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25年度/宅建士資格試験④/民法・借地借家法・宅建業法の関係/民法を制する者が試験を制する

  • 2025.07.14
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 令和7(25)年度宅建士試験の実施日は、10月19日(日)で確定しました。また、申込み開始日は7月1日(火)、郵送申込み〆切は7月15日(火)・インターネット申込み〆切は7月31日(木)です。お忘れなくお申込みください。
 宅建業法(全50問中の例年出題数19問。以下同旨)・民法(10問)・借地借家法(2問)は、言うまでもなくそれぞれ重要な法律ですが、今回は、各法律の関係を理解しているかを問う問題を紹介して解説します。
 民法は、原則として「契約当事者は対等・特約は自由(有効)である」という前提で規定され、「一般法」であると説明されることがあります。民法を「一般法」とした場合、宅建士試験対策上は、借地借家法は「借主保護」のための「特別法」、宅建業法も「お客さん(宅建業者と取引をする一般消費者)保護」のための「特別法」と位置付けてください。たしかに、「特別法は一般法に優先する」わけですが、あくまでも一般法たる民法の基本知識がベースとなります。以下の2問を通して民法を制することの重要性を再確認してください。
 (1)『(賃貸人Aと賃借人Bとの間で令和7年7月1日に締結した一時使用目的ではない建物賃貸借契約(以下「本件契約」という。)において期間の定めがない場合、借地借家法第28条に定める正当事由を備えてAが解約の申入れをしたときには、解約の申入れをした日から6月を経過した日に、本件契約は終了する。』(令和3年12月問12肢2改題)
 民法上の基本知識は「期間の定めのない建物賃貸借契約当事者(貸主・借主)は、正当事由がなくてもいつでも解約申入れをすることができ、解約申し入れの日から3か月経過すれば契約は終了する」です(民法617条1項2号)。「借主」からの解約申し入れの場合は、この知識を当てはめるだけなのですが、「貸主」からの解約申し入れの場合は、借地借家法により、①正当事由が必要②6か月経過後に契約終了、と借主保護のための修正がされております(借地借家法27条、28条)。(1)は「〇」で正解肢でした(この選択肢の判断だけで1点とれたということです。ただし、日常の過去問分析の際は、正解肢だけをつぶして満足するような時短の方法をとらないようご注意ください)。
 (2)『未成年者も、法定代理人の同意があれば、宅地建物取引業者の事務所に置かれる専任の宅地建物取引士となることができる。』(令和2年12月問38肢イ)
 民法上、「未成年者が法律行為(契約など)をするには、原則として、法定代理人の同意を得なければならない。」(民法5条1項本文)。これを反対解釈すると、「未成年者であっても、法定代理人の同意があれば法律行為ができる」、したがって、事務所等に設置する専任の宅建士となることもできそうです。しかし、宅建業法では、「事務所等に設置する専任の宅建士は、成年者でなければならない。」とお客さん保護のための修正がされております(宅建業法31条の3第1項)。(2)は「×」です。
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