「健康・つながり・学び」を提供／積水ハウス　仲井嘉浩社長

　「人々の命と財産を守る」という使命のもとに誕生した当社は３０年を一区切りとして、第１フェーズでは「安全・安心」な住宅を、第２フェーズでは、「快適性・環境配慮」を追求してきました。そして、２０２０年からの第３フェーズでは“「わが家」を世界一幸せな場所にする”というグローバルビジョンのもと、住宅のハード面とソフト提案に加え、サービスという分野のテクノロジーを住宅にインストールすることで、住まい手の「幸せ」につながる「健康・つながり・学び」の新たな付加価値の提供に取り組んでいます。
　家が人の健康状態を管理したり、祖父母の家や病院、美術館とつながることもできるようになります。さらには、家の中で体験や学びなおしをすることもできます。昨年は、在宅時の行動や家の状態から防犯行動習慣を可視化して価格に反映する「ＰＬＡＴＦＯＲＭ　ＨＯＵＳＥ　ｔｏｕｃｈ」の駆けつけ防犯サービスを開始しました。
　これらは、安全・安心という住まい（ハード）に加え、快適性・環境配慮という住まい方提案を提供してきた経験の積み重ねがあるからこそできることです。住まいのあり方も時代とともに変化していきますが、新たな技術の発展と当社が保有する「住」に関するビッグデータをかけ合わせることによって、今までにないサービスの可能性はますます広がっていきます。
　また、住まい手の「幸せ」の礎となる安全・安心で持続可能な暮らしを実現していくことは住宅業界の大きな使命ですが、残念ながら日本の住宅ストックは、耐震性や断熱性の不足等、質の部分では、まだまだ多くの課題を抱えています。当社も喫緊の課題として、培ってきた技術を生かしてこれらの課題を解決し、良質な住宅ストックの形成に貢献してまいります。
　最後になりますが、週刊住宅タイムズにおかれましては、住宅や暮らしの質、住文化の向上という目標に向かって、メディアの立場から、これらを後押しする情報を今後も発信し続けていただきたいと思います。今後とも何卒ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。