地方移住で叶えるセカンドライフのリアル ⑧/地方から考える持続可能な地域づくり(2)/「関係人口」が祭り存続/新温泉町に見る地域共助の形
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2026.02.23
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地域課題を資源として、関係人口と協働するコミュニティ形成について考えてみたい。
新温泉町では毎秋、収穫したての地元野菜や加工品を販売する収穫祭が町内の各地区で開催される。私が運営に携わる地域食堂が位置する海上(うみがみ)地区でも昨年、11回目の収穫祭が開催された。実は春の段階では開催できるか不透明だった。理由は収穫祭の実行部隊である地域食堂の閉鎖が決まっていたためだ。
しかし、私たちの食堂運営の承継に伴い、具体的な開催検討がなされることになった。同イベントは私自身が過去に何度か手伝い、住民と親睦を深めるきっかけになったこともあり、個人的にも特別な行事だ。
地区の役員や前任の食堂関係者との話し合いを経て、例年と変更した点がある。それは運営体制に予めボランティアを組み込んだことだ。後期高齢者の多い同地区では、住民のみの開催は難しいと判断したためだ。今回参加してくれたボランティア達は、地元の若者や神戸、大阪などの関西圏、東京から集まった。既存の関係人口でもあった彼らは友人らを誘い、休日返上で参加してくれた。結果的に延べ14人が名を連ね、準備段階から三日間にわたり、出品野菜の洗浄や陳列、餅などの加工品製造、販売や片付けまでを担ってくれた。
運営側として配慮したのは、地域住民との接点強化だ。具体的には地域の人に、彼らの顔と名前を知っていただこうと自己紹介を相互に行い、親交を深めた。さらに、収穫祭当日に新調した揃いの法被をボランティアに着用してもらった。関係者としての一体感の創出に加え、関係人口が地域に活力を与えることを住民に印象づけるためだ。
収穫祭後の打ち上げに同席した際には、区長から労いの言葉がかけられた。ボランティアの多大な労力に対し、対価としてわずかなお返ししかできなかったが、彼らから〝来年も手伝う〟と言ってもらえたことから、地域コミュニティの一員のように感じる、非日常という価値は提供できたのではないだろうか。
今回のイベントではサプライズもあった。プライベートで新温泉町を訪問された兵庫県知事が偶然、立ち寄られた。当日は朝から雷雨という悪天候だったが、知事の来訪に合わせたかのように日が差し、皆さんのテンションも一気にあがった。
そうした姿を目にした時に、地域の活性化に向けてのイベント継続の意義や、地域住民と関係人口による協働がコミュニティ持続にもたらす効果を実感した。
種火のような小さな取り組みが各地区でなされることで地域を活気づけ、最終的には持続可能な地域づくりへと広がるように思う。
* * *
=古矢直美=2025年春まで、住宅メーカーの広報として第一線で活躍していた。兵庫県へ移住し地方創生に取り組むとともに、まちの活性化へ向けて本格的に取り組んでいる。電機メーカーでの商品宣伝・企画担当を経て、グループの住宅会社に出向し15年間、国内外の広報を担当。趣味は愛犬との自然散策やビールを飲みながらのサッカー観戦と話す。
新温泉町では毎秋、収穫したての地元野菜や加工品を販売する収穫祭が町内の各地区で開催される。私が運営に携わる地域食堂が位置する海上(うみがみ)地区でも昨年、11回目の収穫祭が開催された。実は春の段階では開催できるか不透明だった。理由は収穫祭の実行部隊である地域食堂の閉鎖が決まっていたためだ。
しかし、私たちの食堂運営の承継に伴い、具体的な開催検討がなされることになった。同イベントは私自身が過去に何度か手伝い、住民と親睦を深めるきっかけになったこともあり、個人的にも特別な行事だ。
地区の役員や前任の食堂関係者との話し合いを経て、例年と変更した点がある。それは運営体制に予めボランティアを組み込んだことだ。後期高齢者の多い同地区では、住民のみの開催は難しいと判断したためだ。今回参加してくれたボランティア達は、地元の若者や神戸、大阪などの関西圏、東京から集まった。既存の関係人口でもあった彼らは友人らを誘い、休日返上で参加してくれた。結果的に延べ14人が名を連ね、準備段階から三日間にわたり、出品野菜の洗浄や陳列、餅などの加工品製造、販売や片付けまでを担ってくれた。
運営側として配慮したのは、地域住民との接点強化だ。具体的には地域の人に、彼らの顔と名前を知っていただこうと自己紹介を相互に行い、親交を深めた。さらに、収穫祭当日に新調した揃いの法被をボランティアに着用してもらった。関係者としての一体感の創出に加え、関係人口が地域に活力を与えることを住民に印象づけるためだ。
収穫祭後の打ち上げに同席した際には、区長から労いの言葉がかけられた。ボランティアの多大な労力に対し、対価としてわずかなお返ししかできなかったが、彼らから〝来年も手伝う〟と言ってもらえたことから、地域コミュニティの一員のように感じる、非日常という価値は提供できたのではないだろうか。
今回のイベントではサプライズもあった。プライベートで新温泉町を訪問された兵庫県知事が偶然、立ち寄られた。当日は朝から雷雨という悪天候だったが、知事の来訪に合わせたかのように日が差し、皆さんのテンションも一気にあがった。
そうした姿を目にした時に、地域の活性化に向けてのイベント継続の意義や、地域住民と関係人口による協働がコミュニティ持続にもたらす効果を実感した。
種火のような小さな取り組みが各地区でなされることで地域を活気づけ、最終的には持続可能な地域づくりへと広がるように思う。
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=古矢直美=2025年春まで、住宅メーカーの広報として第一線で活躍していた。兵庫県へ移住し地方創生に取り組むとともに、まちの活性化へ向けて本格的に取り組んでいる。電機メーカーでの商品宣伝・企画担当を経て、グループの住宅会社に出向し15年間、国内外の広報を担当。趣味は愛犬との自然散策やビールを飲みながらのサッカー観戦と話す。

