日本の賃貸住宅は約2千万戸/東京都が330万戸で突出/JLL分析
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2025.11.11
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JLL(東京都千代田区、河西利信社長)は、日本の賃貸住宅市場の供給動向に関するレポートを公開した。同レポートでは1993年から23年までのデータを分析。共同住宅比率の上昇や非木造化の進展、高層化の拡大が進み、賃料も上昇傾向にあると示した。
03年から23年の賃料の推移では、民営借家のうち非木造が木造を一貫して上回り、23年の民営借家(非木造)の賃料は月額1㎡当たり2516円で、木造より749円高い。
都道府県別推計による賃貸住宅ストックは約2000万戸で、東京都が約330万戸と全国の16・3%を占める。大阪府や神奈川県、愛知県、福岡県を加えた上位5都府県で全国の47・2%(約900万戸)、上位20地域では83%(約1400万戸)に達した。東京都は特別区部の23区が約260万戸で都内の約9割、全国の約13%を占め、突出した集積を示した。
市区町村・区部単位では東京都と大阪市に高密集が集中する。特別区部では豊島区1平方㌔㍍あたり9394戸、中野区1平方㌔㍍あたり8454戸、大阪市では浪速区1平方㌔㍍あたり1万1567戸や西区1平方㌔㍍あたり8890戸と上位を占めた。
住宅着工は長期減少を続け、89年比で24年は約60%減少。特に景気後退期の91年、98年、09年に大幅に落ち込んだ。24年の貸家用共同住宅着工は東京都が5万8388戸で最大、高知県が175戸で最小。多くの地域が減少する中、大阪府と熊本県のみ増加を示した。熊本は半導体関連産業のワーカーのための住宅需要増、大阪はインバウンド需要や民泊活用の拡大が背景にあるとした。
住宅の着工戸数は長期的に減少してきたにも関わらず、ストックが増加している一因は住宅滅失数の減少だという。96年の住宅減失数約32万戸は24年に約10万戸まで減少。非木造化と建築技術の進化がライフサイクルを延ばし、除却住宅の平均築後年数は89~93年の26・1年から14~18年の34年に伸びた。
建築標識データ分析では、東京圏は都心周辺、大阪圏は都心部での供給が集中。東京では鉄道沿線に沿う放射状分布が顕著で、大阪では商業地域内での住宅供給が多い。駅距離が遠く商業・業務機能としての高度利用を見込みづらい土地では、東京都でも集合住宅の立地が増加するとした。
業務・商業用不動産の転換速度と鉄道運行密度の差も指摘した。特別区部は平日平均運行本数530本、面積当たり列車運行距離678㌔で最大。東京都の可住地面積1平方㌔㍍当たり運行距離328・2㌔、平日平均運行本数1251本も突出しており、高密鉄道網が通勤圏を拡大。その他地域は運行頻度や路線距離が低く居住圏拡大が限定され、東京都との賃貸住宅の供給差に影響しているとした。
03年から23年の賃料の推移では、民営借家のうち非木造が木造を一貫して上回り、23年の民営借家(非木造)の賃料は月額1㎡当たり2516円で、木造より749円高い。
都道府県別推計による賃貸住宅ストックは約2000万戸で、東京都が約330万戸と全国の16・3%を占める。大阪府や神奈川県、愛知県、福岡県を加えた上位5都府県で全国の47・2%(約900万戸)、上位20地域では83%(約1400万戸)に達した。東京都は特別区部の23区が約260万戸で都内の約9割、全国の約13%を占め、突出した集積を示した。
市区町村・区部単位では東京都と大阪市に高密集が集中する。特別区部では豊島区1平方㌔㍍あたり9394戸、中野区1平方㌔㍍あたり8454戸、大阪市では浪速区1平方㌔㍍あたり1万1567戸や西区1平方㌔㍍あたり8890戸と上位を占めた。
住宅着工は長期減少を続け、89年比で24年は約60%減少。特に景気後退期の91年、98年、09年に大幅に落ち込んだ。24年の貸家用共同住宅着工は東京都が5万8388戸で最大、高知県が175戸で最小。多くの地域が減少する中、大阪府と熊本県のみ増加を示した。熊本は半導体関連産業のワーカーのための住宅需要増、大阪はインバウンド需要や民泊活用の拡大が背景にあるとした。
住宅の着工戸数は長期的に減少してきたにも関わらず、ストックが増加している一因は住宅滅失数の減少だという。96年の住宅減失数約32万戸は24年に約10万戸まで減少。非木造化と建築技術の進化がライフサイクルを延ばし、除却住宅の平均築後年数は89~93年の26・1年から14~18年の34年に伸びた。
建築標識データ分析では、東京圏は都心周辺、大阪圏は都心部での供給が集中。東京では鉄道沿線に沿う放射状分布が顕著で、大阪では商業地域内での住宅供給が多い。駅距離が遠く商業・業務機能としての高度利用を見込みづらい土地では、東京都でも集合住宅の立地が増加するとした。
業務・商業用不動産の転換速度と鉄道運行密度の差も指摘した。特別区部は平日平均運行本数530本、面積当たり列車運行距離678㌔で最大。東京都の可住地面積1平方㌔㍍当たり運行距離328・2㌔、平日平均運行本数1251本も突出しており、高密鉄道網が通勤圏を拡大。その他地域は運行頻度や路線距離が低く居住圏拡大が限定され、東京都との賃貸住宅の供給差に影響しているとした。

