お電話でもお問い合わせを受け付けています 受付時間 平日 10:00~17:30

TEL03-6721-1338

飛島建設と応用技術が/「サイバー建設現場」を開発

飛島建設と応用技術が/「サイバー建設現場」を開発

  • 2025.08.05
  • お気に入り

サイバー建設現場の概念図

 飛島建設(東京都港区、築地功社長)はこのほど、応用技術(大阪市北区、船橋俊郎社長)と共同でクラウド上に工事現場を再現し、デジタルツインプラットフォームとして情報共有を可能にしたクラウドサービス「サイバー建設現場」を開発した。4DBIM/CIMモデルで工事現場を再現し、施工管理を効率化、遠隔地からでも現場の進捗状況などを確認可能とし、関係者間での協議を円滑にして生産性向上を図る。
 「サイバー建設現場」は、飛島建設の提案仕様に基づき応用技術が開発したもので、特許出願中という。
 ネット通信環境とデバイスさえあれば、CADソフトや高性能PCなどは不要で、クラウドベースのBIM/CIMモデルによる現場状況チェックなどが行える。
 最新情報も同時に表示でき、カメラのリアルタイム映像や位置情報、各種計器の計測データ、現場環境情報(天候・騒音など)、ICT施工によるデジタル情報などデジタルデータ全般が扱える。
 この新システムは、国土交通省発注の「2022年度荒川第二調節池排水門及び囲繞堤新設工事」でのBIM/CIM活用の一環として開発。建設業界全体が抱える課題、特に労働人口減少や高齢化対策としてDX技術の推進が急がれる中、推進した。この工事は、地盤改良情報や盛土情報、地盤沈下情報、コンクリート打設情報などの多様な施工情報を一元管理することに用いられている。
 従前の仕組みではBIM/CIMモデルの操作や確認には、CADソフトや高性能PCが不可欠で、一般的な現場ではこれらを準備、活用するのが難しいという課題があった。「サイバー建設現場」はネット環境だけで扱えるシステムとして開発、4Dにも対応し、過去の実績モデルと現在モデル、未来の計画モデルなど時間軸を操作して使える仕様とした。施工計画の作成や協議、教育などの場面での活用、作業所業務の効率化、情報共有の迅速化に貢献すると期待される。
 「サイバー建設現場」では、Autodesk Docsにアップロードした多様な形式の図面やBIM/CIMモデルの閲覧が可能。クラウド上で常に最新のモデルを確認できるため、円滑な意思決定が促される。工程情報をもとにAutodesk Navisworksで構築した4Dモデルも閲覧可能で、工程シミュレーションやリスク評価も事前に行える。モデル内に存在する任意要素について、さまざまな情報を利用者が随時付加し管理することや、リアルタイムに自動受信されるデータと連携することも可能で、手動データ入力の手間やヒューマンエラーの抑制も図れる。BIM/CIMモデルが変更・更新された場合も情報は引き継がれるので安心だ。
 水位データに基づく河川水面情報を3次元空間上で再現、将来の現場を再現しながら浸水時被害を事前に確認したり、建設機械類の3Dモデルを現場に配置、各所の干渉や配置の事前チェックを行ったりすることもできる。API連携で時間情報をもつデータをグラフ化、現場情報を視覚化してデータに基づいた迅速な判断や対応も可能になる。
TOP