数は減少したが、中古マンション価格の上昇やステップオークションの浸透などで取扱単価が大幅に上昇し、営業利益は過去最高を更新した」とした。

全24社/件数増が13社、収入増は20社
 この4社に続いたのが三菱地所グループ。取扱高8015億円、取扱件数3816件、手数料収入265億円を計上。取扱高と手数料収入は2ケタ増、取扱件数も7%増と勢いを示した伸びだった。
 法人仲介の三菱地所リアルエステートサービスは「大型案件獲得促進施策が奏功し、件数は横ばいだが、取扱高、手数料収入は13%台の大幅増加。収益補完を目的とした『売主プロ買主エンド』案件や、物件入れ替えを目的とした『売主買主プロ』案件が増加。ファンドよりも転売目的のプロ取引が多かった」と分析。
 個人仲介の三菱地所ハウスネットは「エンドユーザーの購入件数は前年度と大きな変化はなかったが、宅建業者の購入意欲が区分・土地建物ともおう盛で、結果的に両手取引が増加して増収に寄与した」と見る。
 信託銀行系3社の取扱高は、三井住友トラスト不動産が7710億円、みずほ不動産販売が6855億円、三菱UFJ不動産販売が6133億円と、いずれも前年度実績を伸ばした。手数料収入でも三井住友トラスト不動産が329億円、みずほ不動産販売が281億円、三菱UFJ不動産販売が262億円で、過去最高を更新した。
 みずほ不動産販売は「事業法人、富裕層の大型案件を多く取り込むことができて過去最高売り上げとなった。事業法人は特に5億円以上の事業用買いが顕著な伸びを示した。業績好調企業による拠点買い増し(事業強化)の動きは引き続きおう盛。富裕層は税制改正大綱の公表以降、ミニマムタックスを意識した売却が顕在化し始めている」と市場の動きを分析した。
 取扱高ランキングはさらにオープンハウスグループ、東京建物不動産販売、積水ハウス不動産、住友林業ホームサービス、大和ハウスグループなどと続く。
 積水ハウス不動産は「全国1社体制のもとで拠点の集約と都市部への人員配置を強化してきた。案件の大型化・高単価の進展が取扱高、手数料収入の伸びに寄与した」とコメント。
 また、住友林業ホームサービスは「増収の主な要因は、首都圏都心の平均取扱高が高水準を維持し、首都圏周辺部で契約件数を増やしたこと。年明け以降は、販売価格や金利上昇への警戒感からか、地方圏を中心に購入顧客の相談数が減少している」と分析した。とコメントした。

中東情勢、市場への影響も
 このほか、中央日土地ソリューションズは「プロ系投資家のおう盛な投資意欲や、企業の設備投資意欲の高まりを背景に大型案件が増加。手数料収入は前期比約25%増となった」と説明。福屋不動産販売は「手数料収入は24年7月以降、『800万円以下』の仲介手数料額の引き上げで増加した。半面、市場環境などの影響で3000万~5000万円の取扱物件が伸び悩んだ」とふり返った。
 近鉄不動産は「中東情勢に伴うエネルギー・資材価格の不安定化の影響によって新築価格の高騰が継続することで、中古の仲介市場は底堅く推移する」と市場の先行きを読む。小田急不動産は「今後は活性化が見込まれる都内の不動産ニーズを見据え、新規出店含む店舗網の拡充で取扱件数の更なる拡大を目指す」とした。

【表の見方】 取扱高順のランキング。取扱件数は両手仲介・片手仲介ともに1件としてカウント。下段は前年度比の増減率%となり、手数料率の増減はポイント、▲は減少。手数料収入は原則売買仲介とするが、東急リバブル、三井不動産リアルティグループ、住友不動産ステップの手数料収入は賃貸仲介・賃貸管理とそれら関連収益を含むため平均手数料率を算出していない。三菱地所グループは三菱地所リアルエステートサービスと三菱地所ハウスネットの合計。大成有楽不動産販売は今回からグループではなく単独業績。東京建物不動産販売、住友林業ホームサービスは決算期に合わせ25年12月期実績、積水ハウスグループは26年1月期実績で集計。
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