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フォロワー数90万超の桃太郎オフィス/相続テーマに公開講座開く/明海大学

フォロワー数90万超の桃太郎オフィス/相続テーマに公開講座開く/明海大学

  • 2025.11.11
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桃太郎オフィスの2人

明海大学の中城康彦不動産学部長

 明海大学は11月3日、浦安キャンパスで公開講座「『高齢化社会』と『不動産』今から知っておきたい、親子で準備する円満相続」を開催した。講師は、不動産鑑定士でYouTuberとしても不動産関連情報を幅広く発信している桃太郎オフィス(東京都中央区)の泰道征憲代表取締役と中瀬桃太郎氏。不動産相続を中心に、高齢化が進む社会での資産承継の課題を、実例を交えながら解説した。
 泰道氏と中瀬氏は、いずれも日本不動産研究所で不動産鑑定士として、土地の有効活用や不動産評価を軸とした鑑定業務を担当していた経歴を持つ。不動産鑑定士は不動産の適正な価格や賃料を中立に判断・判定する専門家であり、取引に関与しない第三者として適正な価格を判断するセカンドオピニオンの役割がある。「国から唯一独占業務として鑑定書が発行できますよと言われてるのは不動産鑑定士」と泰道氏が説明。
 開講式では同大学中嶌裕学長があいさつし、続いて不動産学部長中城康彦氏が「超高齢化社会の不動産相続」をテーマに説明を行った。その後、両氏による「家族の視点からみる、不動産相続のはじめて」をテーマとした講演が行われた。
 多額の相続税を支払った親世代が、二次相続を懸念して同社に相談する事例が多いと説明。
 具体的には、19歳の大学生が両親に代わって中瀬氏に相談した事例を紹介。内容は、(大学生の)祖父の相続で父親が6000万円の相続税を支払ったことがきっかけという。二次相続(父親が死去した場合)が起きた際、この大学生は約1億円の相続税を払うことになる。この家族が住む自宅は、都内に敷地300坪の土地に立地する戸建てだ。税理士と連携して、実際の相談者である父親に対し自宅を取り壊しアパートの建築を提案。父親の居住を確保するとともに子世代の相続対策を行った。
 一方、地方の実家処分を巡る相談も多く「500万円とか1000万円で買い手がいるなら、そのぐらいで売りましょう」とする相続人の心理を紹介。「まだ、ちょっと持っていたいからっていう所有欲」について説明した。「人口減少が進む地域では10年・20年後、1円でも買う人はいない不動産になる可能性はゼロじゃない」とし、維持管理が難しい場合は早期売却を検討すべきと助言。思い出を残したい気持ちは理解できるが、経済合理性の観点から判断することが大切と述べ、冷静な資産管理の必要性を強調した。
 講演では、自身が相続に関わった経験で感じたことや不動産鑑定士の資格制度にも触れた。不動産鑑定士は弁護士・公認会計士と並ぶ三大国家資格の一つであると説明。不動産鑑定士の有資格者は全国で約8700人、このうち40歳以上が89%を占めるのが現状とし、若い鑑定士は少ないが公共性を支える専門職として魅力があるのでぜひ目指して欲しいと学生に呼びかけた。中瀬氏のYouTubeフォロワー数が90万を超えることにも触れ、若年層への情報発信の重要性を語った。
 最後に中城康彦不動産学部教授があいさつし、「相続は知識・判断・行動という3つのリテラシーが重なり合う領域であり、その理解を深めることが重要である」と述べたうえで、「個々の事情に合わせて、弁護士や税理士、不動産鑑定士といった専門家に相談しながら、争いのない相続の形になるよう対応していきたい。よりベストな相続を実現してほしい」と講演を締めくくった。
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