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不動産業アワード/大賞に「アキヤラボ」/国交省地域価値共創の最前線

不動産業アワード/大賞に「アキヤラボ」/国交省地域価値共創の最前線

  • 2026.05.18
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大賞を受賞したアキヤラボが定期的に開く「ミライ店主会」の風景

 国土交通省は、地域課題の解決や新たな価値創造に取り組む事業者を顕彰する「第4回地域価値を共創する不動産業アワード」の受賞者を決定した。同アワードは、不動産業者が地方公共団体や住民、他業種と連携して進める「地域づくり」のモデルを広く普及させる目的で2022年度に創設されたもの。コロナ禍を経て生活様式が変化する中、不動産業者は物件の提供とともに、コミュニティ形成や文化を創造する「クリエイティブ産業」としての役割が期待されている。4回目となる今回は全国から28件の応募があり、審査を経てアワード大賞と優秀賞が選出された。
 最高賞の「アワード大賞」にはアキヤラボ(富山県南砺市)を選出。不動産業者が地域課題の解決に主体的に関わり、新たな価値を創出する「地域価値共創」の先進モデルだ。アキヤラボの取り組みは、空き家対策と起業支援を高度に融合させた点が高く評価された。
 同法人は「空き家を資源に変える町、井波」を掲げ、起業希望者の意欲醸成から物件決定、地域との関係構築までを6段階のフェーズに整理。仲介とともに開業後のフォローアップを仕組み化したことで、5年間で55軒の空き家を店舗などに再生させる実績を上げた。また、入居者同士のコミュニティ「ミライ店主会」を組織し、エリア全体のにぎわいと担い手育成を並行して進めるなど、不動産業がまちづくりのハブとして機能する姿を提示している。
 優秀賞には、社会課題へのアプローチが異なる6件のプロジェクトが選ばれた。居住支援の分野では、LivEQuality(愛知県名古屋市)が選出された。住宅確保が困難なシングルマザーに対し、市場より低廉で良質な賃貸住宅を提供。支援団体と連携し、入居後の生活サポートまで包括的に行う伴走型の仕組みが評価された。
 行政との共創では、Sweets Investment(静岡県藤枝市)の「藤枝モデル」が受賞した。行政の信頼性と民間の機動力を組み合わせた「空き家ゼロにサポーター」制度によって、空き家を「負の遺産」から「資源」へと転換。移住ツアーやDIY体験を通じて地域経済の循環を生み出している。
 エリアマネジメントの観点からは、まつくる(島根県松江市)が受賞。中心市街地の空き店舗を「しらかたBASE」などの複合施設へ再生。デジタル技術でデータに基づく運営を行い、人の流れを不動産需要へと波及させる民間の収益構造を構築した。
 広域的な活動ではSALT(福岡県福岡市・古賀市)が選ばれた。点在する空き家や休眠施設を「再編集」し、複数の拠点を連動させることで、移住促進や関係人口の創出につなげた。6月18日にシンポジウム
 審査委員会は、受賞を逃した取り組みについても「多様な主体と共創し、地域づくりに貢献している」と高く評価。同省は、これらの先進事例が横展開することで、居心地の良い「幸せなくらし」の実現に向けた動きが全国へ波及することを期待している。表彰式とシンポジウムは6月18日、東京ミッドタウン八重洲で開催される予定だ。
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