日銀横浜支店長「20年ぶりの転換点に」/設備投資意欲は依然おう盛/神奈川県不動産のれん会40周年で記念講演
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2026.04.27
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神奈川県内の不動産事業者で構成する「神奈川県不動産のれん会」(斉藤昌喜会長)は、創立40周年の節目を迎えた。横浜市中区のホテルニューグランドで4月20日に開かれた記念式典では、日本銀行の小野寺拓横浜支店長による記念講演が行われ、混迷する世界情勢下での日本経済と不動産市場の先行きなどについて示した。長期金利2・5%という数字は、一見するとネガティブに捉えられがちだが日銀が示す設備投資の伸びや資金繰りの安定性は、市場がそれを乗り越える体力を備えていることを示唆しているようだ。金利上昇という20年来の構造変化に直面するなか、業界が注視すべきはどこか。
■「のれん」の絆を未来へつむぐ、斉藤会長の決意
神奈川県不動産のれん会の斉藤会長があいさつし、1986年の発足以来、バブル崩壊、リーマン・ショック、東日本大震災、コロナ禍と困難を乗り越えてきた40年を振り返った。
「『のれん』とは屋号ではなく、信用の証。お客様の利益を守り、信頼に応えることを第一としてきた」。現在の不動産業界が抱える「建築費高騰」「空き家問題」「老朽化マンション」などの課題に触れつつ「一本の糸を紡(つむ)ぎ、大きな絆になった。この絆を50年、100年と未来へつなげたい」と、地域社会の持続的発展に寄与する決意を新たにした。
■長期金利「2・5%」へ
小野寺氏は足元の金融市況について直近の長期金利は、世界的なインフレ圧力や中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の上昇を受け、じりじりと上昇を続けている。「2・5%に近づく動きを見せており、これは20数年ぶりのレベルだ」と説明。かつての超低金利環境が当たり前だった市場構造が、根底から変化しつつあると述べた。
背景には、米国の関税政策や中東情勢の影響による「輸入物価の上昇」がある。円安傾向の持続に加え、エネルギー負担軽減策の終了などが家計の実質所得を下押しするリスクをはらむ。不動産業界にとって、金利上昇は仕入れコストの増大や住宅ローン金利の引き上げに直結する。小野寺氏が示した「20数年ぶり」という言葉は「低金利前提」のビジネスモデルが通用しなくなる時代の到来を印象づけた。
一方で不動産市場の現状は、公示地価や建築単価の上昇が現在の不動産業界の業況を「20年ほどさかのぼっても、ないぐらいのハイレベルな活況を呈している」と評価した。「バブル経済」期のような過熱感とは異なるものの、実需と投資のバランスを保ちながらも、価格水準そのものは過去20年間のなかで高く推移しているという。特徴的なのは、金利が上昇局面にあるにもかかわらず不動産業の資金繰り判断が依然として「楽」とする企業が多い点だ。
日銀の管内調査(短観)によると、企業の資金繰り状況はマクロ的に見て大きな問題は見られず、企業収益が金利負担を吸収できている。不動産業界が依然として、強固な財務基盤と収益性を維持していると裏付けている。
不動産需要の先行指標として小野寺氏が提示したデータは、県内企業の設備投資計画だ。調査によると、神奈川県内企業の2025年度設備投資計画は「前年度比プラス23・3%」という伸びを示している。26年度もプラス6・5%と継続的な伸びが予想され、企業収益が前向きな投資へと確実に還流している。
不動産事業者にとって、企業の設備投資はオフィス移転や工場、倉庫の用地取得のほか、従業員の住宅需要に直結する。特に東京圏(一都三県)によるオフィス需要は依然として底堅く、都心に牽引(けんいん)される神奈川県内の市場も良好な水準で推移していることが確認された。
■「のれん」の絆を未来へつむぐ、斉藤会長の決意
神奈川県不動産のれん会の斉藤会長があいさつし、1986年の発足以来、バブル崩壊、リーマン・ショック、東日本大震災、コロナ禍と困難を乗り越えてきた40年を振り返った。
「『のれん』とは屋号ではなく、信用の証。お客様の利益を守り、信頼に応えることを第一としてきた」。現在の不動産業界が抱える「建築費高騰」「空き家問題」「老朽化マンション」などの課題に触れつつ「一本の糸を紡(つむ)ぎ、大きな絆になった。この絆を50年、100年と未来へつなげたい」と、地域社会の持続的発展に寄与する決意を新たにした。
■長期金利「2・5%」へ
小野寺氏は足元の金融市況について直近の長期金利は、世界的なインフレ圧力や中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の上昇を受け、じりじりと上昇を続けている。「2・5%に近づく動きを見せており、これは20数年ぶりのレベルだ」と説明。かつての超低金利環境が当たり前だった市場構造が、根底から変化しつつあると述べた。
背景には、米国の関税政策や中東情勢の影響による「輸入物価の上昇」がある。円安傾向の持続に加え、エネルギー負担軽減策の終了などが家計の実質所得を下押しするリスクをはらむ。不動産業界にとって、金利上昇は仕入れコストの増大や住宅ローン金利の引き上げに直結する。小野寺氏が示した「20数年ぶり」という言葉は「低金利前提」のビジネスモデルが通用しなくなる時代の到来を印象づけた。
一方で不動産市場の現状は、公示地価や建築単価の上昇が現在の不動産業界の業況を「20年ほどさかのぼっても、ないぐらいのハイレベルな活況を呈している」と評価した。「バブル経済」期のような過熱感とは異なるものの、実需と投資のバランスを保ちながらも、価格水準そのものは過去20年間のなかで高く推移しているという。特徴的なのは、金利が上昇局面にあるにもかかわらず不動産業の資金繰り判断が依然として「楽」とする企業が多い点だ。
日銀の管内調査(短観)によると、企業の資金繰り状況はマクロ的に見て大きな問題は見られず、企業収益が金利負担を吸収できている。不動産業界が依然として、強固な財務基盤と収益性を維持していると裏付けている。
不動産需要の先行指標として小野寺氏が提示したデータは、県内企業の設備投資計画だ。調査によると、神奈川県内企業の2025年度設備投資計画は「前年度比プラス23・3%」という伸びを示している。26年度もプラス6・5%と継続的な伸びが予想され、企業収益が前向きな投資へと確実に還流している。
不動産事業者にとって、企業の設備投資はオフィス移転や工場、倉庫の用地取得のほか、従業員の住宅需要に直結する。特に東京圏(一都三県)によるオフィス需要は依然として底堅く、都心に牽引(けんいん)される神奈川県内の市場も良好な水準で推移していることが確認された。

