「万博効果、地元に波及せず」/大阪府宅建協会山本清孝会長に聞く/外国人業者新規入会では10%に増加
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2025.11.11
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大阪・関西万博が閉幕した後の10月27日、大阪府宅地建物取引業協会の山本清孝会長に不動産業界の現状と外国人会員の実態などを聞いた。同氏は「万博効果は地元業界には波及していない」こと、「外国人会員が増えていたが、7月以降は減少している」ことなどを話した。なお同氏は25年秋の叙勲・褒章で黄綬褒章を受章した。
万博閉幕後の影響について、山本会長は「一番近い地元にも、金銭的にも不動産取引についても、あまりお金は落ちていない」としている。短期賃貸や物流関連施設への影響も限定的だったが、インバウンドによるホテルの満室状況は顕著であり、関西空港からの流入増やコロナ後から大阪・神戸・京都がメインの観光地となっていることで、観光関連は潤ったという。
大阪府の不動産市況は売買、賃貸ともに「例年並み」で推移しているが、新築・中古マンションの価格高騰については「停滞気味」で、この2~3カ月は肌で感じるほど動きが止まっている。
戸建てのボリュームゾーンは4000万円後半から6000万円弱、タワーマンションを除くマンションは4000万円から5000万円台が一般的だが、給与所得の伸び悩みからローン審査が厳しくなっている。夫婦ローンや「フラット35ではなく50が主流になりつつある」など、長期借り入れへの依存が高まっている現状にも言及した。
協会会員の動向では法人の外国人業者が急増している実態についても触れ、現在の全会員約8600社のうち外国人業者と判断されるのは約2%の176社だが、2024年の新規入会430社中、外国人業者と思われる会員は48社と10%以上を占めているとした。
増加要因は主に中国・韓国系による自国の顧客への売買を目的とした不動産投資会社設立や、ベトナム系などによる専門の賃貸あっせん業が増えていることを挙げた。
取引実態は、ほとんどが200万円~300万円の古民家や老朽化住宅を購入し、リノベーション後に自国の顧客に売却する「買い取り転売」であり、物件は「一度日本人以外の業者に売ると、その後は向こうの世界で回される」ため、日本人市場にでてこない傾向があると述べている。
なお、外国人業者の新規入会について、経営管理ビザの預託金が500万円から3000万円に引き上げられるとの情報が出た7月以降、減少に転じていると話す。外国人による不動産物件の購入に関しては、購入後、日本市場に流出せず名義変更を繰り返す「投資の連鎖」が母国のコミュニティ内で展開される傾向がある。
協会の支部統廃合に関しての予定はないが、今後運営方法を変える考えであるとした。今後の業界の理想はDX化による遠隔取引の実現だが、進ちょくは緩やかで、資格を持つ者のみが仲介できる制度を要望していることも明らかにした。
万博閉幕後の影響について、山本会長は「一番近い地元にも、金銭的にも不動産取引についても、あまりお金は落ちていない」としている。短期賃貸や物流関連施設への影響も限定的だったが、インバウンドによるホテルの満室状況は顕著であり、関西空港からの流入増やコロナ後から大阪・神戸・京都がメインの観光地となっていることで、観光関連は潤ったという。
大阪府の不動産市況は売買、賃貸ともに「例年並み」で推移しているが、新築・中古マンションの価格高騰については「停滞気味」で、この2~3カ月は肌で感じるほど動きが止まっている。
戸建てのボリュームゾーンは4000万円後半から6000万円弱、タワーマンションを除くマンションは4000万円から5000万円台が一般的だが、給与所得の伸び悩みからローン審査が厳しくなっている。夫婦ローンや「フラット35ではなく50が主流になりつつある」など、長期借り入れへの依存が高まっている現状にも言及した。
協会会員の動向では法人の外国人業者が急増している実態についても触れ、現在の全会員約8600社のうち外国人業者と判断されるのは約2%の176社だが、2024年の新規入会430社中、外国人業者と思われる会員は48社と10%以上を占めているとした。
増加要因は主に中国・韓国系による自国の顧客への売買を目的とした不動産投資会社設立や、ベトナム系などによる専門の賃貸あっせん業が増えていることを挙げた。
取引実態は、ほとんどが200万円~300万円の古民家や老朽化住宅を購入し、リノベーション後に自国の顧客に売却する「買い取り転売」であり、物件は「一度日本人以外の業者に売ると、その後は向こうの世界で回される」ため、日本人市場にでてこない傾向があると述べている。
なお、外国人業者の新規入会について、経営管理ビザの預託金が500万円から3000万円に引き上げられるとの情報が出た7月以降、減少に転じていると話す。外国人による不動産物件の購入に関しては、購入後、日本市場に流出せず名義変更を繰り返す「投資の連鎖」が母国のコミュニティ内で展開される傾向がある。
協会の支部統廃合に関しての予定はないが、今後運営方法を変える考えであるとした。今後の業界の理想はDX化による遠隔取引の実現だが、進ちょくは緩やかで、資格を持つ者のみが仲介できる制度を要望していることも明らかにした。

