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S&P/2010年下期見通し、Jリート信用回復に時間要す

  • 2010.07.21
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 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、20日に発表した日本の事業会社の2010年下半期見通しの中で、Jリートも大手デベロッパー同様、オフィスビルを中心に厳しい事業環境が続いている点を挙げ、特に転貸先の賃料減額や一部退去など各社で賃貸収入が減少傾向にあり、収益性の低下が顕著になっている点を指摘するとともに賃貸市場が明確に底入れするまで、ある程度時間がかかるとした。



 レバレッジが財務方針に基づく巡航ベースに比べて依然として高止まりしているJリートも多く、信用力の維持・向上の観点から、利払い余力を含む財務内容の改善が引き続き課題とした。不動産売買市場は徐々に活発化しているが、当面は、厳しい事業環境が続くとしてリートの信用力が改善に転じるには時間を要するとみている。



 上半期の特徴としては、今年に入り資金調達環境が大きく改善して上位銘柄を中心に投資口の追加発行や投資法人債の起債が相次ぎ、物件取得で運用資産規模を拡大する外部成長に軸足を移す動きが顕著な点を挙げた。



 また、今年になってこれまでに5組が合併、年内にさらに2組の合併が予定されている点については、規模拡大やスポンサーの信用力改善による資金調達の安定化、合併による負ののれんの活用といった一定の効果を企図するが、資産売却などによるポートフォリオの再構築や有利子負債の削減を含む財務基盤の改善に時間がかかっているケースが見受けられるとして、リート市場の復調・活性化の道筋に多大な影響を与えるとして今後の展開に注目する。
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