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暑中特集 構造転換と事業戦略/情報過多時代にプロの価値を追求/「最後は人と人との繋がり」/湾岸・都心エリアの潮目を注視/“リパーク”次世代展開/三井不動産リアルティ/児玉光博社長に聞く

暑中特集 構造転換と事業戦略/情報過多時代にプロの価値を追求/「最後は人と人との繋がり」/湾岸・都心エリアの潮目を注視/“リパーク”次世代展開/三井不動産リアルティ/児玉光博社長に聞く

  • 2026.08.05
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 不動産流通最大手の三井不動産リアルティ(東京都千代田区)の代表取締役社長に4月1日付けで就任した児玉光博氏。就任の抱負として「お客様ファースト」と「社員ファースト」の両立を掲げた。三井不動産グループ内での役割の再定義や富裕層ビジネス強化、AI・DX戦略、今後の事業展望などを聞いた。

■抱負は「お客様ファースト」と「社員ファースト」の両立
 就任から約3カ月を経過した児玉社長は「歴史の会社で、社員も非常に多く、グループで現在約5600人いる。当然、ご家族もいるということになると、かなり大きなものを背負わなければいけないなというプレッシャーは非常に感じている。ただ、それと同時に楽しみながらやらせていただいている」と心境を明かした。
 会社の目標として「『お客様ファースト』ということと、『社員ファースト』、これを両立させたいなと思っている。いかにしてお客様に当社を選んでいただけるかということと、やはり社員が誇りをこの会社に持てるような、そんな会社にしていきたい」と語った。

■グループ内による「B to C」の強みと役割
 三井不動産グループ内での役割について、三井不動産本体が主に「B to B」または「B to B to C」の会社であるのに対し、「我々は個人仲介と駐車場事業ということで、『B to C』に特化している」と説明。
個人顧客のマーケット感(市場の空気感)、ニーズ、ウォンツといった情報が直接入る会社。グループ全体の中で「貴重で特別な会社」と位置付けた。
 仲介事業では、グループで強化しようとしている「富裕層ビジネス」の窓口機能を発揮し、三井不動産グループの中核として携わる方針を示した。法人仲介については、三井不動産グループが開発・運営するアセットの「流動化(アセットの売却・回転)」を担う役割の重要性を示すとともに、「ROE(自己資本利益率)経営が重視される時代のなか、開発したアセットを適切なタイミングで流動化し、資本を次の投資へ回していくことが求められる。そういった意味で流動化を担う我々の役割は大きい」と述べる。

■市場動向と「富裕層」「AI・DX」の2本柱
 金利上昇局面による仲介市場について、全国266店舗の状況を踏まえ「全体マーケットは今もいいと思っている」と評価した。ただし、「湾岸エリアの一部、都心エリアの一部については、売りたい人の価格目線と、買いたい人の価格目線のギャップがあるのは事実なので、ここは価格調整が始まっており、潮目が変わってきている」と分析。現場に対しては「マーケットのメッシュを細かく区切って、なるべく繊細なマーケット感を養って、そのためにはアンテナを高く張って、色々なデータを取っていく」「お客様目線を徹底すること」を指導しているという。
 40年連続仲介実績No.1のポジション維持に関しては「目標としては思っていない」「お客様へのサービスや営業担当者の頑張りが、お客様に評価された結果でしかない」とし、件数を伸ばすための施策ではなく「お客様ファーストでどう考えていくかを突き詰めるしかない」と強調した。
 営業戦略としては「富裕層強化」「DXとAIの強化」を2本柱として進める考えを示した。
 富裕層強化に向けては、今年4月1日に「コンシェルジュ本部」を新設した。従来は「リハウス」の高額マンション購入者や「リパーク」のオーナー、賃貸のオーナーなど部署ごとに「縦割り」で顧客との接点を持っていたが、横串を刺して顧客を把握し、売買・賃貸・土地活用に加え三井不動産グループのホテルや東京ドームなどの事業・サービスを総合的に提供する。同本部内には国内の富裕層窓口「プロパティコンシェルジュ部」とインバウンド・アウトバウンド対応の「グローバルコンシェルジュ部」(英語・中国語対応)を配置している。
 AI・DX戦略としては、同じく4月1日に「AI戦略グループ」を設立した。AIに関する知見を集約し、各本部のデジタルマーケティングの高度化や業務改善・業務効率化を推進している。

■既存マンションの台頭とプロの「人間力」
 今後の住宅市場の見通しについて、建築工事費の高騰によって「新築マンションの供給が難しいエリアや価格帯も出てきている」と分析。今後は同社が扱う中古(既存)マンションの存在感がさらに高まっていくという。
 環境配慮(ESG)意識の高まりに関しては「特に若い方々はかなり意識が高い」「CO2対策をしたビルが増えており、今後も数は増えていく」とし、意識を持って取り組む重要性を語った。
 テクノロジー進化後の営業スタイルについては、アメリカがAI・DXを軸とした営業モデルが浸透しつつあるのに対し、日本は「最初に人間(営業担当者)がいて、その下にAI、DXがサポートしてくれる」世界になると予測。情報の非対称性が解消され情報過多になる中で、「情報の非対称性という言葉がよく使われますけれど、これは恐らくもう近い将来に解消されるはず」「そこに対してプロである我々が、色々なアドバイスをしながら、常に寄り添い、ライフサイクルの中で我々がサービスを提供していく」「最後は『人と人との繋がり』が勝負になってくる」と話し、信頼関係の構築と人間力の重要性を主張した。

■駐車場事業「三井のリパーク」の将来展望
 駐車場事業(三井のリパーク)の取り組みについて、カーシェアやシェアサイクル、電動キックボードなど拠点(ポート)としての機能を展開してきた実績を触れたうえで、今後の戦略に言及した。
「駐車場の枠を超え、ある産業や業界に価値を提供できるサービスの可能性を検討している」と明かした。
「車の所有からシェアへの流れが進むなか、カーシェア事業は今後も成長していく事業だと思っている。また、リパークについては、単に車を停める場所ではなく、さまざまな機能や価値を備えた拠点へと進化をしていく可能性がある」と今後の期待感を語った。

児玉光博社長

高価格帯住宅のイメージ(本文とは関係ありません)

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