不動産学会シンポ/「不動産業ビジョン2030」を中間レビュー/後半は「地域価値共創」へ
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2026.06.29
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日本不動産学会(会長・氷飽揚四郎筑波大名誉教授)はこのほど、東京・文京区の住宅金融支援機構すまい・るホールで、「2026年度春季全国大会シンポジウム」を開いた。「不動産業ビジョン2030」の策定から5年が経過したのを機会に、官・民・学のリーダーが出席。その取り組みの成果や課題、さらに今後の不動産業のグランドデザインなどについて意見を述べ合った。基調講演した国土交通省の倉石誠司不動産業課長は、人口減少や少子高齢化に伴う住宅のリースバックや不動産の有償引き取りサービスなど、不動産コンサルティングに対する新しいニーズを持つビジネスが急拡大していくと説明。同時に市場の機能不全に危機感を示し「地域価値共創」に向けた担い手への伴走支援などの新政策を打ち出す方針を示した。
■不動産コンサルで/新しいニーズが拡大
今回のテーマは「不動産業のグランドデザイン~『不動産業ビジョン2030』中間レビュー」。第一部では、国土交通省の倉石誠司氏(不動産・建設経済局不動産業課長)が「不動産業ビジョンの成果と今後の取り組み」と題して基調講演した。
倉石氏は、国内の総資産のうち3400兆円(4分の1)が不動産であり、市場や地域経済に与えるインパクトが非常に大きいと述べた。その上で、(不動産業ビジョン2030)策定から5年が経過した同ビジョンの中間レビューとして、官の取り組みでは2020年の賃貸住宅管理業法の制定・施行や宅地建物取引業法の重要事項説明に伴うIT化などのDX推進、22年の不動産特定共同事業法改正、書面電子化などを挙げ「信頼産業」への進化と土台づくりを進めてきた実績を振り返った。また、24年には空き家、空き地の売買報酬の見直しによる上限の引き上げを行ったことを報告した。
民間の動きについては、エリアマネジメントへの積極的な参画によって地域課題をビジネスの側面で解決する取り組みが全国で誕生していることやAIを活用したシステムなど、DXの実装が進んでいる点を挙げ、活況な5年間であったとした。そのほか、新しいニーズや時代の人口減に伴って生まれてくるようなビジネス、あるいは少子高齢化に伴う「住宅のリースバック」や「不動産の有償引取りサービス」という不動産コンサルティングに対する新しいニーズのビジネスが急拡大していくと述べた。
また、倉石氏は2070年に無居住化の予測地域が日本全体の約3割になるという厳しい人口減少の予測や、現時点で宅地建物取引業者の事務所ゼロの市区町村が全国に235あり、機能不全に陥る危機の前触れであることなどを指摘。「地域価値共創」という不動産政策を打ち出し、外部からの移住や二地域居住者への住まいの提供、生活圏のマネジメントをリードする存在としての不動産の担い手を国として後押しし、モデル事業として伴走支援を行う事業を発表する計画であることを公表した。
第二部のパネルディスカッションでは、コーディネーターを中城康彦氏(明海大学大学院不動産学研究科教授研究科長)が務め、産業界、官、学の各立場から関係者が登壇して討論が行われた。
産の立場から「開発」に関して野村正史氏(不動産協会専務理事)は「国際競争力のある都市づくり」について、「流通」では草間時彦氏(全国宅地建物取引業協会連合会専務理事)が「宅地建物取引業と地域・社会」、そして「不動産投資」分野に伊倉健之氏(日本不動産証券化協会専務理事)が「不動産投資市場の動向と不動産業の役割」について、それぞれの立場から意見を述べた。
不動産学会業績賞は2団体に/日管協制度と東京建物グループ事業
当日はシンポジウムに先立って、第32回となる2025年度の同学会業績賞表彰式も行われた。
国土交通大臣賞には、有資格者数が3万5760人(6月1日時点)に達している日本賃貸住宅管理協会(西田光孝会長)の「賃貸住宅メンテナンス主任者認定制度」が選ばれた。
同制度は、管理業従事者の33%が対応時間を削減できたとするなど関係者の満足度向上や社会的費用の削減に寄与している点が評価された。同協会は知識の定着を促すことを目的に、11月11日から受験回数を5回(現在、無制限)、受験時間を60分(現在120分)とする資格認定基準の調整を行う予定だ。
また日本不動産学会長賞には、東京建物(東京都中央区)を代表企業とする3社グループによる施設運営事業「東京2020大会の競技施設を継承した有明アーバンスポーツパークの取り組み」が選出された。
施設は国際競技大会跡地を活用し、24年10月に全面開業した。約3・1ヘクタールの複合型スポーツレジャー施設で、PFI事業として整備した。競技利用施設だけでなく、新施設としてロープアスレチックや屋内ランニング場、カフェやドッグサロンなども併設。競技者からファミリーまでが楽しめる拠点となった。
■不動産コンサルで/新しいニーズが拡大
今回のテーマは「不動産業のグランドデザイン~『不動産業ビジョン2030』中間レビュー」。第一部では、国土交通省の倉石誠司氏(不動産・建設経済局不動産業課長)が「不動産業ビジョンの成果と今後の取り組み」と題して基調講演した。
倉石氏は、国内の総資産のうち3400兆円(4分の1)が不動産であり、市場や地域経済に与えるインパクトが非常に大きいと述べた。その上で、(不動産業ビジョン2030)策定から5年が経過した同ビジョンの中間レビューとして、官の取り組みでは2020年の賃貸住宅管理業法の制定・施行や宅地建物取引業法の重要事項説明に伴うIT化などのDX推進、22年の不動産特定共同事業法改正、書面電子化などを挙げ「信頼産業」への進化と土台づくりを進めてきた実績を振り返った。また、24年には空き家、空き地の売買報酬の見直しによる上限の引き上げを行ったことを報告した。
民間の動きについては、エリアマネジメントへの積極的な参画によって地域課題をビジネスの側面で解決する取り組みが全国で誕生していることやAIを活用したシステムなど、DXの実装が進んでいる点を挙げ、活況な5年間であったとした。そのほか、新しいニーズや時代の人口減に伴って生まれてくるようなビジネス、あるいは少子高齢化に伴う「住宅のリースバック」や「不動産の有償引取りサービス」という不動産コンサルティングに対する新しいニーズのビジネスが急拡大していくと述べた。
また、倉石氏は2070年に無居住化の予測地域が日本全体の約3割になるという厳しい人口減少の予測や、現時点で宅地建物取引業者の事務所ゼロの市区町村が全国に235あり、機能不全に陥る危機の前触れであることなどを指摘。「地域価値共創」という不動産政策を打ち出し、外部からの移住や二地域居住者への住まいの提供、生活圏のマネジメントをリードする存在としての不動産の担い手を国として後押しし、モデル事業として伴走支援を行う事業を発表する計画であることを公表した。
第二部のパネルディスカッションでは、コーディネーターを中城康彦氏(明海大学大学院不動産学研究科教授研究科長)が務め、産業界、官、学の各立場から関係者が登壇して討論が行われた。
産の立場から「開発」に関して野村正史氏(不動産協会専務理事)は「国際競争力のある都市づくり」について、「流通」では草間時彦氏(全国宅地建物取引業協会連合会専務理事)が「宅地建物取引業と地域・社会」、そして「不動産投資」分野に伊倉健之氏(日本不動産証券化協会専務理事)が「不動産投資市場の動向と不動産業の役割」について、それぞれの立場から意見を述べた。
不動産学会業績賞は2団体に/日管協制度と東京建物グループ事業
当日はシンポジウムに先立って、第32回となる2025年度の同学会業績賞表彰式も行われた。
国土交通大臣賞には、有資格者数が3万5760人(6月1日時点)に達している日本賃貸住宅管理協会(西田光孝会長)の「賃貸住宅メンテナンス主任者認定制度」が選ばれた。
同制度は、管理業従事者の33%が対応時間を削減できたとするなど関係者の満足度向上や社会的費用の削減に寄与している点が評価された。同協会は知識の定着を促すことを目的に、11月11日から受験回数を5回(現在、無制限)、受験時間を60分(現在120分)とする資格認定基準の調整を行う予定だ。
また日本不動産学会長賞には、東京建物(東京都中央区)を代表企業とする3社グループによる施設運営事業「東京2020大会の競技施設を継承した有明アーバンスポーツパークの取り組み」が選出された。
施設は国際競技大会跡地を活用し、24年10月に全面開業した。約3・1ヘクタールの複合型スポーツレジャー施設で、PFI事業として整備した。競技利用施設だけでなく、新施設としてロープアスレチックや屋内ランニング場、カフェやドッグサロンなども併設。競技者からファミリーまでが楽しめる拠点となった。

