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S&P/07年証券化商品の格上げ率12・1%、CMBSとRMBS堅調

  • 2008.03.27
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 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は3月26日、2007版の格付け遷移調査 「日本の証券化商品の格付け遷移」を発表した。それによると、07年は、日本の証券化商品の格付けは格上げ率 12・1%、格下げ率 6・4%となり、格上げが格下げの約2倍の水準だった。商業用不動産担保証券(CMBS)および住宅ローン担保証券(RMBS)の格付けの遷移は特に堅調であったとしている。

 分析対象の格付け数は1366件。資産担保証券(ABS)、債務担保証券(CDO)、CMBS、RMBSの主要アセットがほぼ均等に分布。アセット・クラス別の遷移状況は、CDOの信用力の低下が顕著で、これが日本の証券化商品の格付け遷移を全体的に押し下げていることがわかった。

 米サブプライムローンRMBSの格付け変更の影響を受けた案件はなかった。日本のRMBS格付けは、07年も例年同様に安定しており、サブプライムローンをはじめ、米国の信用力悪化の事例とは切り離して考える必要がある。S&Pが格付けを付与した日本の証券化案件が、「デフォルト」、または「準デフォルト」に陥ったことものは、今のところはない。

 一部でキャッシュフローCDO案件の大幅格下げが見られたが、これはシンセティックCDOの格下げの影響を大きく受けたとしている。ただ、日本で格付けされたシンセティックCDOのほとんどは、米国をはじめ海外に本拠地を置く企業の信用力を裏付けとしていることから、シンセティックCDOの信用力の悪化は、国内企業の信用力を直接反映していないという。

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