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中古流通促進のカギはリノベーションの体制整備 リクルートがリポート

  • 2008.03.19
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 リクルート住宅総研は中古住宅の流通促進に向けた研究リポート「既存住宅流通活性化プロジェクト“既存住宅再考”」をまとめた。新築住宅に比べて、中古住宅の流通量が少ない現状打開するために必要な事象やシステムについて、消費者調査をもとに考察したもの。

 住宅を購入する際に新築と中古を並行して検討した消費者で、新築住宅を購入した層に中古住宅を購入しなかった理由を聞いたところ、「新築の方が気持ちよい」が42・9%を占めた。

 そこで、同社では消費者の新築指向について分析。新築物件を購入した層が中古物件を見学した際に「魅力を感じなかった点」をフリー回答で聞いたところ、外観や建物内部、バスルーム、キッチンの美観やグレードという回答がそれぞれ50%を超えた。また、新築購入層の6割が見学したことで購入意欲が減退。「他人の使用感」が中古住宅を敬遠する一因としても挙げられており、島原万丈主任研究員は「消費者が物件を選ぶ際“見た目”が非常に重要と考えられる。また、消費者には構造に対する不安もある。こうした事情を考慮して、中古流通促進のためにカギを握るのはリノベーションだ」とする。

 同社では単なる大規模リフォームではなく、一度スケルトン状態にしてから住宅を生まれ変わらせることを「リノベーション」と定義。躯体を強化するとともに見た目も一新されるリノベーションの普及が中古流通促進に有効とした。

 ただ、中古物件を購入してリノベーションするという購入手法の認知率は37%と低く、購入者にとってまだなじみがない。リノベーションの内容を提示したあとに消費者の興味の度合いを聞くと、7割が「魅力的」と評価し、新築メーンで検討している層でも8割が魅力的と評価した。「工事のコストや内容が不透明という声が多く、物件選びの段階からサポートが必要になる」(島原氏)としている。

 リノベーションの普及に向けては、品質のスタンダードづくり、新築と同等の税制優遇、買い取り再販における不動産取得税の見直しなどを挙げる。さらに、価格査定に関しても「リノベーション再販価格から逆算した査定方法を推進すれば、リフォーム投資がムダにならず、優良な物件の市場参入を促すだろう」(島原氏)とした。
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