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返済困窮時に住宅借り上げ、JTIが地銀・信金と住宅ローン開発へ

  • 2010.08.28
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 移住・住みかえ支援機構(JTI、大垣尚司代表理事)は、住宅ローンの返済が困難になった購入者が自宅をJTIに賃貸し、そこで得た賃料をローン返済に充てる旨をあらかじめ契約内容に盛り込んだ住宅ローン商品の開発を提携金融機関とともに進めている。



 多くの金融機関では、ローン期間中に自己居住用の住宅を借家に切り替える場合は事業用貸付と見なし、原則的に借入金の全額返還を求めるローン契約を結んでいる。切り替えに応じるかどうかはケースバイケースで、切り替えをあらかじめ契約内容に組み込んだローン商品はめずらしい。



 すでに横浜銀行や千葉銀行など全国10の地銀・信金と手を結び、早ければ年明けにも各行から提携ローンが発売される見通し。毎月のキャッシュフローを家賃収入で確保することで、債務を他の財産に及びにくくする一種のノンリコースローンとしての役割を持たせる。



 住宅ローンを組む際、建物の長寿命化など一定の要件を満たすことを条件にJTIが借り上げ保証する。借上賃料は相場の8~9割、そこから積立金など15%を引いた金額を家主に支払う。家主は住宅を手放さずに毎月の家賃収入を債務返済の一部に充てることができる。



 借り上げ期間は最長生涯。空室期間中も賃料を保証する。家主とは再契約を前提とした3年間の定期借家契約を結ぶため、ローン返済のめどが立った場合には契約を解除することもできる。



 JTIは逆ザヤのリスクを抱えるが、「品薄なファミリー物件を相場より1~2割低い金額で貸し出すため空室はほとんどない」(大垣代表理事)。現在、別事業として展開するシニア層のマイホーム借り上げ制度(実績約300件)の空室率はほぼゼロという。



 大垣理事は、ローン破たんのリスクを減らす提携ローンの登場によって将来不安を抱える若年層の住宅取得が進むと指摘。国が促進する長期優良住宅を適用条件とすることで優良なストックの形成も後押しできるとしている。この事業は国交省の「長期優良住宅等推進環境整備事業」にも採択されている。
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