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土地政策、適正利用・管理へ/国土審、外資の不動産取引を注視/海外完結型など対応も

土地政策、適正利用・管理へ/国土審、外資の不動産取引を注視/海外完結型など対応も

  • 2026.06.08
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全国的な広がりを見せる空き家・空き地問題。過疎化が進む地方ではより深刻な状況に…

 国土交通省はこのほど、「第30回国土審議会土地政策分科会」を開き、新年度の土地政策の指針となる「2026年版土地白書(案)」の審議を行うとともに「土地基本方針関連施策の実施状況」を公表した。人口減少や大相続時代の到来を背景に、土地政策の主眼を従来の「需要調整」から「周辺に外部不経済(悪影響)を与えないための適正な利用・管理の確保」へと大転換させるためのもの。公表された実施状況では、空き地・空き家対策や不動産デジタル化の進ちょくが示される一方、実務現場や有識者から「日本人が全く介在しない外国人・外国法人間の不動産取引」に対する実効性担保への懸念が強く打ち出された。

「実効性の担保」重要課題に
 今回の分科会やこれに関連する「土地の取得・利用等の在り方に関する有識者会議」で、不動産業界が最も注視すべき焦点となったのが外国人・外国法人による不動産取引への対応と、それに伴う「実効性の担保」という課題だ。 
 第1回有識者会議の委員からは危機感が示された。最大の問題は、「現行法は日本人・日本法人による取引を想定しているが、外国人・外国法人による取引が全く日本人を介さない形で行われている事例もある」という点だ。 
 日本の宅地建物取引業者(宅建業者)や司法書士といった「日本人」が媒介や登記手続きに一切介在しないで、海外のプラットフォームや現地コミュニティ内だけで売買・決済が完結してしまうケースがこれに該当する。手続きが完全に国内の網の目を素通りするため、どれだけ省令で届け出義務を強化しても、行政側がその取引自体を捕捉できないという構造的な欠陥が浮き彫りになっている。
 委員からは、「問題が起こって深刻化してからでは遅い。地域住民が予想していなかった開発が行われ、驚いて対応するような事態を防ぐことが重要」との意見が出された。このため、新しい仕組みを作る場合、いかにして海外完結型の取引を補足し、その実効性をどのように担保するかが今後の土地政策の最重要テーマとなる。
 今後は、不適切利用を未然に防ぐ行政介入の根拠として土地利用計画をどう機能させるか、また媒介を行う業者側にどこまでの国籍・資本確認義務を負わせるかについて、国土利用計画法や個別法の整合性を図りながら早期に検討が進められる見通しだ。 
■官民連携の「空き地/・空き家」流通利活用
 国内の低未利用土地の発生抑制と利活用促進を巡っては、宅建業者と地方公共団体とのマッチングを軸とした具体的な施策の進ちょく状況が報告された。 
 国土交通省は低未利用地を有効に再利用する土地利用転換の方策として「空き地の適正管理及び利活用に関するガイドライン」を公表し、全国の市町村や関係団体への周知を行った。また、税制面では、個人が一定の低未利用地を売却した際に長期譲渡所得から100万円を控除する特例措置について、26年度税制改正での延長が決定した。
 自治体を横断して検索できる「全国版空き家・空き地バンク」は、民間事業者2社(LIFULL、アットホーム)の協力を得て本格運用が続いている。25年12月時点の物件掲載件数は1万8909件で、目標値の2万件(27年3月時点)の達成も見込める。 
 不動産会社が存在しない過疎地域など地方部での担い手の確保、不動産会社単独での利活用には限界も見え始めている。こうした今後の課題に対し、国土交通省は近く、居住、福祉、まちづくり等の地域課題の解決に向けて不動産業と多様な主体が協業する場「地域価値共創プラットフォーム」を全国的に構築する方針を発表する。
 先進的な取り組みを行う事業者には「モデル事業」としての予算支援も実施するため、地方の活性化に資する官民共創型のプロジェクトは、地場不動産会社にとっても新たなビジネスドメインとなる。 
■「不動産ID」、27年度から/先行整備地域で試験運用
 媒介・物件調査の実務を一変させる「建築・都市のDX」ロードマップについても、より具体的なスケジュールが提示された。 
 住所の表記ゆれや地番・住居表示の混在を解消し、一意のコードで土地・建物を特定する「不動産ID」は、27年度からの「一部先行整備地域における試験運用」に向けて準備を進めている。日本郵便の住所データを用いたID生成方法や位置情報の付与について現在検証が行われていて、官民連携協議会への参加会員数は382団体にのぼる。
 デジタル庁や法務省と連携し、登記情報やアドレス(住所)情報を一元化するデータベースの整備が進む。27年度以降のサービス提供を目指す計画では、各種行政申請による「登記事項証明書」の添付省略をすべての手続きで実現することを目指している。
 これが実現すれば、民間側の利便性向上として5年間で累計46・6億円、行政側の公用請求の代替システムとして302・7億円のコスト削減効果が見込まれている。
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