 
                  暑中特集変動する市場と戦略、みずほ販売後藤裕司社長に聞く、グループ連携を事業中核に、中小規模、流動性の高さ継続、富裕層、法人の関心高く、組織再編で基盤強化
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                            2025.08.05
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 みずほ不動産販売(東京都千代田区)の取締役社長に、6月に就任した後藤裕司氏は、みずほ信託銀行の不動産部門に27年間在籍した。現場業務から企画、戦略立案、経営管理まで、多岐にわたる業務経験を積み重ねてきた。後藤裕司氏に社長就任の抱負や不動産市況について話を聞いた。
入社後当初は、売買仲介や不動産の有効活用の営業等に従事、中堅以降は不動産部門の業務企画に長く携わり、現場業務では不動産の証券化や不動産ファンド関連などの、不動産と金融が交わる専門分野に関わってきた。
さまざまキャリアを通じて得た視座と現場感覚をもとに、現在はみずほ不動産販売の経営にあたっている。今までの経験を生かし、会社の持続的な成長と収益力の強化に貢献していきたい。
■グループ連携を軸に安定成長の基盤を築く
社長として重視しているのは、当社が築いてきた高い実績の「安定性」と「持続性」。不動産市況の好調を背景に売り上げは堅調に推移し、みずほグループ内での当社に対する期待も一層高まっている。
その中で事業の中核に据えているのが、グループ各社との歴史ある連携。みずほ銀行をはじめとするグループ各社との協働をベースに、個人・法人双方の不動産ニーズに対応してきた。24年度も、グループのお客さまとの取引を起点として、不動産会社やマーケットプレーヤーとの取引が広がり、売り上げの底上げにつながった。
みずほ信託が大型の案件を担う一方で、当社は富裕層や幅広い事業法人を中心に10億円ぐらいまでの中規模案件に注力。お客さまに対して丁寧な対応を積み重ねながら、不動産プレーヤーとのネットワークを拡張し、相乗効果を生んできていると実感している。
■成長実感を得られる組織づくりを人材戦略の柱に
もう1つの重要な経営テーマが、人材の力と意欲をいかに引き出すか。当社は売買仲介専業ではあるが、みずほグループの情報基盤を活用することで、個人・法人、さらには不動産会社まで、幅広いお客さまと接点を持つことができる。
取り扱う不動産は、居住用にとどまらず投資用や事業用まで多岐にわたり、規模の大きな案件に関われる機会も多い。そうした中で、豊富な情報を生かしたスピード重視の営業から、コンサルティングを軸とした提案型の営業まで、幅が広く、営業担当者が多様な経験を積める土壌がある。
重要なのは、社員一人ひとりが、自らの能力や専門性を高めながら働くことに対して手応えを感じられるかどうかだと考えている。学びを成長実感につなげられる具体的な機会の提供に努めて、1人ひとりが力を発揮できるよう引き続き取り組んでいく。
■分譲マンションを中心に需給構造が変化
市況全体については、当社が主に取り扱う中小規模の不動産市場では、大きな変動は見られない。引き続き高い流動性が保たれていて、売買も安定的に推移しているとの認識を持っている。
分譲マンション市場は、需給バランスの変化や建築コストの上昇、構造的な要因から、物件の価格帯や立地条件によって引き合いに濃淡が生じてきている。とりわけ、都心と郊外、あるいは鉄道路線や駅距離といった条件に応じて、需要側の関心の強弱が現れつつある。
供給側では、戸建て住宅や中古リノベーションマンション、賃貸レジデンスといった多様な商品が市場に投入され、需要側のニーズも多様化してきている。こうした動きによって、住まいの選択肢は拡大し、市場の厚みと広がりが着実に形成されてきたと見ている。
   
■富裕層・法人ニーズを捉えた投資用不動産の取引拡大
24年度の当社実績を支えた大きな要因が、富裕層による高額帯物件への継続的な需要。プレミアムマンションや賃貸マンション1棟などの不動産が、資産形成、運用、承継対策などの手段として選好される動きが顕著となっている。
事業法人の間でも、余剰資金の運用先に不動産を活用するケースが増加傾向で、本業の収益変動リスクを補完する意味合いからも、賃貸不動産への投資に対する関心は高まっている。
都心部の住宅やオフィスの賃料上昇、インフレ環境も、こうした投資判断を後押しする材料となっている。
このような環境下で富裕層や法人が重視しているのは、安定したインカムゲインと資産価値の継続。とりわけ希少性の高い都心の好立地物件に対する評価は今後も高いと見ている。
営業店における共通業務の効率化を目的とし、アプリの導入や各種システム開発を通じて日々の業務負荷の軽減に取り組んでいる。
また、今年度は従来13本部だった組織を10本部に再編した。複雑化・高度化する課題に対して、専門性を持つ人材とノウハウをより一層集約し、組織全体のケイパビリティ向上を図る体制への移行を進めた。縦割り構造に起因する連携面の課題を見直し、より柔軟で実行力ある対応が可能となる組織を目指している。
今後は、単なる業務効率化にとどまらない
入社後当初は、売買仲介や不動産の有効活用の営業等に従事、中堅以降は不動産部門の業務企画に長く携わり、現場業務では不動産の証券化や不動産ファンド関連などの、不動産と金融が交わる専門分野に関わってきた。
さまざまキャリアを通じて得た視座と現場感覚をもとに、現在はみずほ不動産販売の経営にあたっている。今までの経験を生かし、会社の持続的な成長と収益力の強化に貢献していきたい。
■グループ連携を軸に安定成長の基盤を築く
社長として重視しているのは、当社が築いてきた高い実績の「安定性」と「持続性」。不動産市況の好調を背景に売り上げは堅調に推移し、みずほグループ内での当社に対する期待も一層高まっている。
その中で事業の中核に据えているのが、グループ各社との歴史ある連携。みずほ銀行をはじめとするグループ各社との協働をベースに、個人・法人双方の不動産ニーズに対応してきた。24年度も、グループのお客さまとの取引を起点として、不動産会社やマーケットプレーヤーとの取引が広がり、売り上げの底上げにつながった。
みずほ信託が大型の案件を担う一方で、当社は富裕層や幅広い事業法人を中心に10億円ぐらいまでの中規模案件に注力。お客さまに対して丁寧な対応を積み重ねながら、不動産プレーヤーとのネットワークを拡張し、相乗効果を生んできていると実感している。
■成長実感を得られる組織づくりを人材戦略の柱に
もう1つの重要な経営テーマが、人材の力と意欲をいかに引き出すか。当社は売買仲介専業ではあるが、みずほグループの情報基盤を活用することで、個人・法人、さらには不動産会社まで、幅広いお客さまと接点を持つことができる。
取り扱う不動産は、居住用にとどまらず投資用や事業用まで多岐にわたり、規模の大きな案件に関われる機会も多い。そうした中で、豊富な情報を生かしたスピード重視の営業から、コンサルティングを軸とした提案型の営業まで、幅が広く、営業担当者が多様な経験を積める土壌がある。
重要なのは、社員一人ひとりが、自らの能力や専門性を高めながら働くことに対して手応えを感じられるかどうかだと考えている。学びを成長実感につなげられる具体的な機会の提供に努めて、1人ひとりが力を発揮できるよう引き続き取り組んでいく。
■分譲マンションを中心に需給構造が変化
市況全体については、当社が主に取り扱う中小規模の不動産市場では、大きな変動は見られない。引き続き高い流動性が保たれていて、売買も安定的に推移しているとの認識を持っている。
分譲マンション市場は、需給バランスの変化や建築コストの上昇、構造的な要因から、物件の価格帯や立地条件によって引き合いに濃淡が生じてきている。とりわけ、都心と郊外、あるいは鉄道路線や駅距離といった条件に応じて、需要側の関心の強弱が現れつつある。
供給側では、戸建て住宅や中古リノベーションマンション、賃貸レジデンスといった多様な商品が市場に投入され、需要側のニーズも多様化してきている。こうした動きによって、住まいの選択肢は拡大し、市場の厚みと広がりが着実に形成されてきたと見ている。
■富裕層・法人ニーズを捉えた投資用不動産の取引拡大
24年度の当社実績を支えた大きな要因が、富裕層による高額帯物件への継続的な需要。プレミアムマンションや賃貸マンション1棟などの不動産が、資産形成、運用、承継対策などの手段として選好される動きが顕著となっている。
事業法人の間でも、余剰資金の運用先に不動産を活用するケースが増加傾向で、本業の収益変動リスクを補完する意味合いからも、賃貸不動産への投資に対する関心は高まっている。
都心部の住宅やオフィスの賃料上昇、インフレ環境も、こうした投資判断を後押しする材料となっている。
このような環境下で富裕層や法人が重視しているのは、安定したインカムゲインと資産価値の継続。とりわけ希少性の高い都心の好立地物件に対する評価は今後も高いと見ている。
営業店における共通業務の効率化を目的とし、アプリの導入や各種システム開発を通じて日々の業務負荷の軽減に取り組んでいる。
また、今年度は従来13本部だった組織を10本部に再編した。複雑化・高度化する課題に対して、専門性を持つ人材とノウハウをより一層集約し、組織全体のケイパビリティ向上を図る体制への移行を進めた。縦割り構造に起因する連携面の課題を見直し、より柔軟で実行力ある対応が可能となる組織を目指している。
今後は、単なる業務効率化にとどまらない

 
     
    
 
     
     
    