全日・TRA/SBIアルヒグループと戦略的提携/「ファイナンス事業」に本格参入
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2026.04.06
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会員の仕入れ・販売を支援
全日本不動産協会(全日)と全国不動産協会(TRA)は、会員支援の悲願だったファイナンス事業への本格参入を決定した。パートナーとして住宅ローン最大手のSBIアルヒグループを選定。26年4月1日から、全日本不動産協会の会員で構成する「全国不動産協会(TRA)」が同グループと提携することで、会員専用の融資相談窓口「全日ローンコンシェルジュ」の設置と、会員限定「全日買取再販ローン」の提供を開始する。
今回の提携の背景には、日本の金融環境の激変がある。長らく続いた超低金利時代が終焉を迎え、住宅ローン利用者や投資家にとって、金利変動リスクの把握は最重要課題となった。不動産流通の円滑化には、物件の情報だけでなく、それを支える「経済の血液」である資金調達のサポートが不可欠だ。SBIアルヒグループとの連携によって、同グループが持つ金融ノウハウが全国の全日会員に開放され、会員の金融リテラシー向上と、顧客に対する高度なローン提案体制の構築を同時に目指す。
■実務を変える「全日/ローンコンシェルジュ」
4月から稼働した「全日ローンコンシェルジュ」は、会員の実務負担を大幅に軽減するワンストップサービス。従来、不動産事業者は「物件仕入れはA銀行」「リフォーム資金はB信用金庫」「顧客の住宅ローンはC社」と、案件ごとに複数の金融機関と個別に交渉する必要があった。新サービスでは、専用窓口に一本化することで、多様なニーズに応じた最適な融資商品をプロのアドバイザーが提案する。事務作業に追われていた時間を、本来の業務である「仕入れ」や「商談」へ振り向けることが可能になる。
「良い物件を見つけたが、銀行の回答を待っている間に他社にさらわれた」。そんな苦い経験を持つ会員は少なくない。同コンシェルジュでは、SBIエステートファイナンス等との連携によって、最短即日の仮審査回答を実現。スピード重視の不動産ビジネスにとって、強力な武器となる。
■会員限定「全日買取/再販ローン」
既存住宅の流通促進を目的とした「全日買取再販ローン」は、リフォーム再販事業に特化した商品。一般的な銀行融資では、物件本体の購入費は出てもリフォーム費用や登記費用などの諸費用は自己資金を求められることが多い。同ローンでは、これらを一括で融資対象とすることが可能だ(審査による)。
代表者の連帯保証を不要とする設定も用意され、経営のリスク分散を図りたい事業者には魅力的な選択肢となる。「実績が3期分ないから」と門前払いされた経験のある新設法人も、事業計画やキャッシュフローを重視した審査によって道が開ける可能性がある。
具体的には、中古住宅のリフォーム再販事業を支援する。対象は、業歴1年以上で宅建業免許を有する不動産事業者。リフォームを要する居住用の中古戸建てやマンションを担保に、500万円~8000万円(1社合計3億円まで)の融資を行う。
同ローンの最大の特徴は、実務に即した柔軟な設計だ。融資年率は当初6カ月間が年2・8%と低く抑えられ(7カ月目以降は年6・0%)、早期売却を目指す再販事業の収益性を高めている。返済は最長12カ月の元金一括返済方式で、連帯保証人が不要な点も事業者にとって大きなメリットだ。
担保物件は、建築基準法を順守しリフォーム後に新耐震基準を満たすことが条件。住宅金融支援機構の住宅融資保険の活用を前提とする。取り扱い地域は関東1都3県と関西2府4県を主軸とし、その他主要都市も個別審査で対応する。
実務上の留意点として、同ローンは中古住宅の再生販売を支援する強力なツールの半面、対象物件や審査期間には独自の基準がある。例えば、リフォームについては、大規模な改修だけでなくクロスの張り替えやエアコン交換など軽微な工事でも融資対象となる。また、仲介手数料、登記費用、融資手数料、印紙代など、取引に付随する諸費用一式を融資対象に含めることができ、事業者のキャッシュフローを圧迫しない設計とした。
■「仕入資金ローン」/築古・特殊案件も
次に「仕入資金ローン」では、土地転売や一棟ビル、オーナーチェンジ物件の取得など、幅広い仕入れニーズに対応する。融資金額は500万円~最大10億円までと幅広く、年率は3・90%~7・60%に設定。返済期間は1カ月~18カ月で、元金一括返済方式を採用。多区画の分譲案件などでは、販売に応じた一部内入れ(先行返済)にも柔軟に対応するのが特徴だ。
融資事務手数料は1・10%~3・30%。銀行融資の返済期日が迫った案件の借り換えや決算内容だけでなく物件の収益性・出口戦略を重視した審査によって、設立間もない法人でも相談が可能という。取り扱い地域は関東1都3県と関西2府4県を中心に、主要都市を個別審査でカバーする。
具体的には、銀行が難色を示しがちな「築古・特殊案件」への対応も行う。特徴的なのは、旧耐震基準の区分マンションや借地権物件(地主の承諾書等が必要)への対応も内容次第で融資対象となる点。また、流動性が懸念される「自主管理・少戸数」のマンションにも、個別の検証を経て総合的に判断することが可能なため仕入れの幅が広がる。
実務で多用される「第三者のためにする契約(三為契約)」でも、所有権の移転経路を確認することを条件に取り扱いが可能。資金面では、物件評価次第で仕入代金の「満額融資」を検討できるほか、リフォーム費用は工事完了後に追加融資として取り組む柔軟なスキームも用意している。
■「不動産担保ローン」/35年返済を可能に
3つ目は「不動産担保ローン」。同ローンは資金使途の自由度が高く、開業資金や運転資金のほか、複数のプロジェクトが進行する際のキャッシュフロー調整など多様なビジネスシーンで活用できる。融資金額は300万円~最大10億円まで対応。特徴は、最長35年(420回払い)という長期の返済期間を設定できる点。返済方式は元利均等返済を採用し、月々の返済額を抑えることで中長期的な資金繰りの安定化を図ることが可能となる。
融資年率は3・70%~7・80%の変動金利制(短期プライムレート連動型)で、年2回利率の見直しが行われる。事務取り扱い手数料は融資金額の2・20%~2・75%。独自審査基準によって、銀行評価が伸び悩む物件や複雑な権利関係の案件でも不動産のポテンシャルを総合的に判断して融資を検討する。
全日本不動産協会(全日)と全国不動産協会(TRA)は、会員支援の悲願だったファイナンス事業への本格参入を決定した。パートナーとして住宅ローン最大手のSBIアルヒグループを選定。26年4月1日から、全日本不動産協会の会員で構成する「全国不動産協会(TRA)」が同グループと提携することで、会員専用の融資相談窓口「全日ローンコンシェルジュ」の設置と、会員限定「全日買取再販ローン」の提供を開始する。
今回の提携の背景には、日本の金融環境の激変がある。長らく続いた超低金利時代が終焉を迎え、住宅ローン利用者や投資家にとって、金利変動リスクの把握は最重要課題となった。不動産流通の円滑化には、物件の情報だけでなく、それを支える「経済の血液」である資金調達のサポートが不可欠だ。SBIアルヒグループとの連携によって、同グループが持つ金融ノウハウが全国の全日会員に開放され、会員の金融リテラシー向上と、顧客に対する高度なローン提案体制の構築を同時に目指す。
■実務を変える「全日/ローンコンシェルジュ」
4月から稼働した「全日ローンコンシェルジュ」は、会員の実務負担を大幅に軽減するワンストップサービス。従来、不動産事業者は「物件仕入れはA銀行」「リフォーム資金はB信用金庫」「顧客の住宅ローンはC社」と、案件ごとに複数の金融機関と個別に交渉する必要があった。新サービスでは、専用窓口に一本化することで、多様なニーズに応じた最適な融資商品をプロのアドバイザーが提案する。事務作業に追われていた時間を、本来の業務である「仕入れ」や「商談」へ振り向けることが可能になる。
「良い物件を見つけたが、銀行の回答を待っている間に他社にさらわれた」。そんな苦い経験を持つ会員は少なくない。同コンシェルジュでは、SBIエステートファイナンス等との連携によって、最短即日の仮審査回答を実現。スピード重視の不動産ビジネスにとって、強力な武器となる。
■会員限定「全日買取/再販ローン」
既存住宅の流通促進を目的とした「全日買取再販ローン」は、リフォーム再販事業に特化した商品。一般的な銀行融資では、物件本体の購入費は出てもリフォーム費用や登記費用などの諸費用は自己資金を求められることが多い。同ローンでは、これらを一括で融資対象とすることが可能だ(審査による)。
代表者の連帯保証を不要とする設定も用意され、経営のリスク分散を図りたい事業者には魅力的な選択肢となる。「実績が3期分ないから」と門前払いされた経験のある新設法人も、事業計画やキャッシュフローを重視した審査によって道が開ける可能性がある。
具体的には、中古住宅のリフォーム再販事業を支援する。対象は、業歴1年以上で宅建業免許を有する不動産事業者。リフォームを要する居住用の中古戸建てやマンションを担保に、500万円~8000万円(1社合計3億円まで)の融資を行う。
同ローンの最大の特徴は、実務に即した柔軟な設計だ。融資年率は当初6カ月間が年2・8%と低く抑えられ(7カ月目以降は年6・0%)、早期売却を目指す再販事業の収益性を高めている。返済は最長12カ月の元金一括返済方式で、連帯保証人が不要な点も事業者にとって大きなメリットだ。
担保物件は、建築基準法を順守しリフォーム後に新耐震基準を満たすことが条件。住宅金融支援機構の住宅融資保険の活用を前提とする。取り扱い地域は関東1都3県と関西2府4県を主軸とし、その他主要都市も個別審査で対応する。
実務上の留意点として、同ローンは中古住宅の再生販売を支援する強力なツールの半面、対象物件や審査期間には独自の基準がある。例えば、リフォームについては、大規模な改修だけでなくクロスの張り替えやエアコン交換など軽微な工事でも融資対象となる。また、仲介手数料、登記費用、融資手数料、印紙代など、取引に付随する諸費用一式を融資対象に含めることができ、事業者のキャッシュフローを圧迫しない設計とした。
■「仕入資金ローン」/築古・特殊案件も
次に「仕入資金ローン」では、土地転売や一棟ビル、オーナーチェンジ物件の取得など、幅広い仕入れニーズに対応する。融資金額は500万円~最大10億円までと幅広く、年率は3・90%~7・60%に設定。返済期間は1カ月~18カ月で、元金一括返済方式を採用。多区画の分譲案件などでは、販売に応じた一部内入れ(先行返済)にも柔軟に対応するのが特徴だ。
融資事務手数料は1・10%~3・30%。銀行融資の返済期日が迫った案件の借り換えや決算内容だけでなく物件の収益性・出口戦略を重視した審査によって、設立間もない法人でも相談が可能という。取り扱い地域は関東1都3県と関西2府4県を中心に、主要都市を個別審査でカバーする。
具体的には、銀行が難色を示しがちな「築古・特殊案件」への対応も行う。特徴的なのは、旧耐震基準の区分マンションや借地権物件(地主の承諾書等が必要)への対応も内容次第で融資対象となる点。また、流動性が懸念される「自主管理・少戸数」のマンションにも、個別の検証を経て総合的に判断することが可能なため仕入れの幅が広がる。
実務で多用される「第三者のためにする契約(三為契約)」でも、所有権の移転経路を確認することを条件に取り扱いが可能。資金面では、物件評価次第で仕入代金の「満額融資」を検討できるほか、リフォーム費用は工事完了後に追加融資として取り組む柔軟なスキームも用意している。
■「不動産担保ローン」/35年返済を可能に
3つ目は「不動産担保ローン」。同ローンは資金使途の自由度が高く、開業資金や運転資金のほか、複数のプロジェクトが進行する際のキャッシュフロー調整など多様なビジネスシーンで活用できる。融資金額は300万円~最大10億円まで対応。特徴は、最長35年(420回払い)という長期の返済期間を設定できる点。返済方式は元利均等返済を採用し、月々の返済額を抑えることで中長期的な資金繰りの安定化を図ることが可能となる。
融資年率は3・70%~7・80%の変動金利制(短期プライムレート連動型)で、年2回利率の見直しが行われる。事務取り扱い手数料は融資金額の2・20%~2・75%。独自審査基準によって、銀行評価が伸び悩む物件や複雑な権利関係の案件でも不動産のポテンシャルを総合的に判断して融資を検討する。

