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本紙「新年住宅市場アンケート」/市況「前年並み」か/主要24社経営トップが回答

  • 2026.01.13
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 価格上昇が続く分譲マンションや注文住宅。一般需要者の取得能力とかけ離れたことで昨年、官民で高価格対策が始動。与党は26年度税制改正大綱で、住宅ローン減税の5年延長を打ち出し、住宅金融支援機構は「フラット35」の融資限度額を4月から大幅に引き上げるなど、需要喚起に躍起だ。果たして26年の住宅市場はどうなるのか。本紙は恒例の「新年住宅市場アンケート」を昨年末に実施。住宅系11社、分譲マンション系13社の計24社の経営トップから回答を得た。昨年は金融政策の転換や価格上昇も進行したが、供給抑制などで市況は安定的に推移した。新年も前年並みの「変わらない」との見方が大勢を占めた。(アンケートの内容と各社の回答は4~5面に掲載)

分譲マンション 高価格対応焦点に/コスト圧力、供給は抑制傾向
 分譲マンション系ではまず、25年の新築マンションの事業戦略・商品企画・営業態勢で変化があったかを聞いた。「大いにある」は4社、「多少はある」が9社でそれぞれ前年と同数だった。コロナ禍以降、商品の多様化やデジタル技術の導入、営業態勢の見直しが進んだが、ここへきて高価格化に伴うコストや販売対策に焦点は移ったようだ。
 「大いにある」とした4社では、三井不動産レジデンシャルは「DX・AIの活用」と「体験型リアル・バーチャルサロンの展開の継続」を挙げた。日鉄興和不動産は「用地取得を都心に集中」「高額分譲マンションの事業推進」「自社販売の推進」を、フージャースホールディングスは「より厳選した立地・つくり込み・環境対応で、高価格帯に見合う商品づくり」を挙げた。「多少はある」とした企業では、野村不動産は「都心高額物件の更なる強化」など、三菱地所レジデンスは「需給環境を見極めた厳選取得」などを挙げた。
 次に、首都圏新築マンション市場は昨年も高値更新が続いたが、供給が少なかったこともあって市況は安定的に推移した。その主な要因について選択肢の中から選んでもらった(複数回答)。最も多かったのは「需給バランス(供給が少ない)」の13社。以下、「低金利水準で住宅ローン減税などの購入条件が整っている」10社、「先高観」8社、「住宅商品の質的向上(価格上昇に見合った企画・品質対応など)」6社、「住宅に対する意識の変化(交通利便性、広さ、環境を求める動き)」4社、「投資需要の活発化」3社--が続いた。その他では「マンションの資産性に対する評価の高まり」(三菱地所レジデンス)、「株価上昇による資金力のアップ」(大成有楽不動産)との回答があった。
 26年の新築マンション市場は25年と比べてどうなるかとの質問では、13社中12社が「変わらない」と回答。その理由として「工事費高騰による価格上昇圧力は継続するが、都心部では新富裕層・パワーファミリーなどの増加で需要が期待できる一方、郊外部については注視したい」(三菱地所レジデンス)、「価格上昇を吸収できる都心部エリアでの堅調な状況は継続。一方で郊外は要注視」(日鉄興和不動産)、「良質な住宅の需要は底堅く、個人の価値観、ライフスタイルの多様化に応じてニーズの幅が広がっている」(東京建物)、「価格は高止まり傾向。一般実需は金利上昇と家計マインドの鈍化で減速する可能性がある一方、需給バランスの良さが下支えする」(伊藤忠都市開発)などがあった。大成有楽不動産は「需給バランスは変わらないが、エリアや物件による二極化は進んでおり、価格天井感と金利上昇の影響度合いに懸念あり」と指摘し、「分からない」とした。
 用地の仕入れ価格と住宅の販売価格は25年と比べてどう変化するかとの質問では、ともに「上昇」が「横ばい」を大きく上回った。用地不足・取得競争の激化が続く用地価格では「上昇」9社、「横ばい」3社、「下落」1社。販売価格では「上昇」11社、「横ばい」2社だった。ともに「上昇」としたコスモスイニシアは「エリアで異なるが、コスト増のトレンドは続く」、大京は「各社の競争激化によって用地取得価格は上昇が継続。建築コスト、土地調達コストの上昇で都心部や再開発エリアでは、価格維持・上昇が続く」を理由に挙げた。東急不動産は「需要の安定化と厳選した用地仕入れ」を理由にともに「横ばい」とした。
■首都圏の新規供給、「増やす」は3社
 26年の首都圏の新築マンション供給量(1~12月)をどう見るかでは、13社中12社が25年と「同程度」と回答し、「減る」は1社だった。まだ25年実績が固まっていないが、「2・3万~2・5万戸」前後の回答が多かった。自社の供給量では、25年より「増やす」は三菱地所レジデンス、伊藤忠都市開発、フージャースの3社、「減らす」は住友不動産の1社。9社が「同程度」と回答した。
 最も多い予定戸数は三井不動産レジデンシャルの「3000戸程度」。これに野村不動産の「2500戸程度」、三菱地所レジデンスの「1600戸程度」、住友不動産の「1500戸程度」が続く。このほか東京建物が「1000~1500戸程度」、東急不動産が「1100戸程度」、日鉄興和不動産が「1000戸程度」、長谷工コーポレーションが「900戸程度」、伊藤忠都市開発が「780戸程度」とした。

住宅受注 政策支援などが下支え/賃貸で「増える」が多数派/着工は「73万戸前後」
 住宅系企業の主要11社では、まず26年の住宅市場が25年に比べてどうなると思うかという質問では、「良くなる」が1社、「変わらない」が9社で、住宅系は「良くなる」、賃貸住宅とマンションは「変わらない」が1社となった。
 人口減少のほか職人の高齢化や減少、住宅価格の高騰に金利上昇など厳しい状況ではあるものの、政策的な補助金制度の下支えなどもあり、前年並みで推移するとの見方が多かった。
 今年の住宅着工戸数の見込みでは、総戸数で昨年より「増える」が5社、「同程度」も5社で、「減る」は1社にとどまった。持家は「増える」が4社、「同程度」が5社、「減る」が2社となっている。貸家は「増える」が4社、「同程度」が6社で「減る」が1社で、同程度から増加見通しの企業が多かった。
 具体的な数値では、総戸数が73万戸前後、持家が19万戸前後、貸家で30~35万戸程度に集中した形となった。25年と比較した26年の各社の受注見通しについては、戸建てでは「増える」が5社、「横ばい」も5社で、「減る」が1社。賃貸では「増える」が8社と多数を占め、「横ばい」は2社、「減る」は1社だった。分譲は「増える」が6社と過半を占め、「横ばい」が4社、「減る」の回答はなく、無回答が1社だった。
 技術革新や商品開発など、今後注力する技術分野について聞いた質問では、「ZEH・省エネ性能の向上」を挙げた企業が最も多く9社、「スマートホーム・IoT技術の導入拡大」と「新工法・新素材による建築効率化」は各6社。ZEH+の創設やGX志向住宅など国による支援策が活発化していることを受けて積極的な取り組みを進めている企業が目立った。
 また、スマートホーム関連では、顧客の暮らしにともなう利便性、防犯や災害対策の安全性、ウェルビーイングの向上を図るとともに、新たな価値創造とその提供に努める考えが強く示された格好となった。
 新工法での効率化関連では、人手不足を背景としながらも建築・品質向上を図る上で対応が必要と考える企業が多く、ユニット化の推進に加え、木造にも関心が集まった。
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