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インバックスが「土のAI診断」開発/国内初、再利用を後押し

インバックスが「土のAI診断」開発/国内初、再利用を後押し

  • 2025.09.29
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災害発⽣⼟砂を砂防堰堤の内部材に活⽤

 インバックス(さいたま市、秋山祥克社長)は、土砂活用を効率化する「土のAI診断」システムを日本で初めて開発した。2022年度中小企業庁事業再構築補助金を活用して開発を進めたもので、建設残土や災害で発生する土砂処分が課題となる中、資源としての再利用を後押しする。
 土砂処分の課題解決には、土砂を固化させるソイルセメント(HOソイル)工法の普及が期待されているが、従来の混合割合を定める試験では600~1000㌔㌘の土砂と5週間以上の期間を要し、追加試験も発生しやすいなどの課題があった。
 これに対し新システムは、全国6000以上のデータを基に少量の土砂でAIが最適配合を自動設計する。必要土砂は150~350㌔㌘に削減、試験期間も2週間程度に短縮でき、追加試験も不要となる。
 工程も効率化され、サンプリング配合や供試体試験を経て、配合設計まで最短1日単位で進められる。供試体も従来54本必要だったところ、3~27本で済み、試験負担が大幅に軽減される。小規模工事向けの簡易配合機能も備え、幅広い施工に対応可能である。盛土や地盤改良に安全かつ効率的に活用でき、全国で利用の拡大が見込まれる。
 また、大量に発生する土砂を資源循環の仕組みに組み込める点も特徴。社会的に処分が難しい土砂を建設資材へ転換し、持続可能なインフラ整備に寄与する効果が期待される。
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