お電話でもお問い合わせを受け付けています 受付時間 平日 10:00~17:30

TEL03-6721-1338

森記念財団都市戦略研究所/東京の都市総合力は世界4位、経済や環境分野が強み

  • 2010.10.13
  • お気に入り
 東京の都市総合力は世界4位――。財団法人森記念財団 都市戦略研究所(竹中平蔵所長)が10月13日に発表した2010年版「世界の都市総合力ランキング」で東京が3年連続4位に甘んじた結果を発表した。1位はニューヨーク、2位がロンドン、3位パリだった。同ランキングは今年で3回目。トップから5位のシンガポール、6位ベルリンまで3年連続で変わらず。



 ただ、ランキング策定委員の市川宏雄・明治大学専門職大学院長は、「上位4都市がシンガポール以下の第2グループを引き離しているのが今回の特徴。東京は昨年に比べてパリに肉迫している」と述べ、羽田空港の国際化に加えて現実味を帯びてきた法人税減税が実現すれば来年の同調査結果ではこうした事象を反映し、東京がトップ3にランクインする可能性があるという認識を示した。



 調査対象は世界主要35都市。独自に収集した指標などを用いて「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通アクセス」の6カテゴリーと、「経営者」「研究者」「アーティスト」「観光客」「生活者」の4視点に基づいて評価した。



 分野別で見ると、東京は、経済と研究・開発、環境の分野で強みを発揮。研究・開発と経済がそれぞれ2位で環境が5位となり、昨年に引き続いて経済と環境の両分野がともにトップ5にランクインしている唯一の都市としての地位を維持した。



 居住分野ではバンクーバーが1位。東京は9位だったが、市川氏は、「東京の居住コストの高さが相対的に足を引っ張った格好だが、居住コストが高いのは需要の旺盛さを示していることでもあり必ずしも悪い側面ばかりではない」と微妙な判断。居住分野では、大阪が3位、福岡が4位に入っているが、交通アクセス面の改善など公共インフラが整っている割に居住コストが高くない点などが上位ランクインを実現した。住宅分野の貢献によって総合ランクでは、大阪が昨年の25位から19位に、福岡が同30位から28位とそれぞれ順位を上げた。



 文化・交流分野では東京が4位に入った。政府主導の海外観光客の誘致キャンペーンが効いた。だが、買い物と食事でパリに次いで高い評価を得ているものの、宿泊環境や交流実績など他の指標で総合トップ4都市の中での評価が極めて低かった。



 同研究所では、今後、東京の都市総合力をアップするためには、主要35都市の平均以下である「法規制・リスク」「居住コスト」「自然環境」「国際交通インフラ」といった弱い部分を克服する必要があるとした。
TOP